表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
屍は黙考する  作者: 龍崎 明
第一章 忘れ去られた地下墓地
21/139

新たな種族

「チッ!」


 嬉しげなセイが一目散に俺のもとに駆けてつけてくる。最後の仕上げに飛び付いてくる相棒を俺は抱きとめてやった。


「勝ったな」


「チッ♪」


 勝利の余韻に浸りながら、セイを撫でてやる。


 お?……おぉ!セイの滑らかな毛並みがわかる!


 クンクン……セイの爽やかな匂いもする。まさか、五感が戻ったか!


 ……。


 一頻り、ジャレ合い満足すると、セイは動かなくなった屍に向かい、食事を始めた。


 さて、真理眼(イデア)行使。


『個体名:ジャック・ネームレス Lv.25

 分類:不死者(アンデッド) 人類(プライミッツ)

 種族:吸血聖人(ヴァンパイア・ホープ)          』


『吸血聖人:吸血鬼(ヴァンパイア)でありながら、負の生命でありながら、その身に正の魔力を宿すことのできる異常個体。現状では、世界に一体しか存在しない新たな種族。吸血衝動は、吸血鬼の存在そのものであるため失われてはいないが、生きるうえでは血を吸う必要性はない。』


『個体名:セイ Lv.14

 分類:魔獣(ビースト)

 種族:聖鼠(セイクリッド・ラット)   』


『聖鼠:清鼠(クリーン・ラット)系統、進化二段階目の種族。今まで、浄化に限定されていたチカラが、神聖魔法という新たなカタチとなっている。』


 俺も大概だが、セイも一段飛ばしで進化してやがる……。まぁ、名称的に俺の影響か。てか、テキトーに名乗った名が個体名になってやがる……。

 よく見れば、セイの毛色が白ではなく、青白い。その瞳も赤から碧に変わっていた。


 さて、特性は、と……


『特性

 ・生命感知:生命力そのものを第六感で感知する。

 ・呪毒病魔:その身に宿す負の魔力によって、生者に対しての攻撃に病毒の呪いを宿す。

 ・無限の胃袋:いくらでも喰らうことができる。

 ・血魔法:吸血鬼系統が本能的に行使する神秘。血を媒介にして、事象を引き起こす。

 ・変幻自在:吸血鬼は、狼、蝙蝠、霧の因子を持ち、その範囲内ならば、変身も分身も自在である。

 ・超再生:血のチカラで瞬時に再生する。骨肉を喰べても血のチカラに変わるが、変換には時間が掛かる。核が消滅しなければ、生き続ける。

 ・不老の祝福:身体が老いることはない。また、月光のもとではチカラが向上する。

 ・聖なる魅了:吸血鬼はその美貌とは別に、魅了の魔力を放っているが、吸血聖人は正の魔力を宿すためか、魅了とともに善人の印象を他者に抱かせる。

 ・混沌の器:負の生命でありながら、正も負も併せて蓄えることができる特殊な魔力貯臓。


 固有特性:哲学者(フィロソフィスト)

 ・真理眼: ありとあらゆるものを見ることができる。どのような隠蔽をも看破する。

 ・哲人石(ラピス): およそ、人が抱えるすべての欠陥を解決する万能の媒体。錬金魔術(アルケミー)においては、最高の触媒ともなり得る。

 ・[封印]

 ・[封印]                 』


 ……ふむ。いくつか、消えている特性があるな。不朽の呪いは、不老の祝福に取って代わり、鋭牙尖爪や喰再生はそれぞれ、変幻自在と超再生に含まれたのか。

 固有特性にも哲人石が増えている。イカロスとの戦いの最後を思うに、永久機関的な効果があるのは確定か。


 しかし、これでようやく、外に出られるな。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ