表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
屍は黙考する  作者: 龍崎 明
第一章 忘れ去られた地下墓地
1/139

覚醒

Happy New Year!(公開年月日2020年1月1日)

「うあ……」


 ここは……?どこだろうか?目を覚ますと辺りは石造りの部屋だった。

 それなりの広さがある。殺風景で物がなにもなかった。そのせいかやけに広く感じる。


 自身が横になっているところに目を向けた。……祭壇?だろうか。それなりの大きさだが、真ん中で寝ると寝返りを打つ余裕はない。高さは、そこまで高くない。座れば、地面に足がつく程度だ。


 ある程度の状況確認を終えて、俺は、横になった状態から身を起こし、地面に立った。


「ん?」


 違和感を覚えた。自身の手に目を向ける。動作を確認した。握ったり、開いたり、指の一つ一つを動かしてみたり。


 ……感覚が無い。が、動作には全く影響がでていなかった。動いていることは認識できている。ただ、動くことによる触覚の反応がなかった。


 何故、だろう?


「うお!?」


 疑問の思考とともに、目の前になにやら半透明の板が現れた。昨今流行のVRのようである。恐る恐るそれを覗いてみた。


『個体名:No Name Lv.1

 分類:屍霊(リビングデッド)

 種族:無傷(インタクト)()(ゾンビ)    』


 ???本当にゲームのようだ。どうやら、俺は既に死者であるらしい。いつの間に死んだのだろうか。


 ふむ、No Nameか。確かによくよく記憶を探れば、名前を思い出せないし、家族や友人などの記憶も無い。どうやら、人生経験がそっくり欠落しているようだ。ゲームやなんかの常識や知識は備わっているようだが、この板を見るにここは、俺の生前とは別の世界だろう。


 さて、それで感覚の無いことの原因はこれだろうか?


『無傷の屍:死後間も無く、負の魔力を多量に浴びることで屍霊と化した魔化物(モンスター)屍鬼(ゾンビ)の亜種。腐乱が見られないため、一見して人間に見える。死体であるため、嗅覚、触覚、味覚は無い。視覚、聴覚も僅かにある程度である。他の屍霊族と同じく、生者をうらみ、その生命そのものを感知することができる。』


 ふむ、やはりか。しかし、視覚はかなり鮮明なのだが、このデータは間違いがあるのか?


「……お」


『特性

 ・生命感知:生命力そのものを第六感で感知する。

 ・不朽の呪い:風化による劣化をしなくなる。ただし、太陽に当たると徐々にダメージを負う。

 ・呪毒病魔:その身に宿す負の魔力によって、生者に対しての攻撃に病毒の呪いを宿す。


 固有特性:哲学者(フィロソフィスト)

 ・真理眼(イデア): ありとあらゆるものを見ることができる。どのような隠蔽をも看破する。

 ・[封印]

 ・[封印]

 ・[封印]                 』


 特性、か。どうやら、この真理眼によって、俺の視界は鮮明なようだ。


 さて、どうしたものか。当ては無い。この部屋を見回してみたが、扉らしきものは一つ。これを潜るしか無いだろう。


 最後に、この部屋自体に真理眼を行使することを意識した。


『忘れ去られた地下墓地:古代にあった地下墓地。長い年月の流れにより、魔力を溜め込み、迷宮(ダンジョン)と化している。』

2021.3/14より新作を公開中!

短いですが、第一部までは毎日更新します!


タイトルは『亡国の騎士道』


是非、ご覧ください!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ