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愛は重くて強いもの  作者: 白狐
状況把握編(仮)
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2

 未来を捨てた……筈だったんだけどねー?


 悪逆非道な行いを進んでしてるのに、一向に嫌われる気配がないのよ。

 悪意を持って行動しているのに逆に感謝されてしまったり……。


 5歳。

 メイドを階段から突き落として大怪我をさせたらお父様の命を狙う暗殺者だった。

 丁度実行に移す直前だったらしく、階段から落ちた時に懐に忍ばせていた毒が入った小瓶が転がり落ち発見に繋がった。

 身元が巧妙に偽造されていて雇う時には気づかなたっかそうだ。

 私には教えてくれなかったけど、背後に大物が居たらしくしばらく騒がしくなった事を覚えている。

 お父様に凄く叱られたけど、同じくらい褒められた。


 6歳。

 お父様が馬車でお出かけになるようだったから夜中の内に馬を逃がした。

 翌朝、こっぴどく叱られたけど、真っ青な顔をして屋敷にお父様のお知り合いが飛び込んできたのでお叱りが一時中断された。

 後で聞いた話だと、お父様が通る予定だった山道で大規模な土砂崩れが起きたそう。

 土砂崩れの発生した時間と本来の移動予定時間を考えると、まず間違いなく巻き込まれていたそうだ。

 お父様は驚きながらも褒めてくれた。


 7歳

 お父様の商談相手に「貴方、何か臭いますわね。ちゃんとお風呂に入ってらっしゃいます?蛮族は嫌だわー。」と暴言を吐いた。

 ハーツメル家は大貴族だ。

 当然、出入りする商人も信頼と実績を持っているし、この商人をひいきにする他の貴族も素性は徹底的に調べている事だろう。

 子供が言った事とは言え、他の貴族にも卸す事がある様な商人相手では冗談では済まない言葉だ。

 いくら大貴族とは言え、何かしらの詫びが必要になる。

 その場はお父様が謝罪をし、なんとか収まったが商人の内心が穏やかであるはずがない。

 

 これはやったか!?


 と、思っていたら商人が隣国のスパイである事が発覚した。

 タイミングが良すぎたのでお父様に尋ねると、私が言った”蛮族”に引っかかる物があったそうだ。

 私は知らなかったけど、どうやら隣国とは相当仲が悪く、一部の貴族が隣国を蛮族と揶揄しているそうだ。

 今まで”偶然”二度命を救われていた娘の言葉を”偶然”と片付けてよい物かと悩み、念の為に調べ上げた結果、黒だと分かったそうな。

 今回発見が遅れたのは、最近になって隣国から声が掛かり、情報を売るようになっていたかららしい。

 隣国のスパイが上流社会、それも王家に近しい部分にまで根を広げて居た事に危機感を抱き、これからは素性を徹底的かつ定期的に調べる事にしたそうだ。

 

 この件をきっかけに、私の事を先見姫サキミヒメと呼んでありがたがる人が現れ始めたらしい。

 人より多くの物、多くの真実を見て、的確に物事を運ぶ事からつけられたみたい。

 目の前の事すら思い通りにいかないのにね。



 頑張って悪評を立てようと行動しているのに、私の思いとは裏腹に評判がどんどん上がっていく。

 

 

 そうこうしている内に10歳になった。

 いや、なってしまった。

 ゲームが始まるのは2年後。

 主人公が12歳になった年の秋、半年遅れで王立学園へ途中編入される時から始まる。


 私も後2年で学園へ入学しなければならない。

 その時までに悪評を広められなければ、愛するケビンが死んでしまう可能性が出てきてしまう。

 シナリオ通りならあと1年後にケビンは私の婚約者となる。

 本来ならば、悪評の酷かった私を質実剛健、清廉潔白で代々騎士を勤め上げているマクダウェル家に嫁がせ、私の性格を矯正させると言う考えの元、お父様が権力に物を言わせ無理やり婚約を結ぶ。


 けど、今の私に悪評はない。

 この状態ならケビンと婚約する事もないかもしれない。

 だけど!もし!シナリオの修正力とか、不思議な力が働いて婚約する事になったら。

 そしてもし、主人公がケビンを選んだとしたら。

 ケビンが死んでしまう可能性がわずかにでも出てきてしまうとしたら……。

 のんびりしている暇はない。


 私は全力で悪事を働かなければいけないのだ。

 この命を、ケビンに捧げるために。


 ケビンの幸せを守る為に。

ほあっ!

一話しか投稿してないのにブックマークをして頂いた方が居らっしゃるようで!

感謝の念が絶えません!

でもこのブックマークされた方ってシリアス路線を期待して登録してくれたんですよね、きっと…。


見ての通りコメディーチックな方向性だったり異能が出て来たりするなんちゃってシリアスなんですよ…。

この路線が終着駅まで到着したら一話をベースにコメディーや異能を取っ払って再出発するかもしれません。

シリアス路線を期待していただいた方は何卒それまでご辛抱頂けますと幸いでございます。

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