表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
我輩はくー。である。  作者: ともさかゆう
1/6

にゃぁ。

 我輩はくー。である。


 名前は、にゃぁ、うにゃ、なまえがくーなのである。


 ちなみに我輩っていうのはぼくのことである。


 昔の偉い猫は、自分のことをそうよんだそうなのである。


 いまぼくの住処にはおにいちゃんとおばさんとおおきいおとさんとおかさんがいる。


 おにいちゃんはどうやらぼくに似てる。


 たぶん最初にぼくがぼくって意識を持った時からずっと一緒なので、ほんとうのおにいちゃん。


 一番最初の記憶は、暗くじめじめした所。


 にゃーごーってかあちゃんの声。


 みんなでゾロゾロ我先にと狭いじめじめした所から這い出すと、なんだかポカポカとした日差しで気持ちよかった。


 ぼわっと明るくなったことは覚えてるけど周りはよく見えてなかった。


 ゔあーー


 としかわからないへんな鳴き声が聞こえたと思うと、ドカドカ大きいのが近づいてくる気配。


 ぼくらはたぶん一生懸命逃げ、かあちゃんの近くに行こうと右往左往してた。


 ぎゅっと持ち上げられ、なんだかどこかに入れられて……。


 そこにはもふもふと仲間が居て、そんで最後にかあちゃんも来た。


 ぼくらはみゃーみゃー鳴きながら外に出ようともがいてたけど、なかなかで。


 かあちゃんが舐めてくれたので少し落ち着くと、なんだか周りがぼんやり見える解るようになった。


 今にして思えばそれまで見えてなかった目がやっとみえるようになったってことなんだろうけど。


 そこには大きいのが居た。


 かあちゃんの知り合いっぽくて、かあちゃんはそれに撫でられても威嚇するわけでもなく仲良くしてたからぼくらもちょっと安心した。


 これが今のぼくらのおおきいおかさん。


 おかさんは空中で誰かと話しててそれで。


 ぼくに向かって言った。


 良かったねぇ目が見えるようになったねぇ。


 最初見つけた時目が目ヤニまるけでくっついてたから病院連れてかなきゃとかあせったよ。


 もう大丈夫だねぇ。


 そう。その時は意味も何もわからなかったけど優しい声だったのは覚えてる。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ