目撃者
ゴエティアはどこにいったのか、それが目下の警察の目標だった。
が、1週間経ち、2週間経っても彼は発見できなかった。
事態が動いたのは、1か月後、噂も随分と下火になってからだ。
このころ、グッディ子爵は初代アマーダン公爵に叙爵されるという話が出回っていて、その勅書もできていた。
が、悪魔が出たという話がロンドンへと到達すると、真に叙爵するべきなのかを再考するべきだということになった。
当時の枢密院も巻き込んでの論争の間、第4の殺人が起きる。
第4の殺人は、とうとう目撃者が現れた。
ゴエティアを見たという目撃とともに、その死体の正確な場所を示した。
目撃者が犯人だという話もあったが、それにしては力が足りなさすぎるということで違うという判断に落ち着いた。
それによると、ゴエティアは被害差である31歳の男性を後ろから襲った。
森の茂みへと引きずりこみ、真っ先に首をひねり切った。
それから噴き出す血を飲み、さらに首を表から胸へと一直線に切り裂いて、骨をちぎり、心臓を取った。
が、思っていたのとは違っていたようで、そのまま捨てたという。
これで、ゴエティアが犯人だとはっきりした。
そして、吸血鬼、という存在が現れたということもわかってしまった。