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この部はエロゲ部として活動します。  作者: 和泉猫
 エロゲ部
3/15

第2話 ここがどこかって………そりゃ高校だよ

 職員室から、歩いて保健室に来た俺だったが、今途方に暮れていた。

 保健の先生が、今日は、午後から出張だということで、今、保険委員がその軽い

応急処置を取っているだけのそうだ。

 俺の怪我も、その軽い処置に入ると思うからいいのだが、問題はそこではなく。

 その処置をしている保健委員が、金髪の美人の女の人だったからだ。

 もし、同級生だったら、


 「ひゃっほー!治療を受けに来たぜー!俺の心のケアをしてもらうためにな!」

 

 まさに外道である。

 この後の展開として、心のケアという建前で、俺の息子の世話をしてもらったり

、メイドさんや、バニーガールの衣装に着替えてもらって、俺をご主人様呼びして

もらったりとか、そりゃあ、色々だ。

 ………どこの、同人誌だよ。

 話がそれたが、その金髪の女の子は、同級生の女の子ではないだろう。

 俺が、入学式で一通り友達と、可愛い女の子探しをしてた時、いなかったからな

。もし、同級生なら、すぐに声をかけているだろう。

 だから、たとえ俺でも、上級生になるとさすがに気を使って敬語になってしまう

、高校に入るまで、帰宅部オンリーで、この高校生活も帰宅部で通そうかなと思っ

いる俺が、もし上下関係の厳しい先輩だったら、その運動部ルールがわからなくて

馬鹿にされてしまったら、どうしようか。

 うん、想像してみるか。


 「失礼しまーす。手当てを受けに来ました!」


 「はーい、そこに座ってね、……で、何処怪我したのかな?」

 

 「はい、手の甲の古傷が開いてしまって」


 「珍しいわね、手の甲の古傷が開くなんて、………はい、これでいいかしら、

消毒しといたし、包帯も巻いとく?」


 「はい、お願いします」


 「………これで、よし。あとは、怪我しているとこはない?」


 「あ、あともう一か所あるんですよ!」


 「ん?どこかしら?」


 「俺の心のケアです!」


 だからそれは、違う。俺の妄想力よ。それは同級生限定だろうが。


 「あのー、どうかしたのかしら?」


 「うおっ!」


 扉の前でずっと立っていたのが、不思議に思ったのか、金髪の先輩が俺の前にいつ

のまにか、立っていた。

 

 「あ、す、すみません、保険の先生に手当てをも、も、もらいにきたんですけど」

 

 見事などもりかただった。

 先輩の妄想していたのが、ばれてしまったかのような背徳感、めっちゃ背中に冷汗

をかく。

 

 「あ、ごめんね。保健室の先生、今日午後から、出張なの!」


 すでに知っている事実だが、初めて聞いたリアクションをする。


 「そうなんですか、なら、しょ、しょうがないです。きょ、今日のとこは失礼しま

す」

 

 これ以上いたら、俺の心臓が口から出てしまいそうな感覚に陥りそうだ。

 ぎこちない足取りで、来た道を戻ろうとする俺に


 「あら、あなた、手の甲怪我してるじゃない?こっちいらっしゃい、私、保健委員だ

から、軽い傷なら治療してあげるわ」


 「あ、はいぃ」


 言われるがままに、保健室に入ってしまった。

 髪をかき上げながら、入る彼女がとてもいい匂いがした。

 これじゃ、俺、変態みたいだ。


 「え?古傷が開いた?どうみても、切られたように……」


 傷の詳細を聞かれたので、説明したら、何故か、驚いた表情をしていた。

 俺も、どう見ても切られた傷にしか見えないのだが、いかんせん、俺の今後の立場の

ためにウソを貫き通さないといけないのだった。

 軽やかに、消毒して、包帯をしてもらった俺は、だいぶ落ち着いたので、感謝の言葉を

述べた。


 「ありがとうございます、先輩!」


 「いいのよ、保健委員だからね、当たり前よ!」


 何故か、この時の俺は、先輩を怖いものとして生きてきたから、こんな反応をもらった

のが、嬉しかったのか、饒舌になっていて、話し込んでいた。


 「えっ、先輩、運動部じゃないんですか?てっきり、テニス部か、バスケ部かなと思っ

ていました!」

 

 「そうなの、友達にも誘われたんだけどね、私も体験入学で決めてた部があったから、

そっちに入ったのよね!」


 決めてた部ということは、小中続けている部だということかな、そうだとしたら、文化系

、つまり演劇部のエースとか、将棋の優勝者とかそういう成績を残していて、この高校を優

勝に導く青春ドラマが展開するのか。


 「先輩、日本の次は、世界に行くんですか?」


 きっと先輩のことだ、日本の大会なんて、世界大会の足掛かりにしか思っていないんだ

ろう。

 俺は、羨望な瞳で見つめる。


 「え?世界?私、そこまで有名じゃないというか、もっと有名になってから売りだした

いなと思っているし」


 さすが、例え、見ず知らずの関係ない人でも謙遜して、自分の株を上げようという作戦

か、さすがっす、先輩!


 「例えば、誰を超えたいと思っていますか?それか、誰か目標としている人でも!」


 なんか、だんだんインタビューしているみたいになっているが、気にしない。


 「目標としている人?そうね、アインさんとか、ぬっこさんとか、黒棺さんとかかな?」


 なるほど、わからん。

 なんかのハンドルネームみたいなんだが、百歩譲って、アインさんは分かるが、黒棺さ

ん、なんて中二病全開じゃないか、どこに黒棺さんが出る、大会があるんだよ!

 そう、心の叫ぶと、頭の中にある答えが浮かんだ。

 まさか、先輩は、ゲーム部に所属しているのか?

 そう考えると、このハンドルネームにも納得がいく。

 絶対、黒棺さんは、FPSが得意で、ランカーなんだろう。

 そうなると、先輩もランカーを目指しているのか。


 「先輩、今どのくらいのランカー何ですか?」


 興味本位で聞くと、先輩は、ポカーンとした顔をすると、合点がいったらしく、


 「ああ、ごめんごめん。私、そういえば何の部活に入っているか言ってなかったね」


 あ、ただ単に忘れていただけなのか、普通に部活を当てる遊びをやっているのかと思った

。他愛もない会話に癒されていると、先輩は耳を疑うことを言い切った。


 「私はね、エロゲ部に所属しているの」

 

 そう、誇らしげに言う彼女は、なにか大切なものを失いかけている印象を感じた。

 えっ、ウソだろ、こんな可愛くて、真面目そうな人がエロ!?

 何故か、裏切られた気分だ。


 「なんで、エロゲ部に入ったかというと、私自身ね、エロに……」


 「うっさい、痴女!」


 裏切られたショックか、先輩にもかかわらずため口でしゃべる。


 「な、私まだ、初めては残ってるし!」

 

 なぜか、変なところで対抗してきた先輩、もとい変態先輩。


 「うるさいです、聞きたくありません、心から軽蔑します」

 

 こっちから、リスペクトしといて、勝手に軽蔑するなんてどうかとは思ったが、怒りの方が

先に出ているから、自分ではコントロールできない。


 「失礼しました、痴女先輩」

 

 「なっ、失礼な、私はまだ……」


 乱暴に扉を出て、閉める。

 そのせいで、先輩が何か言っていたが、聞こえない以上、なにも言うことはない。

 俺は、日々の生活の平和を噛みしめながら、保健室を後にした。


FPSって、世界大会が開かれるくらい大きな行事の一環にもなっているんですね。この前、某有名な動画サイトで、生放送しているとき、あまりにも綺麗な戦いをする人がいて、それはもう、クリアリングやら空爆とかめっちゃうまい人がいまして、つい声をあげて叫んでしまったわけで……家族に火事か?!と大騒ぎになったことがあります。ええ、家族がうるさくてすみません←

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