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序章 満月の下で。
初めまして。
かなり稚拙な文章ですが、設定は頑張ったはずです。これからよろしくお願いします。
序章
右肩を銃弾によって撃ち抜かれた青年は、息を切らしながら、森のようにそびえ立つすたれたビル群の中を走っていた。
(………、血が垂れているのか。これじゃあ時間の問題だな)
細い裏路地をジグザグに進む。灰色の使い古されたパーカーは赤く染まっていた。まだじっくりと熱されているような鈍い痛みがする。どうやら骨には当たっていないようだ。
アサルトライフルの一撃はされど肉を抉っていた。
追ってくる声は青年を見失ったようだ。コンクリートの冷たい壁に靠れて座り込み、ビルの谷間から夜空を仰いだ、満月が青白く輝いていた。
息が切れる。何キロも走ったからか、いや自分の犯した罪の重さに耐えきれないのか。どちらにしろそれは青年の肺を圧迫し続けた。
(あの軍人さんは逃げ切れたのだろうか?でもこの力は一体………?)
思考を巡らせる分の血液が足りていない。急にシャットダウンでもされたかのような強烈な疲労が、視界を次第にブラックアウトさせていった。
近いうちに公開予定です