事務所
今日は朝、事務所に電話をしてから近くにある駅の事務所に向かった。
事務所はお馴染みのファーストフード店の2階にあった。
明るくにぎやかな下とは打って変わって地味な内装で何処か誇りっぽかった。
駅前と言うことあって眼下の歩道は人であふれていた。
ゴタゴタした机の群れに囲まれた応接用の椅子に案内された俺は、
高校生には似合わずモジモジしていた。
綺麗なお姉さんがお茶を持ってきたくれた。
それを啜っていると、おっさんが1人俺の前に座った。
責任者と名乗るおっさんは一言で言うと教頭先生みたいな人だった。
丸いめがねをかけていて、頭がハゲていた。
「 え〜っと名前は?」
「 あ、清水です。」
少し間が空いて教頭が尋ねてきた。
「 清水君、本当にうちで良いの?」
「 うちで良いのと言いますと・・・・・?」
俺が尋ねると少し青くなって教頭は、
「 あ、知らないんだったら良いんだ。」
『知らない』って何のことだろう?
なんか怪しい・・・。
「 清水君、『恵比寿公園』って場所は知っているかな?」
そう教頭がいった瞬間、事務所にいた人が俺たちのほうを見た。
とっても驚いている・・・・・・・・・ナンデダ?
「 恵比寿公園ですよね、知ってますよ何年も前から工事してますよね。」
知っているも何も、名前のわりには誰も近寄らない位に不気味な公園とゆう噂が流れてる。
何でも変な人が出るとか・・・・・・・。
工事も何年も前からやっているらしいけど・・・・・・。
「 もしかして、そこで働くんですか?」
「 そうなんだけど・・・・・・・いいかな?」
教頭は尋ねてきた。
「 はい!!」
かえってそっちの方が都合が良い。
同級生や家族に見つかる可能性が少ないかだら。
教頭と事務所にいた人達は何故か目頭を押さえていた。
「 ほ、本当かい?清水君、本当に良いのかい?」
「 は、はい・・・。」
涙、涙の教頭は握手を求めてきた。
俺は渋々握手をした。( だって鼻水でてるんだもん。)
「 じゃあ、この書類を書いて明日持ってきてね。」
教頭に履歴書みたいなのを渡されると、俺は外に『ポィッ』された。
首をかしげながら階段を下ろうとすると、ものすごい歓声が聞こえた。
ビクッとするくらい大きな声だった。
下ファーストフード店から聞こえてくるのかと思ったら、事務所からだった。
ナンデダ?そんなに嬉しいことだったのかな?
立ち聞きはいけないのは分かってるんだけど・・・・・。
ちょっと気になるから・・・・・ドアに耳をくっ付けた。
「 これでようやくアイツ等としばらく縁を切ることが出る!!!」
「 やりましたね課長!!」
「 清水君に乾杯!」 などなど・・。
やっぱり何かあるんだ・・・・・・。
怪しい、怪しすぎる!
いったい何があるんだ『恵比寿公園』って!
何かややこしい事に足を突っ込んでしまった気がする・・・・・。
ま、働くのは1ヶ月だけだから良いか。
俺は開き直って家路に付いた。