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始まり

あれから何の進展も無いままあれよあれよと言う間に日が過ぎて

かれこれ2週間たった。



黒さんの言った『面白い事』も無く、ただただ平穏な工事作業が続いていていた。

(本当に黒さんが言っていたことはあるのだろうか・・・。嘘っぽい。)



仕事が終わり家に帰って寝るのは2時すぎ







と、思ったんだけど今日はそうとも行かなかった。





あまり人には教えていない携帯が鳴った。

しかもこんな時間、誰かとお思って見てみれば非通知の文字。


切ろうかと思ったけど、

これを切ったらなんかものすごいチャンスを逃すような気がして・・・。



「 もしもし。」



「 あ、清水君? 今、ひまぁ?」



「 く、黒さん!? どうしたんですか。」


黒さんからの電話だった。

あの人ならいつ電話を掛けて来てもおかしくないけど

驚いたのは俺の携帯の電話番号を知っていた事・・・・。



いつ調べたんだろう?



「 どうしたも、こうしたも、『面白い事』が始まるよ。」



へ?



「 黒さん。あの話本当だったんですか?」


「 なにそれぇ。 清水君もしかして俺が嘘ついてたと思ってたのぉ?」


黒さんならそれありえます。


「 す、少し・・・。」



「  酷いなぁ・・・。 

  まっいいや、今から公園来てくんないかな。急いで、静かに来てねぇ じゃ。」




プ―――――――――




音と共に取り残された俺は、しばらく呆けていたが

ふと、我に帰って家を飛び出した。




自転車で行けば10分位で着くだろう。




車も人もいる方が珍しい時間、信号無視当たり前で道を急いだ。



何が楽しいのか分からなかったけど、笑いがこみ上げてきた。

これから起きる事への期待と、諦めていた自分の情けなさ、両方が混ざった感じがした。





大急ぎで公園に到着。









中に入ろうとしたとき、口をふさがれた。


慌ててもがいたけど口をふさぐ手はビクともしない。



「 清水君、清水君、大丈夫です。僕ですよ。」

声を聞いて俺はもがくのを止めた。


「 鮪乃山さん。どうして此処に?」

黒さんに『静かに』と言われた事を忠実に守り、小声で話す。


「 黒さんに頼まれたんです。

 『 マグろん、清水君来るからつれて来て、急いで、静かに』と言われたんで・・・。」


「 あぁ。なるほど。」



「 清水君、こっち来てください。急いで、静かに。」



一人合点している間に鮪乃山さんは公園の裏側に回る道を歩いていた。

普段人が通らないせいで、植木やら草やらでかなり荒れている道だ。


丁度と工事現場の裏辺りに来たとき黒さんが茂みの中から顔を出した。

手招きをして小声で言う。

「 2人とも 早く 早く。 隠れてないといけないんだからぁ。」



黒さんにならって茂みに隠れる。



「 黒さん、どうしてこんなところ隠れてなきゃいけないんですか?」


「 静かに。 もうすぐ分かるから・・・。」


そう言って工事現場の法を見つめる黒さん。

何も言ってくれそうになかったので俺も仕方なくそちらを見つめた。



『面白い事』は始まるのだろうか・・・。

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