お金
お金が無い・・・・・・・。
空っぽの財布をひっくり返しても、出てくるのは俺のタメ息だけ。
透明なガラスを挿んで『それ』はあった。
水色の電動泡だて器
・・・・・・・・・・・・・・・。
あ、俺が使うんじゃないんだ。
料理好きの彼女の誕生日プレゼントに上げようと思って・・・。
でも、値段がすごいことになっている。
100,000 ダ。
ナンデダ?
何で、電動泡だて器がこんな値段をしているのか知らないけど、
高校生の俺にとっては結構高額な買い物になってしまう。
しかも、財布の中身は何もない。
親にねだるような年じゃない(と、言うか恥ずかしい)。
どうしよう・・・・・・?
商店街のど真ん中、いつの間にかショーウインドーにへばり付いていた俺は苦い顔をしながら
電動泡だて器と睨めっこをした。
相手の電動泡だて器というとすまし顔で座っているだけ、
俺のことなんか気にも留めていない。
そう思うともっと気が立って来て、さらに苦い顔になってショーウインドーに顔を押し付けた。
きっと、通り過ぎの人は俺を変な目で見ている。
そうだ、お金がないなら
バイトをしよう。
頑張って書いていきたいです。