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第5話 ギルドでドン底

「欝だ、死のう」

「お前さん本当にどうしたんじゃ?」


 目の前にいる元気印万歳みたいなご老人。まぁここのギルドマスターだけど。彼が眉をひそめて俺を見る。うん、視覚的には前回と同じく、暑苦しい爺さんだなぁと思える。誰が無駄に鍛え抜かれた男の肉体見て喜ぶって言うんだ。いや、性別違えば違うかもしれないし、特殊な性癖もってりゃ別かもしれないけど。俺は女の子が好きなんだと声を大にしていえる。

 そのはずなのに、ご老人からほのかに素敵な香りがするし。非常に耳障りの良い声。きっと触れられたら素晴らしい肌触りとか思うんだろうな……。

 まぁ、フランちゃんの声や臭いが前回と違い全く無感動だっただけだから、丸っきり感じ方が逆転って訳じゃないんだろうけど。とはいえ、これは非常に不味い。何がまずいかってこの爺様がありえない位に魅力的に感じるからだ。

 ダメだダメだダメだ。正気を保て俺! これでまかり間違えてギルドマスターに何も感じなくなってしまったら、イコール俺老人も行ける口って事になってしまう。そんなハーレム絶対やだ!

 くっそう。まさか神々の狙いがこんなところにあるとは。完全に盲点だった!

 これで視覚も狂ってたら本気でやばかっただろう。断言出来る位違和感なく俺の中でそう言う感情が湧くんだ。視覚が正常だからこそこんな考え方も出来る訳で……いやだ! 俺の色んな初めては女の子に捧げるんだぃ!

 っと、妄想が過ぎたぜ。まぁ、一瞬しか経ってないけど。兎も角にこやかな笑みを携えて、いざ決戦に望む……惚れてなるものか!


「いえ、大丈夫です」

「ふむ、だいぶ挙動不審になっておるのぅ。まぁ、お主が言うように神に信仰を拒否されればさもありなんが……この程度のステータスで生きておるのが謎じゃのぅ」


 ああああ。頭が壊れそうだ。物凄く魅力的に感じてる俺とどうでもいいって思ってる俺が同居してるとか、意味不明過ぎる。うぅ、アンジェの時は簡単に脳内保管出来たのに、逆は物凄い難しいとは思わなかったよ。


「それは先ほど説明したとおり、魔力で相殺しているからです」

「ふむ、そもそもの理屈が違うから魔力が表記されないというやつじゃな。この際それを信じるしかないのぅ。とはいえ、色々条件をつけねばならんが」


 くっそ、余裕がないからギルドマスターの都合の良いように話が進んでやがる……いや、ハーレム以外の事は元々力押しで行こうと思ってたし。これはこれで後々俺も都合良くなるかも。うん、ダメだ、上手く考えがまとまらん。


「条件とは?」

「なーに、簡単なことじゃ。今までギルドに納めてた物と自分の取り分が逆になるだけじゃ」


  ニヤリと意味深に微笑む糞ジジイ。あぁ、でも声は素敵。じゃなくて! これはあれだ、完全に自分から拒否ってると思ってやがるな。くそう、確かにヒューマンでは俺は現時点でも相当有力な実力者だろうけど、魔族や竜人族と比べればやっと駆け出し冒険者程度の扱いでしかないもんな。実力差がおおよそ10倍以上とか、種族チートとかテラワロス。じゃなくて。くそ、想定内の中でも軽い方だけど十分苦しいの分かってるし。兎も角、奴属の首輪やら付けさせられなかっただけでもマシなんだから諦めよう。うん、多分少しでも反発したら付けられそうだしな。


「分かりました。それで納得して頂けるなら十分です」

「ほぅ、1割で良いと?」

「いえ、やはりその半分で十分です」


 俺の切り返しにピクリと眉を動かすギルドマスター。いやー、器用だねー。兎も角、この程度で収めたいし、ここは下手に出る以上方法ないからな。ほんと。まぁ、多分大丈夫だろうけど。


「ふむ、本当にそれで良いのか?」

「えぇ、これでこの話は終わりで良いですよね?」


 にこやかに告げる俺に、顔をしかめるギルドマスターって、これ多分本当は処刑したかったんじゃ……こえぇぇええええええええっ、良かったァ。俺命助かっちゃったよ。流石にまだ何もやらかしてないのに長の言質を自らとは言え覆す訳にはいかないもんね。うん、ギルドの信用的にもね。

 ホッと軽く息を吐いてすっと立ち上がる。うん、視線は受けたけどそれだけみたいだ。良かった。兎も角頭を深々と下げて無駄に立派な執務室を後にする。うーん、確かにギルドの力見せるために必要とはいえ、別にマスターだけで十分威圧感あるんだし、無駄だと思うんだけどなぁ。

 余裕が出ると途端無駄な事を考え出す俺だけど、今回は本当に緊張したんだ、普通に命掛かってたしね。うん、命大事、ほんとに。


 そんなこんなで俺の収入が超激減する事になりました……けけけっ、でも、これって最高の選択だったんじゃねーかな? 終わりよければ全て良しって本当なんだなとしみじみ実感しながら。この選択が本当に最高の選択になるようにさっさとダンジョンでレベル上げに励む事にする。


「さぁ、先ずは五感全部返して貰おうか……あああああああああっ」


 丁度ギルドを出た直後だったため滅茶苦茶注目を集めるけど、そんなこと気にしてられない。だって。俺の魔力ってレベル上がったら上がるの? 使えば使うほど上がる実感はあるけど、今は全力で結界張ってた並みで相殺に力割いてるから、確かめる方法ないよ? うわぁ、やっちゃったぁ。


 全力で凹みながら、とはいえレベル上げる以外方法も見つけれない訳で。とぼとぼと2のダンジョンに向かうのだった……ぎぎぎ、果てしない。これじゃハーレム作れないよ……作れても嬉しくないとかオワタ。

 すみません、今回は予想以上に短くなってしまいました。とはいえ、今の状態の主人公じゃ女の子と積極的に絡もうとあまりしないわけで。女の子出しても淡白になっちゃうわけです。

 それじゃぁ出す意味ないじゃん。そもそも主人公意識してないなら描写出来ないじゃんと。こんな短さになってしまったのです。

 ぎぎ、果てしない……。

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