プロローグ~暇潰しのとばっちり~
ふと気づいたら見渡す限りの真っ白な空間が広がっていた。――あぁ、白昼夢かとここ最近残業続きでろくに寝てなかった事を思い出す。同時に、しみじみ年を取ったなぁとも思う。
「二十歳前後の頃は平気だったんだけどなぁ、もう俺もアラサーだし、いつまでも若い訳じゃないってことか」
(ふむ、お前の世界ではお前はまだ若い方ではないのか?)
気が狂ったのかと思った。いや、考えても見てくれ、思わず口から漏れた言葉に頭が割る程の声が頭に響いたのだ。思わず周りを見ても真っ白な訳で……そうか、夢だっ――。
(ははは、夢何かじゃないぞ。そら、今説明してやる)
その言葉が頭に響きわたった後、全てを強制的に理解させられた……あぁ、神ってこんな理不尽な存在なんだな。
「……で、俺はどうすれば良いんだ?」
(うむ、とりあえずそのまま転移か転生するか選んでくれれば良いぞ)
「待て、出来れば俺の願いを叶えてくれ」
(なるほど、そっちの方が我が楽しめると踏んだか。中々見所がある奴だな。しかも、全て理解してるくせに等身大で話せるとは、今回は大当りだな)
「まぁ、俺は単純に罰当たりで図太いだけだと思うがな」
今までの人間の殆どが恐るか敬うかの反応を示していたが、それが普通だろう。ってか、俺みたいに態度変えない奴の方が少数派の時点で、どちらが異質か分かるものだ。それにしても、今までも神隠しの一部がこうやって奴の暇潰しに付き合わされてたとはなぁ。まぁ、実はオタクも入ってる俺だし、寧ろ異世界転生とか異世界召喚とか大好物だ――。
(いや、お前みたいに気分が高揚した奴は初めてだな。うん、寧ろこれからはオタクを喚ぼう)
あら、何か俺余計な事考えちゃったみたい……まぁ、オタクの皆さん、こちらの世界は素敵ですぜ……代わりに命とか色々掛けなきゃいけないけど。
「兎も角、俺が望むのは剣と魔法の世界に転生を望む。
で、その世界で最強の存在になりうるだけの才能をくれ」
(ん? 才能だけで良いのか?)
「それだけで十分チートだろ? ってか、俺蹂躙プレイ好きだけど、同じくらいレベル上げ好きだから。
レベル上げの苦労がある分蹂躙プレイがより楽しくなるわけだし」
(ほうほう、既に我の予想を超えてて面白くなってきたぞ。続けろ)
「まぁ、家柄や容姿に種族はあんたに任せるよ。どんな状況になっても俺もあんたも楽しくなるはずだし。
後、転生した時今の俺の中身をそのまま入れてくれよな、じゃないと全部無意味だからな。
あぁ、性別は男でよろしく。男のロマンハーレムを築く為にも必須だから」
(彼女いない歴=年齢の悲しき性と言うものか、我には分からんが)
「うおぉい、わざわざ頭に響かせないでくれ、凹むから」
(あはははは)
うわっ、こいつうぜぇ。っと、いかん、何友達みたいな感覚になってるんだ。相手は神なのに……まぁ、良いっか。
(さぁ、これで全てか?)
「あぁ、既にバランスを投げ捨ててるのに、これ以上投げ捨てるつもりはない」
ドヤ顔で言い切った俺は、そのまま新しい俺に生まれ変わるのだった。
ノープランで勢いでしか書いておりません。色々お見苦しい点はあるかもしれませんが、完結目指して頑張りますので、よろしくお願いします。