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忠虎

惣之助が家に来た

作者: 弥生はじめ

津曲忠虎の黒幕の惣之助が来た時の話。

 ある寒い11月中旬の午前9時30分の時だった。

 外は寒くなりそろそろ、初雪も降るだろうという季節。


 突然、ガラガラッ゙……!

 勢いよく玄関の戸が開いた。 

  バァンッ……!

 勢いよく閉まる音がした。


 白髪頭で杖をついた男がダミ声で

「邪魔するど」

と、デスラー総統のような顔をした男が入って来た。男の名前は、惣之助である。この男は、USO800の資格を取得しているほどである。

 惣之助は、タバコに火を点ける。

「おめえよぉ!おれさ灰皿持って来い!何やってる。俺は黒帯だど!」

大きなダミ声で僕に指示する。火が点いたタバコをめがけて水が入ったバケツで、水をかけてやりたいと思った。我慢して「どうぞ」と惣之助の目の前に灰皿を置く。

 惣之助はニタニタ笑っている。なんだか、遠山の金さんに出てくる悪代官様のように見えた。そして、あの黒帯もUSO800の資格を持っている人ならではの、言い回しなのである。

 僕の方を見て、

「この時代にジープ買うバカいないだろう、燃費悪いし」

惣之助は、大きな口で笑いながら言うのであった。恐らくジープとは、僕のジムニーの事だろう。

 親父が惣之助のコーヒーを淹れている。そして、僕の家で、デカイ顔をして寛ぎ始めた。そして、恒例の惣之助の自慢話が始まったのである。ダミ声で

「俺の従兄弟が四国の大きな財閥に嫁になって行っているなしやー!」

 この話もUSO800の伝統的な言い回しなので僕と親父は、「ふーん」と右から左へと受け流すのである。

 惣之助はタバコをブカブカ吸うのである。そして、むせるのである。

 こんなキングボンビーが憑いている人を信用しているあの忠虎夫婦の頭の中を見てみたいと思ったのである。そして、

「昔は、おれの家もな大地主たったんだ。だから、忠虎と従兄弟なんだど」

またニタニタしながらウソの話を惣之助はする。 

 そして、コーヒーを飲み干した。


 

    ガラガラッ

 玄関の戸を力強く開け、


    またバァンッ…!

 玄関の戸を力強く閉めて帰って行った。 


また嘘の話をしにあの男は来るのだろうか…。

 

 

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