表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
浩梓情  作者: 牡丹のボタン
2/4

南浩宇(ナン・ハオユー) と黒梓睿(コク・ズールイ) が出会う

第二話 酒癖


 コンコンッ


「誰だ?」

天佑チンヨウだ。安心しろ阿睿アールイ門下生の一人だ、もう西の刻だから宴が始まるのだろう。」

「なるほど、、」


 って!こいつはいつまで阿睿呼びしてるんだ??!!次は絶対ギャフンと言わせてやる。


浩宇ハオユー様、梓睿ズールイ様、宴の準備が整いました。」

「ありがとう、すぐ行くよ。」


 俺はとりあえず浩宇について行った。部屋を出て庭を眺めながら長い渡り廊下を渡って宴の会場まで来た。

さすが、天界の者も魔界の者も集まっているからか、飾りも料理もとても豪華だ。


「すごいな〜、いつもこんな豪華なのか?」

「そんなわけないだろう。南峰清雲は質素を好む門だ、今日だけ特別だ。」

「げっっ、そうじゃん、、、あぁこれから何を楽しめばいいんだ。賭博とばくも酒もない。」

「諦めなさい、賭博に関しては天界ではまずもって禁じられている。」

「そんなああぁぁ、、、」


 これからやっていける気がしない。


 そうこうしていると南峰清雲の南宗主が出てきた。全員集まったのか。天界5人魔界5人で合わせて10人で今後ともに学ぶそうだ。それにしても多いな、弟子を連れていない他流派の宗主たちも合わせるともっといる。

くそぉ、俺も来たくなかったのに。


「天界、魔界の各宗主方、よくこの南峰清雲に来てくださいました。めいいっぱいこの宴を楽しんでいただきたい。」


 南宗主はそうして乾杯の音頭を取ると、かけ椅子に座った。魔界の宗主たちだけは酒を楽しみ、その他俺らは茶が出た。


「では皆様に紹介しましょう。私の息子で次期宗主南浩宇ナン・ハオユーです。」

「お初にお目にかかります、南浩宇と申します。この度はこの南峰清雲まで御足労いただき感謝いたします。」


 こうして南浩宇が挨拶を終えると、俺にまで順番が回ってきた。


「ご挨拶させて頂こう、魔界で黒嵐門コクランモンの宗主を務める黒雨コク・ユーであります。そして私からも一人紹介失礼する、黒梓睿コク・ズールイこちらへ。」

「父上からご紹介いただきまして、ご挨拶申し上げます。黒梓睿であります。」


 こう言う堅苦しい挨拶は嫌いだ。きっちりと物事をこなすことは俺の性に向いてない。酒も飲めないんだ、早く終わらせたいな。

そうだ、いいことを思いついたぞ!しかもついでにあいつに一泡吹かせてやる!!


 俺はそうして、魔界からこっそり持ってきた酒を杯に入れて南浩宇のところへ置いた。その後、南浩宇が持っていた杯を置き、よそ見をした隙にあいつの杯と俺の酒入りの杯と交換した。

これで酒を飲んだことない南浩宇は酔って醜態を晒すだろう。どうだ!俺を恥ずかしめた仕返しだ!


 呑んだっ!さて、拝見とさせて頂こう南浩宇!!!


 次の瞬間俺はこいつの正気を疑った。南浩宇は身を乗り出して俺を自分の元へ引きつけた。俺はバレて打たれると思い目を瞑った。すると、俺の唇に何か柔らかいものが触れた気がした。、、、手か??恐る恐る目を開けた俺はこいつの正気を疑った。南浩宇は身を乗り出して俺を自分の元へ引きつけ自分の唇を俺の唇に押し当てていたのだ。

あまりの出来事に驚きすぎて、やつを押し退けることを忘れていた。


 かなり長い時間が過ぎてから、南浩宇が俺の大事なところに手を置いた瞬間俺はやっと今何が起きているのかを理解し、急いで奴を押し退けた。

幸い、他のみんなは南宗主や酒、珍しい料理に目を向けていて誰も俺たちのことに気づいていない。こいつ酒癖やば過ぎだろ!!このままにしておくと俺が被害を受けてしまう、、、


「南宗主、なぜか浩宇が少し酔っています。きっとこんな賑やかなので、誰かが浩宇のところに酒の入った杯を置いてしまったのでしょう。」

「なんと!そんなことが、、まぁこの賑やか具合だ、無理もない。申し訳ないが梓睿殿、息子を部屋に送って休ませてくれないか?」

「お任せください、南宗主。」

「浩宇の部屋は外にいる見回りの門下生に聞くと良い。」

「はっ。承りました。」


 仕方ない、まずはこいつを落ち着かせないとだ。

俺は外の見回りしている門下生にこいつの部屋がどこにあるか聞き、そこへ向かった。


「っしょっと、重いなこいつ、それにしても意外にも筋肉がしっかりついているんだな。」


 南浩宇を寝床に投げつけ、俺はこいつが意外にも筋肉があることを知り、少しだけ触ろうとした。


 その瞬間。


「ん゛ん゛!!んぁあっ、、んっ!やっ、やめろ!!!!目を覚ませ!南浩宇!!」


 俺がもう一度南浩宇に触れようとした瞬間、奴は俺の腕を引っ張り自分の寝床に押し倒した。

そしてもう一度、、、先ほどとは違い、さらに熱がこもったものをされ溺れるかと思った。

仕方なく俺はこいつに頭突きを入れて無理やり寝かせた。、、、寝て起きれば酔いから冷めてるだろう。


 ったく、嫌な体験をした。今回は失敗したが、今に覚えてろよ!!南浩宇!!!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ