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その少年、後に神となる。  作者: 涼宮 焔
5/10

第5話 雷竜

 俺は即座に【運命改変】を使用した。


「カハッ……痛ってぇ……」

『なに……?お主は今死んだはず……HPも0になったいたぞ?まぁいい、次で最後だ』


ドゴォォォン!!


「ぐっ……」


 傷を治す暇さえ与えずに、また追撃してきた。もう一度、【運命改変】を使う。これで最後……次が来たら死ぬな……。


『何故だ?何故生きている……!?確かに死んだはずであろう!?ええい!何発でも撃ち込んでやる!!』


 攻撃が来る前になんか喋っていたので【治癒魔法】を使う。


「『ヒール』『ヒール』『ヒール』!!」


『何故死なぬ!?どうなっているのだ!!」

 

 こいつが攻撃の威力を落としたのか、先程のように即死はしなくなった。『ヒール』を使いながら、なんとか立ち上がろうとする。なんか、だんだん痛みを感じなくなってきたな。痛覚が麻痺したのだろうか。せめて相手の顔を拝んでから死にたいもんだ。


「ッ!?ドラゴン!?」

『何者だ貴様ァ!?何故耐えられる!?』

「お前が威力を落としたんだろ?」

『落としておらぬわ!!』

「は?」


 何かがおかしいと思い、ステータスを見てみる。


 名前:ツクモ・ニノマエ

 種族:人間

 Lv:10

 HP:200/550

 MP:220/750

 加護:無し

 第1職業:剣士

 第2職業:拳士

 スキル:【鑑定Lv:16】【偽装Lv:MAX】【言語理解】

【アイテムボックス】【地図】

 職業スキル:【剣術Lv:13】【魔法術Lv:9】【拳術Lv:14】

【治癒術Lv:9】

 魔法スキル:【雷魔法Lv:1】【光魔法Lv:6】

【闇魔法Lv:6】【無魔法Lv:1】【治癒魔法Lv:9】

【詠唱省略Lv:11】【MP上昇Lv:1】【MP回復量上昇Lv:1】

 耐性スキル:【雷耐性Lv:48】【身体的苦痛耐性Lv:48】

 ユニークスキル:【運命改変】


 !?!?新しいスキルを手に入れてると思ったら、そのLvが異常に高い。【雷魔法】【雷耐性】ってことは、ひょっとしなくても、こいつが雷竜か。【身体的苦痛耐性】ってことは【精神的苦痛耐性】もありそうだな。なんてことを考えていると。


『何者だと聞いておるだろう!?』

「ただの人間だわ、クソ竜!!」

『クソだと!?殺してやる!!』

「てめぇが死ねや!『ダークボール』『ライトボール』『サンダー』!!」


 ステータスを見て、ダメージを受けなくなった理由が分かると、だんだんムカついてきたので魔法を撃ってみた。雷竜相手に【雷魔法】ってアホじゃね?とも思ったが、【闇魔法】も【光魔法】も効いてなさそうなので、関係ないだろう。


『この状況下で反撃までしてくるとは……!!雷が効かぬなら、我が竜爪で斬り裂いてくれる!!』


 あ、死んだわ。


『『そこまでだ(です)』』


『ぬぅ!?』

「んぁ?」


『雷竜よ。お遊びはそこまでにしておけ。少年が死んでしまうぞ』

『殺す気で魔法を撃っていたのですが、"雷神様"』

『その子が殺されると、不機嫌になる神がいるのですよ』

『この者は、神の加護を受けし者だと?だから、我の攻撃にも耐えてみせたと』

『加護は受けていませんよ。雷竜の攻撃を耐えることができたのはユニークスキルの効果ですね』

『なんと!?我も攻撃力には自信があったのですが、それにすら耐えるユニークスキルとは……』


 優しげな眼をした巨乳のお姉さんと、体に雷を纏っている男勝りな姉御が出てきた。姉御の方が雷神と呼ばれている。お姉さんの方は分からない。


「……置いてけぼり……」

『とりあえず、少年の治療をしてしまいますね。傷は自分で治したようですが、血までは戻りませんからね』


 温かい光に包まれたと思うと、冷や汗と脱力感が消えた。治癒神とかかな?


『正解ですよ、少年』

「!?」

『我らは神だぞ?人間の心を読むくらい、造作もない』

「俺は見逃してもらえるのですか?」

『雷神様達に言われては、見逃すしかあるまい』

『全く……あの方も自分で来たらいいのに。せめて加護を授けとくとか……』

『運命神か……少年に生きて欲しいのか、死んで欲しいのか分からぬな。生きて欲しいなら、少年の運命を変えてしまえば良かったのに』

『そういうわけにも行かないでしょう?神が人間の運命を変えてしまったら、他の神に怒られますよ。それに、創造神様にもバレてしまうかも』

「運命神……俺のユニークスキルは運命神様の管轄ってことですか?」

『ええ、加護を与えぬ代わりに、加護級のユニークスキルを授けたようですね』

「あの神様が運命神様……」

『名乗りもしなかったのですね……はぁ……』

『神が直々に与えたスキルを持つ者……』

『少年。今回はアタシの加護を持つ者が相手だったから止めに入ることができたが、次は無いと思えよ?死にたくなければ、Lvを上げろ。耐性スキルと各属性の魔法の取得を目指せ』

『【治癒術】と【治癒魔法】のLvを上げも忘れずに!』

『では、我々は帰るとしよう。雷竜もこれ以上、余計な手出しはするなよ?さっさと塒へ帰れ』

『ハッ!』

『少年、【剣術】【拳術】【魔法術】【治癒術】がLv:20になったら教会へ行きなさい。少年が長く生きるためのアドバイスです』


 そう言うと、雷神様と治癒神様は消えた。雷竜も森の奥へと帰って行った。


「帰るか……」


 棒を振りながらアルムの街へと戻った。


「止まれ!お、お前……その血とボロボロの服はどうしたんだ?」

「雷竜にボコボコにされたんだ。疲れてるから通してくれ」

「本当に雷竜が出没していたのか……よく生きていたな」


 街へ入ると、この格好が目立つのか、多くの人に見られた。ギルドへ報告に行く。


「依頼達成報告を……」

「ツ、ツクモ様!?その格好とその血はどうされたのですか!?森に雷竜が現れたと聞いて、ツクモ様も森へ向かっていましたが……まさか……」

「雷竜に遭遇して、攻撃されたからな」

「よくぞご無事……とは言えませんが、生きてて良かったです。当たりどころが良かったのですかね?」

「そうなんだろうな。何発か撃たれたあとに、死んだふりをしてたらどこかへ消えたよ」

「何発も……耐えた?」

「どうやって耐えたかは秘密で」

「あ、申し訳ございません。冒険者の秘密を聞いてはいけませんでしたね」

「依頼報告って買取カウンターに直接行っていいのか?」

「いえ、依頼を受けていた場合の買取は、受付に来ていただいてから我々職員が担当します」

「スライムとコボルトの死体もまとめて出していいか?」

「問題ありません。こちらへお出しください」


 アイテムボックスからスライムの核と、コボルト、ゴブリンの死体を出そうとしたのだが。


「ゴブリンとコボルトの討伐証明なんだが、ナイフとか持ってないから解体してないんだ。解体してからの方がいいか?」

「手数料をいただきますが、死体のままでも大丈夫ですよ。ですが、ナイフの1本くらいは買われた方がよろしいですね」

「金が貯まったらな」


 核と死体を出す。ナイフを使って戦っても【剣術】は上がるのだろうか。【短剣術】とかになりそうだな。


「報酬を今すぐでなくても良いなら、血を落としてお休みになられては?生活魔法くらいならサービスしますよ?」

「そうする。生活魔法ってのもあるのか……便利そうだな」

「無魔法の派生型ですね。『クリーン』『リペア』」

「おお……」


 血塗れだった服が綺麗になり、ボロボロだったものが修復された。それから、【生活魔法】を取得していた。もしかして、魔法ってのは浴びたら取得できるのか?


「ありがとう」

「いえいえ、それでは、お休みください」


 そのままベッドに寝転がり、寝る前にMPを消費しておく。『ヒール』を使いまくってMPが0になったところで、疲労感がどっと来た。災難な1日だったな……。今日は疲れた……。




――――――――――――――――――――――――


 名前:ツクモ・ニノマエ

 種族:人間

 Lv:10

 HP:550/550

 MP:0/750

 加護:無し

 第1職業:剣士

 第2職業:拳士

 スキル:【鑑定Lv:16】【偽装Lv:MAX】【言語理解】

【アイテムボックス】【地図】

 職業スキル:【剣術Lv:13】【魔法術Lv:10】【拳術Lv:14】

【治癒術Lv:11】

 魔法スキル:【雷魔法Lv:2】【光魔法Lv:7】

【闇魔法Lv:7】【無魔法Lv:1】【治癒魔法Lv:11】

【生活魔法Lv:1】

【詠唱省略Lv:12】【MP上昇Lv:1】【MP回復量上昇Lv:1】

 耐性スキル:【雷耐性Lv:48】【身体的苦痛耐性Lv:48】

 ユニークスキル:【運命改変】


序盤で死にかける主人公って最高ですよね!

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