第4話 初依頼
依頼を受けに1階へ降りる前に、【光魔法】と【闇魔法】を交互にMPギリギリまで使う。使い切ったら疲労感に襲われるらしいからな。【光魔法】の『ライト』、【闇魔法】の『ダーク』はそれぞれ消費MPが10ずつとなる。結果はこうなった。
名前:ツクモ・ニノマエ
種族:人間
Lv:6
HP:350/350
MP:10/550
加護:無し
第1職業:剣士
第2職業:拳士
スキル:【鑑定Lv:13】【偽装Lv:MAX】【言語理解】
【アイテムボックス】【地図】
職業スキル:【剣術Lv:1】【魔法術Lv:9】【拳術Lv:12】
【治癒術Lv:1】
魔法スキル:【光魔法Lv:6】【闇魔法Lv:6】
【無魔法Lv:1】【治癒魔法Lv:1】【詠唱省略Lv:8】
【MP上昇Lv:1】
ユニークスキル:【運命改変】
やはり、Lvが低い頃は上がりやすいようだ。昨日の夜に使い切っていたら、【MP上昇】が上がったかもしれないと思うと、とても勿体ない気がする。
使い切らなければ疲労感が出ないようなので、依頼を受けて森へ行く。昨日、拾った棒があるから【剣術】のLv上げを行うことにした。道中で少しはMPが回復するだろう。帰ってきたら、【治癒術】と【治癒魔法】を上げる。
1階に降りて、早速依頼書を見に行く。
「Eは……スライム、ゴブリン、コボルト、薬草採取。Dはオーク、ボア、スケルトン……」
とりあえず、【剣術】がLv:5になったらゴブリンを倒しに行くか。
「ゴブリン討伐の依頼を受けたいんだが」
「おはようございます、ツクモ様。ゴブリンの依頼ですね、かしこまりました」
受付のお兄さんに言って、受理された。ギルドを出て昨日の草原に行って【剣術】のLv上げだな。
「そこの少年!新規冒険者だね?森へ行くなら注意点があるよ!」
棒を振るうだけで【剣術】は上がるのかどうか。【拳術】は素手だから上がったけど。スキルを意識すれば上がるんかな。そのスキルに関係する動作をすれば上がるんだから、素振りでも上がるだろうな。
「あ、あれ!?無視かい!?目の前に立ったのにスルーされちゃったね!?」
ゴブリンって強いんかな。地球の異世界知識だと雑魚中の雑魚だけど、雑魚に見えるのはチート能力のおかげ説があるよな。強そうだったら、遠くから魔法でチクチクと。
「ちょっと待ってくれ、少年!」
「ん?」
肩を掴まれたので振り向いたら、爽やか系のイケメンがいた。
「なんだ?」
「ようやく気づいてくれたね。君は新規冒険者だろう?」
「そうだが」
「森へ行く際の注意点があるんだ。滅多に遭遇はしないと思うけど、見かけたらすぐに逃げるんだ」
「……」
「"雷竜"には気をつけたまえ」
「雷竜……やっぱりいるのか、ドラゴンって」
「雷竜は、アルムの街周辺の草原の近くの森に住み着いている。目を付けられたら終わりだよ。あれには、たとえSランクでも勝てやしない」
「分かった、気をつけるよ。ありがとう」
「いいんだよ、新規には死んで欲しくないからね」
冒険者との初絡みだったが、普通に良い奴だった。ドラゴンか……。見てみたいけど、死にたくもないからな。
草原に着いたので、とりあえず棒を振るう。剣(木の棒)なんて、中学の部活で剣道をやっていたとき以来だ。そのときは真面目にやってなかったから、今振っていても、結構疲れる。振り方が悪いんだろうな。
棒を振っていただけだが、【剣術】のLvが上がっていた。この調子で上げていく。MPは230まで回復していた。
【剣術】のLvが上がってきてるのか、だんだんそれっぽい動きになってきた。【拳術】のときは、殴る蹴るしかなかったが、【剣術】は様々な角度から振るうイメージが湧いてきた。
40分ほど経ったので、ステータスを見てみる。
名前:ツクモ・ニノマエ
種族:人間
Lv:6
HP:350/350
MP:340/550
加護:無し
第1職業:剣士
第2職業:拳士
スキル:【鑑定Lv:13】【偽装Lv:MAX】【言語理解】
【アイテムボックス】【地図】
職業スキル:【剣術Lv:6】【魔法術Lv:9】【拳術Lv:12】
【治癒術Lv:1】
魔法スキル:【光魔法Lv:6】【闇魔法Lv:6】
【無魔法Lv:1】【治癒魔法Lv:1】【詠唱省略Lv:8】
【MP上昇Lv:1】
ユニークスキル:【運命改変】
これくらいでいいか。森に行こう!
森に入ると、スライムが居たのでとりあえず倒す。見つけたスライムを片っ端から棒で倒していくと、緑色の小柄な人型が居た。鑑定してみる。
ゴブリンLv:5 HP70/70
スライムよりは強いが、勝てそうである。いきなり正面から行くほど、馬鹿ではないので後ろから近づき、不意打ちする。棒が頭に直撃した。
「グギャッ」
まだ生きてる。追撃だ!
「死んだか。Lvが低いからなのか、剣ではなく棒だから か。3発で死んだか」
俺自身のLvと【剣術】のLvが1つ上がって7になった。この強さなら余裕だから、さらにゴブリンを探す。頭を打たれて倒れ込んだゴブリンに追撃をするのは、弱い者イジメ感があったが、弱肉強食である。
それから、さらに10匹ほどのゴブリンを倒しているうちに、コボルトを見つけた。
コボルトLv:5 HP60/60
雑魚である。見た目は狼男の子供って感じだが、ゴブリンと同ランクなだけあって弱い。【剣術】が9になったことで、一撃だった。
さらに森を散策しながら、【拳術】も使ってスライムとゴブリンとコボルトを倒した結果。
名前:ツクモ・ニノマエ
種族:人間
Lv:10
HP:550/550
MP:750/750
加護:無し
第1職業:剣士
第2職業:拳士
スキル:【鑑定Lv:16】【偽装Lv:MAX】【言語理解】
【アイテムボックス】【地図】
職業スキル:【剣術Lv:13】【魔法術Lv:9】【拳術Lv:14】
【治癒術Lv:1】
魔法スキル:【光魔法Lv:6】【闇魔法Lv:6】
【無魔法Lv:1】【治癒魔法Lv:1】【詠唱省略Lv:8】
【MP上昇Lv:1】【MP回復量上昇Lv:1】
ユニークスキル:【運命改変】
Lvも上がり、新しいスキルを手に入れていた。なかなか有用そうなスキルである。スキルは何がきっかけで取得できるのかが分からない。【地図】は欲しいと思っていたら出た。【MP回復量上昇】は自然に最大まで回復したからか?
そろそろ帰ろうと、森へ出ようとしたとき……全身に激痛が走った。声を出すこともできないまま、俺は倒れた。
痛ぇ……何が起きた!?特に腹部が焼けるように痛い。
『ほう……掠っただけでは死なぬか。ほれ、もう1発だ』
何!?うぐぁ!!何かから攻撃を受けたようだ。声の正体も分からぬまま、追撃を受け、死ん……。
『死んだか』
【運命改変】を使用し、"死"を回避しますか?
短編小説ってどうやって書くの?