第10話 討伐報酬と武具
今日は【光魔法】と【闇魔法】を上げる。交互に使っているせいでLvが低い。
まだ解体は終わってないと思うから、訓練場に行く。1940ずつ使えばMP切れにならないし、同じ数撃てる。
的に向かって『ダークボール』『ライトボール』を連射する。この的って全然壊れないけど、何でできてるんだ?と思い鑑定したら、ミスリルだった。ファンタジーですね。
いつかはこれを破壊したい。
「そろそろ、MPが切れるな。それぞれ20超えたし、これくらいで……」
1人つぶやくと、周りがザワついた。なんだ?
「お前……どんだけMPあるんだよ……」
「魔法職なんだから、普通だろ」
「普通ではありません!!」
「ん?」
「最初の職業が魔法職だった者でも、そんなMPの多さはありえません!神の御加護を持っているのでは?」
「仮に持っていたとしても、言う必要はないな。知りたかったら鑑定しろ。できないなら、話すことはない」
「それは……。光と闇を持っていて、そんなMPの多さなんて……」
「なんだこいつ」
「同じ魔法職なのに、MPがお前より少ないから落ち込んでるのかもな」
「Lv上げろよ」
「それはそうだが」
変な冒険者に絡まれたな。もう訓練場を出よう。
「レイヴンさん、解体って終わってますか?」
「申し訳ございません。まだ終わっておりません」
「そうか……。じゃあ、Lv上げして待ってるか」
「申し訳ございません……」
「あの量だからな。仕方ないだろ」
また訓練場に戻り、木剣を振るうつもりだったのだが、【拳術】を上げよう。
正拳突きのような動作で空気に拳を当てる。それを何度も繰り返す。たまに蹴りを混ぜる。
魔物との戦闘では、あまり拳では戦いたくない。元々、剣を持っていない時に身を守る手段として、拳士を選んだからな。対人戦を想定して、訓練?鍛錬?をする。
「フッ!フッ!フッ!フッ!」
「あいつ魔法職って言ってなかったか?」
「【拳術】を持ってるのかもしれませんね」
まだ盗賊には会ったことがないが、人を殺す可能性も視野に入れないとな……。【恐怖耐性】が欲しいから、夜の森へ行くか……。
余談だが、Lv:20を超えた魔法の新たな技は、【雷魔法】が『サンダーボール』『ショックボルト』、どちらも50消費する。『サンダーボール』はそのまま。『ショックボルト』はダメージが入る『パラライズ』と思ってくれればいい。
【光魔法】は『ライトショット』『浄化』。初めて漢字(?)の魔法が出てきた。必ずしも英語というわけではないのだろう。もしかしたら、【治癒魔法】に『ピュリフィケーション』があるのかもしれない。【光魔法】の『浄化』は、対アンデッドの魔法だ。『ライトショット』は貫通力が増して、速度も早い魔法だ。だが、威力は『ライトボール』直撃の方が高い。『ライトショット』が30、『浄化』が50だ。
【闇魔法】は『ダークショット』『隠蔽』。『隠蔽』ってスキルにもありそうだが、こちらの『隠蔽』は自身を隠す。込めたMPによって、持続時間が増す。声を出しても解除される。【闇魔法】のLvによって、『看破』を持つ者からも隠れることが出来る。『ダークショット』は『ライトショット』の闇版。『ダークショット』も30、『隠蔽』も50だ。
拳を振りながら、そんなことを考えていると。
「ツクモ様!解体が終わりました」
「分かった」
自身に『クリーン』を掛けて、レイヴンさんの元へ行く。
「ハイオークが混ざっていましたが、ハイオークの肉はどうしますか?ハイオークはオーク肉よりも美味しいですよ」
「ハイオークは何体混ざってたんだ?」
「6体ですね」
「3体分の肉を貰う」
「かしこまりました。では、オーク5体分の肉とハイオーク3体分の肉です」
料理ができない俺でもわかる。絶対美味い!っていう見た目をしていた。この世界に来て、初めての肉がオーク?気にしちゃ負けだ。食えるものは食わないと。
「オーク81体討伐、ハイオーク6体討伐。オークが1体につき、銀貨2枚なので金貨16枚と銀貨2枚です。ハイオークは1体につき、銀貨5枚なので金貨3枚となります」
「ホクホクですな」
「続いて、オークの肉が76体分で1体分が銀貨3枚ですので、金貨22枚と銀貨8枚。ハイオークの肉が1体分で金貨1枚ですので、金貨3枚。ハイオークは睾丸持ちが1体いましたので追加で金貨2枚。オークの骨が81体分で1体分が銀貨1枚ですので、金貨8枚と銀貨1枚。ハイオークの骨が6体分で1体分が銀貨2枚ですので、金貨1枚と銀貨2枚です」
「おう……」
「合計、金貨56枚と銀貨1枚でございます。お確かめください」
「――ピッタリだな。睾丸高すぎじゃないか?」
「ハイオークの睾丸は効果の高い精力剤になります。貴族や商人、高ランク冒険者には人気の商品となりますので」
「精力剤……」
「ツクモ様も確保しておきますか?」
「いや、いらない」
持っていたところで使わない!!ホクホクです。
「じゃあ、次はボアを……」
「ボアもオークに近い数がいたのですよね?」
「うむ」
「ボアの解体は明日から始めてもよろしいでしょうか?解体人を休ませたいので……」
「急ぎじゃないから、いつでもいいぞ。解体のやり方を教えてくれるなら」
「解体のやり方ですか?確かに、冒険者なら知っておいた方が良いかもしれませんね。明日、解体する時に一緒にどうぞ」
「おお!いいのか!ゴブ将軍とかの解体をどうしようか迷ってたんだよな」
「ゴブ将軍……ジェネラルですか?」
「そうそう」
「解体は明日からですが、今アイテムボックスに入っている死体を全て出していただけませんか?確認した後に、Dランク昇格手続きをしますので」
「分かった」
「こちらへお出しください」
約100体のボア、ゴブリン、コボルト、将軍を出していく。
「こりゃすげぇな……。パーティでもここまではできないだろ」
「ツクモ様はソロなので、異常ですね。これだけ狩れば、確かにあのLvになりそうですね。あのスキルLvは、基礎に行くはずの分が吸われましたかね」
「吸われる?」
「はい。スキルというのは行動経験値と呼ばれる、そのスキルに関係した動作を行うことで入る経験値。それと、基礎経験値によってLvが上がります。基礎経験値は職業スキルに吸われますので、【魔法術】と【剣術】の異常な上がり方はそれが原因でしょう。職業スキルに吸われたことで、基礎Lvが低いのでしょう」
「ほーーう。そんなことが起きてたのか」
「一応言っておきますが、1日であのLvに達するのは異常ですからね?こんなことを続けていたら、いつか倒れますからね?」
「そ、そう……だな」
「坊主。今も防具を着てねぇみてぇだが、これから買いに行くのか?」
「ああ、オークの報酬も受け取ったし、武具を買いに……」
「鎧か?」
「動きやすい格好がいいな。ソロだし」
「だったら、今からレッドボアを解体してやるから、その毛皮を持っていくといい」
「レッドボア?」
「普通の茶色いボアに赤茶のボアが混ざってるだろ?あれがレッドボアだ」
「レッドボアはCランクなので、ツクモ様がCに上がるのも早いそうですね」
「解体を見学したいんだが」
「解体を?」
「ツクモ様は解体をできるようになりたいそうです」
「なるほどな……ソロなら必要か。よし!レッドボアの解体はさせられねぇが、普通のボアの解体を教えてやる!」
「おお!やった!」
「とりあえず、レッドボアの解体だけやっちまうな」
解体人のおっさんが、レッドボアの解体をしていく。早い……?素人過ぎてわかんねぇな。
「ツクモ様、オークとボアは何で倒したのですか?」
「最初は【雷魔法】の『サンダー』。MPが切れたら、木の棒に切り替えて殴り殺しに」
「だから、あんなに状態がキレイなのですね」
「剣で斬ったら血が……」
「普通の冒険者は血抜きをして、持てる分だけ持って来ますからね。ツクモ様が解体を覚えたら……覚えたところで全部持ってきますか?」
「他の街とかに行くにあたって、できた方が便利と思ったからな。ゴブリンとかは魔石だけでいいらしいし。解体料ってちゃんと取ってるのか?」
「解体料を引いた上での買取金ですので」
「なら、良かった」
「解体が終わったぞ!ほら、毛皮だ。持ってけ」
「ありがとう」
「礼を言うのはまだ早いぜ?解体を教えてやる」
「指導代は?」
「この大量のボアの代金から抜く!」
「ボアこそ、捨てるところがないですからね。指導代を抜いてもなんの問題も無いでしょう」
「そうか、じゃあ、よろしく頼む」
「まずは血抜きだ。首を落として、そこから出す。【剣術】は持ってるよな?それで首を斬れ」
「ナイフを貸してくれ」
「ナイフすら持ってねぇのか!?」
「持ってない」
「はぁ……ほらよ」
「『一刀』……簡単に落ちるな」
「お前のLvが高いんだろうよ」
「そんな簡単に首の骨を断ち切れたら、誰も苦労はしませんからね」
「上に吊るして血を抜くぞ」
足を……脚?どっちだ?まあいい、足に紐を結んで柱に吊るす。結構勢いよく出ている。
「血抜きが終わったら、斬った首から皮を剥いでいく。ナイフをここに刺して、ゆっくり切っていくんだ。ゆっくりだぞ?……上手いな……【剣術】の効果が混ざってるのか?」
「ツクモ様、【解体】スキルが出ているのでは?」
「出てるな」
「【解体】と【剣術】の効果のようですね」
「よし、皮を剥いだら、次は肉を落とすぞ。骨に沿って肉を剥がしていけ。最初は肉を残しちまうと思うが、肉が残ったら残ったで出汁にするから大丈夫だ」
「なんか……ん?なんだこの肉……」
「「ヒレだな(ですね)」」
「そこは美味いから慎重にな」
「鑑定しながらやると楽ですよ」
「なるほど」
「頬肉はおれがやっておくからな」
「ああ……」
40分ほどで1体分の解体が終わった。
「終わったな。ボアを何体か解体せずに取っておいてやるから、明日また来い。坊主がやってる間にレッドボアの毛皮を剥いどいたから、これで防具作りにいけ」
「ありがとう。行ってくる」
「『メルファン』という店がオススメです。剣は『グランの鍛冶場』という店が良いですね」
「分かった。ありがとう」
「ランク上げなくていいのか?」
「あ、上げましょう」
「Eランクの依頼を10回分、Dランクの依頼を10回分達成致しましたので、ツクモ様をDランクに昇格させていただきます。Cランクに上がるには、DとCを10回分ずつです。Dの方は終わっていますので、Cランクの依頼を頑張ってください」
まずは防具を作りに行く。『メルファン』という店を【地図】で探していく。
「ここだな……メルヘンチックな店だな」
中に入って店の中を見ていると。
「あらん?お客さんかしらん?」
「あ、ああ、客だ。レッドボアの毛皮で防具を……」
「ふふ、怯えなくていいわよん。レッドボアの毛皮ね、いいわよん。全身装備かしらん?」
「ああ、軽めの、魔法剣士用の装備ってあるのか?」
「あるわよん。マントと軽装の皮鎧でいいかしらん?」
「皮鎧って軽いんだよな?」
「もちろんよん」
「じゃあ、それで」
「作るのに時間がかかるから、明日また来てちょうだい。レッドボアの毛皮はこちらで預かるわん」
「これだ」
「結構な量ねぇん……これ全部売ってくれるなら、代金は要らないわよん。どうするん?」
「売るよ」
「ありがとん♡明日また来てねん」
濃いヤツが出てきたな。お姉さんなのか、オネエさんなのか。どの世界にもいるんだな、あーいう喋り方の人って。
次は『グランの鍛冶場』だな。
「ここか。すいませーん!店員さんはいますかー!?」
「うるせぇぞ!」
「あ、すいません」
ドワーフらしきオヤジが出てきた。厳つい顔やで。
「何が欲しいんだ?」
「片手剣とナイフを」
「職業はなんだ?」
「魔法剣士と聖拳士です」
「魔法剣士ぃ?なら、鉄じゃない方がいいな。魔鉄の剣をやる。聖拳士なら篭手も必要だろうが」
「剣を持ちながら付けられるんですか?」
「付けられるな。手ぇ見せてみろ」
「はい」
「ふむ……【剣術】と【拳術】のLvは?」
「剣の方がLv:37、拳の方がLv:28」
「高ぇな……。今までは何を使ってたんだ?」
「剣は木の棒を。拳には何も付けてない」
「は?ふざけてんのかてめぇ!正直に答えやがれ!」
「ホントだって」
「はぁ……イカレ野郎だったか……。まぁいい、お前の手に合わせて剣と篭手を作ってやる。明日また来い」
「分かった。代金はどれくらいになる?」
「魔鉄だからな……多くても金貨4枚で足りる。魔鋼ならもっと高いんだが、重いからな。魔法剣士なら魔鉄の方がいいだろ」
「分かった。よろしく頼む」
「さっさと帰れ。俺は作業に入る」
グランさんの店を出て、ギルドに戻ってきた。今日はやれることがもうないので、【治癒魔法】のLv上げをしようかな。
「レイヴンさん、【治癒魔法】のLv上げも訓練場でやるべきですか?」
「【治癒魔法】なら部屋でも問題ありませんよ」
「分かりました」
「口調が戻っていますよ」
「おっと」
部屋に戻って『ミドルヒール』を使って、MPを使い切った。おやすみ。
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名前:ツクモ・ニノマエ
種族:人間
Lv:33
HP:2700/2700
MP:0/3900
加護:無し
第1職業:魔法剣士
第2職業:聖拳士
スキル:【鑑定Lv:22】【偽装Lv:MAX】【言語理解】
【アイテムボックス】【地図】【解体Lv:8】
職業スキル:【剣術Lv:37】【魔法術Lv:40】【拳術Lv:28】
【治癒術Lv:31】
魔法スキル:【雷魔法Lv:27】【光魔法Lv:22】
【闇魔法Lv:22】【無魔法Lv:21】【治癒魔法Lv:31】
【生活魔法Lv:7】
【詠唱省略Lv:43】【MP上昇Lv:6】【MP回復量上昇Lv:7】
耐性スキル:【雷耐性Lv:48】【身体的苦痛耐性Lv:48】
【疲労耐性Lv:17】
ユニークスキル:【運命改変】
オープンキャンパスの日だったので遅れました。




