第1話 異世界転移
眠い。今日も今日とて学校へ行く……。文芸部の人達に早く認めて貰いたくて徹夜で小説を書いていたから、目がしょぼしょぼする。書いてるジャンルは異世界の現地人主人公だ。俺が書いてる小説の主人公の名前は「メナス」、メナスには友達がいるのに俺にはいない。別に欲しいとは思っていないのだが、退屈な人生だ。あぁ……異世界に行きたい……。俺TUEEEEじゃなくていい、ハーレムなんて望まない。仲間もいなくていい。冒険者になりたい。
『その願い、聞き届けよう』
「!?」
なんだ!?耳ではなく、脳に声が響いた気がした。
『今から、お主を神界に呼ぶ。慌てるでないぞ?』
深海!?いや、神界か。聞いてる限りだと、声の主は若そうだ。神界と言うからには年老いた仙人のような神を想像するが、違うのかもしれない。いや待てよ?若いのは声だけで見た目はジジイの可能性も。
『全く慌てておらんな……。まぁいい、呼ぶぞ』
すると、光に包まれて目の前が真っ白になった。
『やぁ、よく来たね。一 九十九君』
「喋り方を変えるんだな」
『気にするところはそこなのかい?」
「気になるからな」
『今の状況については?』
「あなたが俺のような日本人が想像するような"神"なのであれば、本当に異世界に連れて行ってくれるかもしれない。であれば、その時を待つのみだ」
『そんなに別世界に行きたかったんだね』
「異世界が好きなんだ」
『君を選んで正解だったかな?人生は楽しんでるように見えたけど、それは表面上だけ。本当は退屈していたのだろう?』
「あぁ……。話し方を変えた方がいいか?」
『そのままでいいよ』
「助かる」
『いつまでも話していてもいいんだけど、他の神に怒られそうだからね。君を僕たちの世界「アルフィーノ」に送ろう。ただ、このままアルフィーノに送っても、あちらは魔物や盗賊が存在する世界だ。今の君ではすぐに死んでしまうだろう』
「死んで欲しくないのか?」
『目的があるからね』
魔王討伐とかか?遠慮したいな。
『違う違うw』
語尾に「w」が見えた気がした。イメージを送ることが出来るのかも?
『イメージは送ってるよ。よく分かったね。君をアルフィーノに送る目的だけど、魔王討伐なんかじゃないよ。魔王は存在してるけど、それは現地人勇者の仕事だよ。君はアルフィーノを楽しんでくれればいい。それだけで僕たちの目的は達成される』
「楽しむ……か。異世界に行けるというだけで、今はとても楽しい気分だけどな」
『その感情を大切にしてね……。さて、君にはスキルと職業を選んでもらうよ』
「おお!待ってました!」
『ふふふ。今から表示させるからね』
名前:ツクモ・ニノマエ
種族:人間
Lv:1
HP:100/100
MP:職業、スキルにより変化
加護:無し
第1職業:未選択
第2職業:未選択
職業一覧
・剣士
・魔法士
・槍使い
・拳士
・弓使い
・盾使い
・治癒士
スキル:【鑑定Lv:1】【偽装Lv:MAX】【言語理解】
【アイテムボックス】【未選択(10個まで選択可能)】
スキル一覧
職業スキル
・【剣術】
・【魔法術】
・【槍術】
・【拳術】
・【弓術】
・【盾術】
・【治癒術】
魔法スキル
・【火魔法】
・【水魔法】
・【風魔法】
・【地魔法】
・【闇魔法】
・【光魔法】
・【無魔法】
・【治癒魔法】
・【付与魔法】
・【詠唱省略】
・【追尾】
・【MP上昇】
ユニークスキル:【未選択(職業、魔法スキルを選択した後、選択可能)】
ふむ……。
「質問してもいいか?」
『いいよ』
「職業で魔法職を取らなくても、スキルで魔法を取っていたら魔法が使えるのか?」
『使えるよ。それと、スキルで魔法を取るなら付与と治癒と無属性だけにした方がいいよ。他の属性は後から取得可能だからね。無属性だけだと不安なら、光か闇だね。この2つは取得方法が難しいから』
「なるほど、そうしよう」
『魔法職を選ぶと魔法の威力や効果が上がるよ。魔法士なら攻撃魔法の威力が、治癒士なら治癒魔法と付与魔法の効果が』
「職補正のスキル効果は、補正無しだとどれくらいになるんだ?」
『5割増ってところかな』
「デカいのか普通なのか分からねぇ」
『結構大きいと思うよ』
「なるほど」
うーん。剣士と拳士と魔法士を取りたいな。剣士と魔法士は、いつか魔法剣士になるかもしれない。拳士は武器を持っていない時や、MPが尽きたときに戦えなくなるのは危険すぎる。
『剣士の状態で魔法を使い続けるか、魔法士の状態で剣を振るい続ければ、一次転職のときに魔法剣士が出るから片方だけでいいよ。剣士の状態から目指した方が楽かな。魔法士の状態から目指すということは、剣の素人が振るい続けきゃいけないからね』
「転職……あるんだな。結構教えてくれるな」
『さっきも言ったけど、目的のために、君には死んで欲しくないんだよ。そして、楽しんで欲しい。萎えて欲しくはない』
「ふむ。俺としては助かるが」
職業は剣士と拳士でいいな。スキルは……。
『剣を使い続ければ【剣術】、魔法を使い続ければ【魔法術】みたいな感じで職業スキルも取得できるよ。ただ、スキルレベルは持ってない職業のスキルの場合、2倍の経験値を必要とするから気をつけてね。おすすめは【剣術】【魔法術】【拳術】【治癒術】だね』
魔法スキルは、【光魔法】【無魔法】【治癒魔法】【詠唱省略】……【詠唱省略】も勝手に省略してたら取得できるかもしれんな。【付与魔法】を取るか。
『それは無理だから、【詠唱省略】は取った方がいいよ』
「できないのか!?」
『できないこともないんだけど、時間がかかりすぎて魔法剣士になるまで、かなりの回数の詠唱をしなくちゃならなくなるよ』
「それは嫌だな」
『そうでしょ?』
付与は自力取得を目指すか。追尾は……これも自力取得で。【MP上昇】を取って……。あと1つ余るな。【闇魔法】を取るか。
『決まったかな?』
「あぁ、決まった。タップして選択していけばいいのか?」
『うん』
名前:ツクモ・ニノマエ
種族:人間
Lv:1
HP:100/100
MP:職業、スキルにより変化
加護:無し
第1職業:剣士
第2職業:拳士
スキル:【鑑定Lv:1】【偽装Lv:MAX】【言語理解】
【アイテムボックス】
職業スキル:【剣術Lv:1】【魔法術Lv:1】【拳術Lv:1】
【治癒術Lv:1】
魔法スキル:【光魔法Lv:1】【闇魔法Lv:1】
【無魔法Lv:1】【治癒魔法Lv:1】【詠唱省略Lv:1】
【MP上昇Lv:1】
ユニークスキル:未選択
ユニークスキル一覧
ずらーーーーっと。
うわ。何時間かかるんだってくらいの量のスキルが出てきた。
「これは……」
『うん、そうなるよね。良ければ僕が選ぶけど、どうする?』
「頼む」
『じゃあ……これかな……』
「早いな」
『九十九君が選んでる間に考えてたんだよ』
「俺が神様に委ねることを予想してたのか?」
『ふふん!神様だからね!少しくらいの未来は見れるよ!』
「未来視!」
『いつか、九十九君にも使えるようになると思うよ』
「おお!楽しみだ」
『このユニークスキルで、だいぶ死ににくくなったよ』
「【運命改変】か」
『対象に起こりうる運命を1日に2回、改変することができるよ。僕としては死を回避して欲しいね。自身が死ぬ時に、使用回数が残ってれば選択画面が出るからね。戦闘以外では使わないでね。自分以外の人に使おうとしても、レベル差があると効かないからね』
「俺も死にたくはないからな。そうするよ」
……チートじゃね?敵を倒すことはできなくても、クソ強えな。だが、死ににくいとしてもなるべく攻撃は回避したいな。【防御魔法】とか、【回避】とかあるかもしれないしな。
『そろそろ時間だから、アルフィーノに送るね?』
「ああ!色々とありがとう!」
『じゃあ、"また会おう"!』
ここに来た時と同じように、光に包まれて……目を開けたら、草原に立っていた。
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名前:ツクモ・ニノマエ
種族:人間
Lv:1
HP:100/100
MP:300/300
加護:無し
第1職業:剣士
第2職業:拳士
スキル:【鑑定Lv:1】【偽装Lv:MAX】【言語理解】
【アイテムボックス】
職業スキル:【剣術Lv:1】【魔法術Lv:1】【拳術Lv:1】
【治癒術Lv:1】
魔法スキル:【光魔法Lv:1】【闇魔法Lv:1】
【無魔法Lv:1】【治癒魔法Lv:1】【詠唱省略Lv:1】
【MP上昇Lv:1】
ユニークスキル:【運命改変】
次回がいつになるかは分かりません。
毎日投稿はできません。
ゆっくりと書いていきます。
書かなくなるということはありませんのでご安心を。