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15.ねこ





通り過ぎていく人影

懐かしい匂いがして

思わず振り返り

人混みに埋もれていく

後ろ姿をずっと見ていた



駅のホームは雨に濡れて

雨宿り ベンチの隅で

胸のあたりは

あれからいつも空いている



臆病なあたしは

大切なこと聞けずに

あなたの帰りを待っているよ

あたしの声は

あなたには届かないけれど

鳴き続けるの

ここにいるよ、と




ドアが開く

騒々しく足音を立てながら

大きな人影は

今日も通り過ぎる

あなたなら良かったのに



優しくしてくれる人もいるよ

だけれど

やっぱりあなたに会いたくて

あたしはここにくるの



わがままなあたしは

甘えてばかりで

あなたの声聞けていたかな

あなたの優しさに

あたしはありがとうも言えない

鳴き続けるの

あまりにも小さい声で




春や夏が

秋や冬が

必ずやってくるような

そんな単純さで

あなたを想った



いつも

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