11/30
11.ある日あの時
アスファルトの上
白い息は
寒空の下で凍えてる猫を
包んではくれない
光るイルミネーション
照らし出すから
浮き彫りになる悲しみ
だけど
泣けなかったよ もう
暗闇に星がよく見えた
空気は澄んで
息苦しかった
冷たくて 優しくなくて
寂しかった
流れるメロディー
囁く声は
詩の意味もわからなくて
淀んだ心に響かない
甘やかされたデコレーション
夢で見たような
温かい世界を彩って
だけど
笑えなかったよ もう
片方の手袋が落ちていた
汚れていて
潰れてた
持ち主は探さないままで
それはあたしに似てた
震える子猫は拾えない
代わりに
あたしもダンボールに入ろう
寒空の下
寒空の下
きっと、最後も
最後まで、きっと