授業おわりの教室(こばちゃんの場合)
うーんと首をかしげてみても、やはり今さっきの数学の問題がわかりません。教科書やノートをカバンに詰めながら、数式をもう一回頭上で考えます。もやもやとしたそれは、はっきりと見ることが出来ずに霧散していきました。まあ、家に帰ってから考えようかなと諦めかけていた時、後ろから誰かの手が伸びてきて、私を締め上げます。胸と目玉が飛び出して、私の体から離脱していくのかと思いました。びっくりです。あと怖いです。体がガチガチと体の中心に寄る感覚があります。心臓も飛び出しはしなかったものの、スピードはもの凄い勢いで血をめぐらせていました。
落ち着いてきた私はむーちゃんだなと背後の正体が分かり、一息つきました。そこからむーちゃんと喋りながら帰宅しました。
むーちゃんは私と違い髪が長く、鋭い目をしています。別に睨んでいるわけではありません。しかし、初めてむーちゃんを見たときは睨まれていると思って恐怖を感じました。蛇に睨まれるカエルというのでしょうか?まあそんな感じです。今は睨まれてるって感じなくなりました。時間が私に理解することを勧めました。そして、彼女はカッコいいんです。女の子にカッコいいっていうのは褒め言葉なのでしょうか?わかりませんが。そして彼女は私の友達です。とても仲が良い、親しい友人だと思っているのですが、むーちゃんはどう思っているのでしょうか?でも、私に向かって好きとか言ってくれてるあたり、私に対する好感はあるのだろうと思います。これからも彼女と親しい友人でありたいと落ちる夕日を眺めながら彼女と帰り道を歩きました。