24、おまけ
話は終わりなのですが、なんとなくおまけを書いてみました。
moon12
進藤から電話があって、真理が引っ越す事を伝えた。今頃進藤は……真理のキョト顔が目に浮かぶようだった。
そんな事を考えながら、カフェでバイトをしていた。ゴールデンウィーク中は、なかなかみんなシフトを入れたがらない。それは当然、カフェが混むから。
近くに少し大きな公園があって、暑さに避難する人達で賑わっていた。
暑さ対策のまだしていないテラス席は比較的空いていた。
「横山、ちょっといいか?」
「良くない。見ればわかるでしょ?忙しいの」
ゴリラが珍しく私を呼んだ。だけど、かまっている暇はない。
「もう少しで交代だから待ってて」
ようやく日も傾いて来た時、遅番の人と交代して、ゴリラのいるテラスに向かった。
喉渇いた~!
お姉ちゃんの旦那さんに入れてもらったアイスカフェオレを持ってゴリラの隣の席に着いた。
「今頃真理達どうしてるかな~?まさか、引っ越しの事進藤に言って無いよね?」
「ああ、それはない」
どうしたんだろう?謙の様子がいつもと違う。何か言いたそうで、言えない。そんな感じだった。
「何?どうしたの?私に言えない事?」
「いや、別に言えない事もない」
「じゃあ何なの?」
じれったいな~も~!
私がカフェオレにガムシロップを入れて、スプーンでかき混ぜていると…………
突然、大きな声で謙が言った。
「俺の……俺のメスゴリラになってくれ!!」
「はぁ?!」
「あ、いや、前に俺の彼女はゴリラだから、ゴリラになりたくないと言っていたから……」
そんな…………そんな…………
そんな告白があるかぁああああああああ!!
「誰がなるか!」
「何?ウホ?」
「ウホじゃねーよ!」
私はゴリラの腕をグーパンで軽く一発当てた。
「痛っ!暴力的だなメスゴリラ」
「誰がメスゴリラだアホ!」
「アホがアホって言うなアホメスゴリラ!」
喉が渇き過ぎて声が出ない。一口カフェオレを飲んで言った。
「アホメスゴリラ言うな!」
「俺のメスゴリラじゃ嫌か?アホメスゴリラ」
「だからアホメスゴリラ言うなって!嫌だよ!ゴリラは嫌だよ!!」
すると、ゴリラは眉間にシワを寄せて言った。
「本当に嫌なんだな?」
「いや、だから嫌とかそうゆう問題じゃなくて」
「じゃあ、どうゆう問題なんだ?」
そう言われて…………言い返せなかった。
それってずるいよね?いつも私が負かされる。
「彼女になら……なってあげてもいいけど?」
「何?ウホ?ウホウホ?」
「ゴリラ語やめろ。日本語喋れ」
まったく、無邪気な笑顔でこっちを見やがって!
本当に…………ムカつくゴリラ!
その後、雨が降ってきた。
でも、栄君の大きな傘が広がっていて、そこはまるで…………
雲1つ無い青空だった。
……………………って綺麗な事言っておかないと、全然格好がつかないでしょ?でしょ?でしょでしょ?
「何?ウホウホ?シモシモか?」
「おったまげ~!」
「ウッホウホ~!」
「いい加減にしろ!アホゴリラ!」
私達は相変わらずだった。
この相変わらずがいつまでも続くように、星の1つも見えない真っ暗な雨空に願った。
その笑顔の理由?さぁ?多分、このアホゴリラがアホだからじゃない?
最後までお付き合いいただきありがとうございました。どうしてこうなったのか自分でもよくわかりません。何を思ってこれにシリアスというキーワードをいれたのか……
データ全消えから書き直し、後半覚えていなかったのでまた後半雑です。すみません。
このお話が誰かの暇潰しになれば幸いです。
ありがとうございました。