表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

マタニティーブルー

作者: .k.

葉桜に変わる頃

繋いだ手のひら

まだ知らなかった


「来年は3人でお花見ね」

彼女はとても幸せそうに、幸せそうに

笑った。

「名前考えなきゃだね」

僕は微笑みながら答えた。


幸せの絶頂で浮かれる僕は

彼女の少しだろつ、陰りにも気づかずに

繋いだ手を離して

彼女のお腹を撫でた


セカイは彼女と僕とお腹の子のためだけにあるのだと

信じて疑わなかった。

それ以外のなにものでもないと

強く信じきっていた。


それから1週間

家に帰ると真っ暗で

僕は彼女の名を呼びながら

部屋を見たがそこには誰もいなかった


ただパソコンが動いていた


「さようなら、good-bye、幸せでした」


文字が流れ流れひたすら流れていた

意味のわからない僕は彼女の携帯を鳴らした。


出た相手は警察だった。

入水自殺と見られると警察は言った。

遺体は見つかっていないが遺書と靴と携帯が

まだ海には早い海水浴場に置かれていたのを

警察に届けたのだと。


さようなら、幸せでした。

彼女の声が聞こえた気がした。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ