第一話 しゅぎょー!
えー、またも『悪徳領主ルドルフの華麗なる日常』で有名な増田匠見(旧master1415)先生とコラボしました(笑)
そして同じ話がはしらちゃん視点で書かれている『続・あくおれ!~悪魔な妾(おれ?)の華麗なる異世界生活~』を増田先生の方で書かれています!
片方だけ読んでも楽しいですが、どっちも読むとさらに楽しいという一粒で二度美味しい作品です!変な味するかもしれないけどネ!
よろしくお願いします!
「うーん・・・」
どうもこんにちわ、『人生、中の上が最上』の座右の銘でお馴染み、初月緋色です。
ちなみに座右の銘は今考えました。
今は一人、大きな岩の前で悩んでいる真っ最中です。
え? 何を悩んでるのかって?
それは水魔法使いなら誰もが直面する問題。
そう。
『うわっ・・・私の魔法攻撃力、低すぎ・・・?』問題である。
アルゼンでは近距離、中距離、遠距離攻撃から回復、防御に至るまで全状況に対応できる水魔法使いとして重宝されている俺。
しかし、それはあくまでアルゼンでの話だ。
アルゼンってゲームでいうところの『さいしょのまち』クラスの街だしね。
基本雑魚しかいないので俺がなんでもできちゃうすごいやつ!みたいになってるが、もっと遠くにいったらそうは問屋がおろさないと思うのだ。
特にさきねぇなんてA級冒険者になるのは確実だろうし、機会さえあればノエルさんと同じS級にすら到達するかもしれん。
それに対して、俺。
C級はなんとかなると思うけど、B級は怪しいと思う。A級は多分無理。
だって俺は選ばれた者なんかじゃなく、ただの凡人。どこにでもいる普通の人間だもの。
ドラゴンとかいても怖いのでできるだけ戦いたくないでござる。
もちろん水魔法使いだから回復と防御が出来ればさきねぇの援護という役割は果たせるだろう。
しかし、それではさきねぇの金魚の糞となんら変わらない。
俺はさきねぇのそばにいたいのではない。
さきねぇの隣にいたいのだ。
というわけで修行場でたった一人、自分の魔法の改良と新規魔法の創造に精を出しているわけです。
ちなみにさきねぇは朝から女性冒険者の会の会合に本部長として参加してます。
あの姉、いつのまにか本部長になっててびっくりですよ。スピード出世すぎる。
そしてさきねぇが本部長になった女性冒険者の会は生まれ変わった。
今まではムカツク男冒険者への愚痴を言ったり、ひたすら『どっかにいい男いねぇかなー』を言い続けるだけの、会合というより女子(?)会に近いものだった。
しかし、今や会員が男性からセクハラを受けると女性冒険者が大勢でその男の元に押しかけ威圧し、精神をへし折りにいく凶悪な武装集団へと変貌している。
まぁうちのお姉さまが本部長だからね、武闘派になってもしょうがないね。
でもこのおかげかアルゼン在住の女性へのセクハラがかなり減ったらしいので、街の女性の役には立ってるらしい。
ちょうどうでもいい話ですいません。
ノエルさんはというと、森の結界のメンテナンスにいっている。
手伝いたいと思って一回ついていきたいと言ったんだが『無理無理無理無理!』と顔を真っ赤にしながら拒否された。
人に見られるのが恥ずかしいメンテナンスって何やってるんだ?とも思ったが追求せずに終えた。
うちのおばあちゃんは花も恥らう168歳、まだ恥ずかしがり屋さんのお年頃なのだ。
実は人間年齢にしてアラサーくらいらしいが、真相は定かではない。
話を元に戻そう。
えっと、なんだっけ? そうそう、魔法の改良と新魔法の開発。
回復魔法は俺の得意魔法≪聖杯水≫に玄武さんへの祈りをこめて威力を引き上げた≪神聖杯水≫を開発。
しかし、開発したはいいが困ったことがある。
それは≪聖杯水≫で治らないような大怪我をしたことがないし、そんな大怪我をする予定もないということだ。
つまり、≪神聖杯水≫の回復量がわからん(´・ω・`)
ケ○ルからケア○ラ程度の微進化クラスなのか、ベホ○ミからベ○マの超進化クラスなのか。
ラウルさんあたりがどっかで大怪我したら使ってみようと思ってるんだが、その機会に恵まれないんだよね。
また他の街からイキったアホ冒険者でもきてくれないかな。
さきねぇがボコった後のボロクズ状態のやつで試すのが最良なんだけど。
次に防御魔法。
これも玄武さんの甲羅を真似た≪玄武陣≫があるので多分なんとかなる。
強力な結界に加え、結界内にいるとじわじわと怪我が治る≪水命強化≫の効果も付与される自慢の逸品です。
まぁ結界展開中は動けないんだけどね!HAHAHA!
一応≪水盾≫≪氷壁≫≪玄武陣≫を同時発動させればノエルさん自慢の≪火炎王蛇≫のタックルにも耐えられたので防御力には自信あります!
そして問題の攻撃魔法である。
中距離は出が早く手数が多く命中率の高い≪水鋭刃≫、遠距離は高威力の≪円水斬≫と長射程で低コスト、同時に複数攻撃ができる≪水弓≫がある。
しかし、近距離の有効魔法が一つもないのだ。
一応≪水弾≫があるにはあるが、あれはあくまでも牽制程度の威力しかないので格上はおろか、同格にすら有効打になるかわからない。
「とりあえず接近されてもなんとか撃退、は高望みにしても手傷を負わせて時間を稼げるくらいの魔法はほしいよなぁ~」
近距離、というよりほぼ接近戦用となると出の早さは必須だよな。
んで威力もそれなりになきゃいけない。
対空とか対地にも対応できたほうがいいな。
などなど、色々考えた結果。
「・・・≪氷牙突≫!」
はい、ここに落ち着きました。
氷の小剣が敵を刺し貫く魔法ですね。いいですね。すげぇ使いやすいですね。
リーチは短いけど、接近戦用なので問題なし。
バリエーションとして敵の足元を狙う≪氷牙突・二式≫、対空攻撃可能な≪氷牙突・三式≫、。
そして自分の全方位に大量の氷の小剣を射出する≪氷牙突・零式≫。
近接戦闘が苦手な俺だが、この≪氷牙突≫シリーズがあればある程度は対処できるのではないか。
「まさかここまでの水魔法使いだとは・・・大したやつだ。」
うんうん頷く俺。自画自賛スタイル。
初月の血族は基本的に褒められて伸びる子なので自分で褒めて自分を伸ばしちゃうのだ。
そしてこの新魔法、パクリ臭が半端ないのはあるが、完璧だ。
クリスタルとレイピアは英語なのにツヴァイとドライはドイツ語だけど、完璧だ。
そして冴えてる緋色氏、さらに閃く。
近付いてきた敵を弱体化、もしくは行動不能に出来ればさらに戦いやすくなるか?
水だと・・・地面をぬかるませて行動遅延とか?
水と土魔法の両方を使えないときついな。却下。
なら、水の中に閉じ込めるか?
うーん、一瞬で相手を閉じ込める程の水を生み出す想像ができんなー。
俺、水隠れの里出身じゃないしな。却下。
≪水盾≫みたいなゴムみたいに弾力のある液体は創造できるんだよなー。
考える。
ゴム・・・伸びる・・・縮む・・・・・・縄?
縄か。それは捕縛だから行動不能にした後の話やな。保留。
考える。考える。
ゴム・・・ブヨブヨ・・・びよーん・・・ぐっすん、およよ?
いつのゲームやねん。でも懐かしいので保留。
考える。考える。考える。
ゴム、ゴム、ゴム、ゴム・・・ガム? ガム・・・ガムテープ・・・ガムテープ!?
ガムテープ! ベタベタ! くっつく! 動けない!
オレサマ、オマエ、マルカジリ!
これだ!
さっそく目を閉じて集中する。
ホイホイ的にするか?
いや、それじゃ罠にはなるけど接近戦じゃ使えないじゃん。
・・・じゃあ木工用ボンド?
いや、あれは速乾作用はないから接近戦じゃ以下略。
・・・やはり大本命、アロンア○ファか?
でも超大量のアロ○アルファって自分に付着したらと思うと恐ろしくて想像できません。
目を開ける。
「困った・・・」
なんか、こう、ねぇかな。
べたっとくっついて『う、動けない・・・』的なやつ。
ポク、ポク、ポク・・・チーン!
あった! 俺の大好きなあいつのアレだ!
さっそく目を閉じ集中する。
左腕を前に突き出し、左手首を右手で掴み構える。いわゆるサイ○ガンスタイル。
目を開けると、俺の左手の握りこぶし前方に白い≪水球≫が出来上がっていた。
いける!
「よし、発射!」
白い≪水球≫を近くの木に向けて発射する。
着弾と共にべちょっという音がして木にお餅のように白いベトベトがくっつく。
さらに石を拾ってそこに投げる。
またべちょっという音がして白いネバネバに石がくっつく。
今度は長めの木の枝を持ってネバネバを叩く。
またまたべちょっという音がして木の枝がくっつく。
木の枝をひっぱってみると、バキっという音を残し枝が折れる。
「いいじゃないですか。名前は、そうだな・・・『メキシコに吹く熱風』という意味の≪水餅弾≫だ!」
やばい、今日だけでめっちゃ魔法できたし。
『敵が近づいてきた! 緋色ちん、ぴんち!』
『しかし慌てずに≪水餅弾≫! ネバネバで動けなくなる敵!』
『動けなくなったところに≪氷牙突≫! 大勝利!』
何この流れるようなコンボ。かっこいい。
「よし、とにかく格ゲーは的確に正確なコンボを決められないと意味ないからな! 反復練習開始!」
そしてその後、俺は修行場を白濁としたベトベトまみれにしたのだった。
エロい意味ではありません。
「いやー有意義な時間だったわー。」
あれから魔力もかなり消費したのでお家に帰ってきた。
さきねぇはまだかもしれんけど、ノエルさんは帰ってるかな?
ドアを開け中に入る。
「ただいマントヒヒー。・・・プッ。マントヒヒって。自分で言っておいてないわー。センスのなさに全異世界が泣くわー。」
ここにさきねぇがいたらとても優しい笑顔だろうな。
ノエルさんなら多分キョトンとした顔をした後優しくスルーかな?
俺もたまにはボケたいお年頃なんです。
そんなどうでもいいことを考えながら家の中にはいっていくと、『しまった!?』とでも言いたげな顔をした挙動不審の幼女がいた。
なんか人間と突然出くわした野生のタヌキみたいな様子だ。
とりあえず声をかけてみるか。
「・・・・・・こんにちわ。」
「・・・・・・こ、こんにちわなのじゃ。」
とりあえず声をかけてみたが、返事があることから俺の幻覚的な非実在幼女ではないらしい。
なのじゃ? のじゃロリ? ほんとのロリ? どっちだ?
ノエルさんみたいにロリエルフ(168歳)みたいな例があるから判断に迷うわ。
増田先生のほうでは今話のはしらちゃん視点でのお話が楽しめます!ぜひ今話と一緒に読んでみてください!
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