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ジャンヌ オブ オタクガール

作者: リバオンテブマネ

一番好きな英雄のジャンヌダルクを可愛くも儚く描きました

もしジャンヌダルクが童話オタクでそれが高じて恋をしたら・・・・・・

あの日、僕は恋をした

凛々しく誰にでも分け隔てなく優しいあのお方に

だが、いつも誰よりも早く帰るし早足だしニマニマしているし

誰もが帰って何してるのか?と疑問を持つ

神様のお声が聞こえるって言うし礼拝でもしているのだろうか?

考えながら町を歩いていると

「あれ?ジャンヌ様?本屋に入ってく?」

吸い込まれるように本屋に入ると親しそうに店主と話をしている少女がいた

「ジャ・・・・・・」

「いや~童話って面白いよね~」

店主が感動しながら本を少女と読む

「まったくです!子供の作品と言われながらここまでの・・・・・・」

すごく饒舌に軽く短編小説を超すぐらいの言葉を三十分で語りきった、その内容に

あまりに引き込まれ過ぎて拍手をしたくなったが堪えた。

「やはりダルジちゃんはよく読み込んでるねえ~」

ダルジ?人違いか?でもあの顔は僕の好きなジャンヌ様に相違ないんだが・・・・・・

「ふふっこの物語がいけないんですよ?素敵で綺麗で純粋なこの世界の宝なんですから!」

「じゃあ今日は楽しかったから一冊分の料金でいいよ」

「えっと、私も楽しかったし対価を払わずにこんな素敵な世界を堪能なんて人としてマニアとしての矜持に欠けますので倍払います!このお金でもっと素敵な世界を集めていただけませんか?」

「うむ!その魂の言葉!しかと受け取ったぞ姫君よ!」

「そっそれは!ッ~!騎士と姫君のワルツの言葉っ!」

騎士と姫君のワルツ?聞いたことないな?訓練書?

「さすがは読み込んでいるね~」

「はい!私には無理かもしれないけど・・・・・・あんな風な騎士になりたいな!」

「おお~!君にならなれるかもね!女性だからって騎士になれないとは言えないからね~」

そのやり取りの後、大事そうに本を抱え幸せそうな笑顔で店を後にする憧れの人を

隠れながら見送る

「そこの君!ダルジちゃんの友達かい?」

友達?辺りを見回すが自分以外の人間はいない

「隠れてる君だよ!」

「あっはい!」

「ダルジちゃんってたまにお気に入りの栞を忘れるんだよね~」

「栞?」

「そう、銀貨を袋ごと置いてくからたまに混じってるんだよね~」

「どっどうしろと?」

どう渡せばいいんだ?人違いかもしれないのに?

「えっ?共通の趣味の友達じゃないの?」

まずい!騎士だとバレたらジャンヌ様が通えなくなる!そもそもジャンヌ様なのか?

「おーい!」

「はっはい!」

「届けるの?届けないの?」

「ぜっぜひ!届けさせてください!」

家に帰るまで栞を折らぬよう傷つけぬようにと細心の注意で早歩きしている自分に驚いている

家の扉を開けて誰もいないか確かめ息を深く吐き鼻の近くに栞を構え

すぅぅぅぅっ!はぁ~

「うん!ジャンヌ様が好きな花の匂いっ!別に他意はない!」

冷や汗が背筋を通る感触と正当化である考えが過る

あれ?返さなければもしやずっとあのお方の匂いを・・・・・・って

何考えてんだ!僕は!だがどうやって話しかける?

食事の時はジル様や他の騎士たちでごった返す

夜中ずっと考えていたためクマが出来た

「おっおはよ~・・・・・・」

「どっどうした!クマ出来てるぞ?大丈夫か?クルツ」

「ははは・・・・・・」

「そういえばジャンヌ様がお呼びになられていたぞ?我らの聖女に何したんだ?」

シャキッと目が覚めた、俺を呼んでいる?本当にジャンヌ様だったのか?いやいやっ!ありえない!

「今、どちらに?」

「軍議中なんだよな~手紙を渡せと言われていたんだが・・・・・・」

何やら袋から雑に丸めた手紙を取り出し押し付け

「大きな墓を用意しとくからな?骨は拾っといてやるさ!安心していってこい!」

いいやつなんだが、バカなんだよな~と思いながら見送り

手紙を開くと「気づかないと思った?バラしたらわかるかな?」

ほぼ脅迫文だった内容に冷や汗が止まらない

絶対に怒ってるよね・・・・・・

足が重くなっていくのがわかる

気が付くと呼ばれた部屋の前で震えていた

「何してるの?入りなさい?」

半分、開いたドアから笑ってない目が僕を捉えた

うん!死んだな!父さん母さんありがとう!

覚悟して部屋に入る

「栞を返してくれるかな?」

やっぱそうでしたか~!通りであの少女に目が離せなかったんだ~あはははは

「ほら?聞いてるの?」

少し待て!これはチャンスでは?

「いっ家に忘れました!すみません!」

本当は持っているけど・・・・・・

「嘘じゃないよね?もし変な事考えてたら・・・・・・わかるよね?」

冷や汗が背中をびしょびしょにする

だがしかーし!あれからどんだけリサーチした?

意外にも騎士と姫君のワルツはじいちゃんの作品ということが分かったんだからな!

きっと喜ぶに違いない!じゃなかったら僕は完全に終わるからな!はははっ!

心の中の空元気が虚しすぎて少しどんよりする

「私が別に何が好きだろうと関係ないでしょ?違うかな?」

怖い怖いっ!目が完全に戦場に居る時より憎しみ帯びてるぞ!

隙あらば逃走しようと伺うが好きならあるが隙がない

って何うまいこと言ってんだ!

無意識に手に触れようとする

「触らないでくれる?汚れるからね?」

うぉ~!ありがとうございますっ!

もはや逃げられない戦慄で変な思考が祭りを起こしており顔が引きつりっぱなしで話しが入ってこないために行動で認識をするのがやっとだった

「で?家はどこって何回言えば教えるのかな?それとも強い刺激が必要?」

「もうジャンヌ様が最高の刺激です!」

もはや人生の終焉に自分でも何言ってるかわからない

「おや?クルツ?どうしたんだ?彼女か?」

「いえ、友達のダルジと申します」

「ダルジ?ああ~ガルユの本屋の常連さんね!ガルの野郎がお前のファンが可愛いとかなんとか・・・・・・」

「まさか!おじいさんのお名前は?」

「グストールじゃが?」

「ッ~!グストールクルト=リツル様ですよね!」

「こりゃ驚いた!わしのような三流童話作家の名を知るとは・・・・・・」

「クルツ君とは仲いいんですけどなかなか自分の話はしたがらないのでお話聞きたいです!」

じいちゃんナイス!持つべきものはじいちゃんだぜ!

「ダルジ~!よかったな~!」

振り向いたその顔はキラキラしていたためドキッとしたそれを見逃さないのが作家魂の溢れるじいちゃん

「ほうほう・・・・・・ダルジといったか?うちのクルツはどうかね?」

「どう?とは?」

「君も適齢期だろう?娘にならんかね?」

じいちゃんっ!その優しさ今じゃないよっ!

「クルツ君がなかなか言わないから・・・・・・ね?」

マジですか!もう僕、天に召されるよっ!

「そうかそうか!水しかないが用意するから家に入ってなさい」

じいちゃんが家に入ったと思ったら耳元で

「調子乗らないでね?クルツ?」

うん?今・・・・・・名前で呼んだ?

「聞いてるの?」

「ジャ・・・・・・」

名前を呼ぼうとすると口を塞がれまた耳元で

「ダルジでしょ?次は無いからね?」

血の気が引いていき白くなる

「仲がいいんじゃの~これでクルツがわしの意思を継げばのう・・・・・・」

じいちゃん死にかけに剣を刺さないで!

「クルツ君が書くなら支えるのにな~」

もう女神か!それとも悪魔か!

「まったくじゃ」

じいちゃんは黙ってて!

「ほーら!入りましょ?」

手を包み込むように掴み笑顔で引っ張るジャンヌ様にドキドキが止まらない

重点的に童話の話で明るかった外は暗くなる

「もうこんな時間か・・・・・・クルツ!未来の娘を家まで送りなさい!」

「まあ!おじい様ったら!」

もはや恋する乙女か!可愛いすぎだろ!

話の途中から口調が変わり、今では手まで繋いでくれる

だがジル様に見られたらどうなるだろうか?

考えこみ気が付くとベッドの上に寝そべっていた

考え過ぎて夢をみた

「クルツ?私じゃ・・・・・・ダメ?」

「ジャンヌ?僕が君を嫌いになるわけないだろ?」

「ああ、我が聖女よ!やっと結婚する気に・・・・・・」

微かに揺れている

「クルツ!クルツっ!」

じいちゃんが鬼気迫る感じで揺らしていた

「ダルジちゃんが迎えに来たぞ!」

ダルジ?うん?ダルジ!?

勢いよく起き上がり準備をして柄にもない親の形見の香水を少し首元に付ける

「腐ってないといいが・・・・・・よし!」

扉を開き眩しさが解けると町娘の格好をしたジャンヌがいた

「きちゃった・・・・・・迷惑だったかな?」

どんだけ変わるんだ!魔法なのか?世界が違うのか?ここは異世界ですか?

勇気を持ち

「可愛いよ・・・・・・ダルジ!」

「ふふっ」

前屈みになり上目使いで笑いかけてくる

じいちゃん!俺!作家になるよ!

「ジャンヌをここまでにするとはな・・・・・・」

後ろから渋い声がする

「ジっジル様!?」

一番バレたくない人がおもっくそ前にいた

「心配していたがよかったよ、童話だけしか癒しがないジャンヌが男に興味を持つとは・・・・・・」

って普通にジャンヌって言ってるし

「だがね・・・・・・敵が攻めて来てるんだ、だから今日は存分に夫婦をやってくれんか?」

えっ?そんな人生の最後みたいな・・・・・・

「そんなの当たり前です!愛しいお方ですから!」

強がりを見せジャンヌの手を取り

色んな事をした

相談しながら料理の材料を買い片手で手を繋ぎ片手でバスケットを持ち

家に帰ると料理をし、その料理をおいしいねと笑い合いながら食べたり

本について語られたり、騎士をやめ自分を主人公にした童話を書いてくれないかと頼まれたり

本当に最後だなと感じたがこの一瞬が愛おしかった

そして別れ際にキスをした

「この味・・・・・・覚えていてね?」

その後にジル様に痛く感謝され

見送った後に

ベッドに入り枕がびしょびしょになるくらい泣いた

そして決意した

「ジャンヌを守る!命に代えても!」

次の日、戦場に自分はいた・・・・・・

勝った

だが、嫌な予感がする言葉を聞く

「魔女がどうなるか覚えていろ!」

そして運命の日がくる

なんでなんだ・・・・・・誰よりも人を思い国を救ったそしてこんなにも美しい英雄を

こうも罵倒する。

家を見ると大半が祈っていた

そうか、あの悪魔どもが人々に呪いを掛けたのか・・・・・・

聖女が魔女に見える呪いを

苦しむことなくことが終わり喪失感と絶望に支配され

目に光が灯らなくなった

「君がクルツか?」

「は・・・・・・はい」

手紙をそっと渡され

「家に帰ってから読むんだ・・・・・・」

誰からなんだろうか?という疑問も解消されずに

言いつけを守る

家に着き光が無い目にじいちゃんに心配されたが手紙を持っているのをみて

「さっさと家に入って手紙を読むんじゃ!」

誘導され手紙を読む

「クルツ・・・・・・

この手紙が読まれる頃、私は多分、処刑されているでしょう

神に啓示は受けていました

救った後に私の元に来なさいと

啓示は最初はうれしかった

でもあなたに出会い少し名残惜しかった

貴方とは実は戦場で出会いその時から好きでした

自分を犠牲にしてでも男に扮した私を助けてくれ

帰るまで一緒にいてくれましたね

そしてわざとあの日、栞を忘れ

察した店主が気を利かせてくれて

貴方と幸せな時間を過ごしました

ありがとう 愛しています

童話ではあなたとしわくちゃになるまで・・・・・・」

途切れた文章の最後が少し滲んでいた

自然と流れる涙はクルツを有名ではないが伝説の童話作家にした

そしてその本は

「my little hero jannu」と名を付けられた

もしもの世界の幸せなジャンヌダルクという一人の少女の物語

人生は結末ではなく経過だ

何故なら結末はきっと死だからだ

おしまい



どうでしたか?

心に残りあなたの力となれば書いたかいがあります

そして彼女をもっと調べて知ってもらえれば

好きな英雄に恩を返せた気がします

初めはゲームで知りふーん程度でしたが

ある日、何気なく調べたら惚れました

こんなにも美しく世界を変えた英雄が

悲しい最後を迎えたことを泣きもしました

でもそのおかげで悪いものが出て

夢が出来ました

ちなみに夢は十個あります

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