~色々な匂い~
「ほら何してる。とっとと入れ。」
「は、はい。」
何でこんなにもかりかりしてるんだ?まぁいいか。とりあえず言われたとおり入るとするか。
「たく、なんで私が一緒に暮らさなきゃ行けないんだ・・・。」
「あのー。」
「何だ?」
「何で怒ってるのですか?」
あれれ何故近づいてくるのか、ブフェッ!
え!殴られた!?
俺は思考が追いつかないので聞いた。
「いってて。何で殴るのですか!」
「お前が・・・!」
「へ?」
オーラが果てしなくやばいんですけど、というか気とか俺あんまり分らないけど杏里さんの後ろからドス黒いオーラが出てるの分るんですけど・・・。よし。
「ではちょっと町をみに――」
「待て(ニコッ)」
「やだ(ニコッ)」
「だーめ(ニコッ)」
「ひー!ぐはっ!」
「この際だから言うが私は怒ってはないからな!」
「なら、なぜ・・・?がく。」
「むしゃくしゃするからだ!」
「八つ当たり!?」
「それはおいといてだ!私はお前との同棲を認めてはいないからな。ただ、私の恩人である藍様に命令されたから仕方なく住まわしてやるんだ!其処を覚えておけ!」
「は、はい。」
「返事は大きく!武士のたしなみだぞ!」
「はい!」
「まぁいい。今殴って少しすっきりしたからな飯を作ってくる。お前は其処に座って待ってろ。」
「はい。」
「返事は?」
「はい!」
「うむ。それでいい。」
ええ!何これ!何なのこの理不尽な殴り!はぁこれからちゃんとやってけるのかな。たく暴力女。初めは可愛いとか美人とか思ってしまったあのときの俺が恥ずかしい!
さて当の本人というと昔の台所のような場所に立って料理をしてる。
うーん。やっぱり後ろ姿は綺麗なんだけどな。これもこの世界の理か?というかこの世界は本当に戦国時代なのか?謎が深まる。
俺が頭を抱えてると杏里さんが声をかけてきた。
「料理が出来たぞ。その・・・。男。」
・・・男?
「あのー。男って何?」
「お前の呼び名だ!」
「俺のこと名前で呼んでいませんでしたっけ?」
「それはその・・・。なんとなくだ。」
「なら名前で呼んで良いですよ。」
「そうか?」
「はい。その方が俺も良いですし。」
「わかった!これからはそう呼ぶな。」
「はい。」
「よし!翔!飯だ!其処の机の側に座れ!」
「はい。」
そして俺は杏里さんに言われるように席に着いた。
ほうほう。これは・・・。
「おいしそうですね。」
「そうか!?」
顔が近い!
俺は白飯に箸をつけて口に入れる。
これは・・・。
「はい。おいしいですよ。」
「そうか。ふふん♪」
何でそんなにも喜んでるんだ?まぁいいや。取りあえずご飯は今も昔も変わらないみたいだな。さて魚はっと。ぱく。う・・・。この味は一体・・・。
「杏里さん。これは・・・・いったい。」
「魚だと思うぞ。どれ一口。はむ。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
なぁ翔。」
「はい。」
「食べるな。」
「いや食べますよ。もったいないですし」
「たべるなったら食べるな!こんなまずいもの!」
「そんなに怒らなくても・・・。きちんと食べますよ。俺にとってはおいしいですから」
「嘘つくな!まずいだろ。」
「いえ。平気です。」
「う―――」
「平気です。」
ハム。うんとってもおいしいです。というのは嘘だが、でもここまで怒るほどまずくは無いと思うんだけどな。
そんな言い合いをしていたら一人の兵士と見られる人が玄関を開け部屋に入ってきた。
「失礼します!」
「おい。勝手に入るとは無礼だぞ。」
「申し訳ありません!ですが早急に藍様に武将達の招集の命がかかっているので失礼を犯しました。」
「藍様が?」
「はい!」
「わかった。すぐ向かう。」
よし俺は関係ないな。これからここにいるんだから食べ終わったら片付けでもするかな。
「翔。」
「はい。」
「お前はここにいて飯食ったら寝てろ。変なことはするなよ?」
「しませんて。」
「よろしい。では向かうとしよう。」
杏里さんが家を出ようとしたら兵士の人が少し戸惑いながら俺の方を向きながら。
「其処にいるのは翔殿ですか?」
「はい。」
「あなたにも招集の命がかかっています。」
・・・・え?
「「ええええええええええええええええええええええ!!」」
俺と杏里さんの声が重なった。
まっじで!?何故に!?絶対武将を招集ってただ事じゃないじゃん!何で俺を呼ぶんだ!?
杏里さんはふくれっ面で俺は怯えながらその兵士に連れられ城の集まっている場所に通された。
其処には藍様が座って周辺の、おれが質問されたときと同じような作りの周辺と思われる地図に何かを置きながら唸っていた。
「藍様こちらに敵兵が五百人。こちらには・・・。」
「ふむ。どうするか・・・。お!杏里来たな!」
「お呼びに上がりただいま参りました。しかし藍様。」
「なんだ?」
「何故この嘘こき男を此所鬼お呼びになさったのですか!?」
嘘こきって・・・?
おれは苦笑いえお浮かべる。いや嘘こきはさすがにひどいだろう。でもここは争わないためにも。
「ははは・・・。」
「何かあったんだな。」
勘のいい人なんだろう。何か分ったのか俺らに聞いてきた。そこで部屋の食事の話を話したら。
「はっはっは!これは傑作だ!そんなことでお前は怒ってたんだな!」
「藍様笑い事ではありません!」
「まぁ許してやれ。この者も悪気があったわけじゃないからな。」
「藍様が其処まで前おっしゃるなら。」
うう。視線がいたい。
その時藍様にさっき声をかけていた男が藍様に声をかけた。
「殿その辺で。」
「分っておる」
藍様は周りを一瞥する。この空間にいるのは俺を含めて十一人。女性は杏里だけ。いや奥の方で女性の忍者?みたいな女性が控えていた。なら十二人だな。そんな俺らを一人一人顔を見るようにして。俺の顔を見たところで止まった。
何だ。何するつもりだ?
「翔。立て。」
「は!」
俺は命ぜられると彼女の隣にたつ。
やべえ。他の人の目線が痛い。
すると藍様がこの場にいる全員の度肝を抜く発言をした。
というよりは俺が一番驚いたんだけどね。その言葉とは。
「みな聞け!此度の戦!采配はこの翔に全てを一任する!反論は認めぬ!以上!」
「「ええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ!」」
俺はこっちに付いた初日に軍師になりました。