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第1話 (終)

色々ありすぎていつもより長く感じた1日だったが、

ただいま0時を過ぎて終わりを迎えた。


鞄に明日の授業の教科書やノートを鞄に入れて机に置く。

歯も磨いたし、あとは寝るだけだが……


エリザは大丈夫だろうか?

まだこちらの世界に来て日が浅い。

……なにより、少しだけポンコツ属性が入っているので心配だ。


ちょっとだけ心配だったので寝る前に見に行くことにした。


ドアを開けて廊下を歩き、エリザの部屋の前まで行く。

トントン、とノックを2回して確認を取る。


「エリザ、入っていいか?」

『構わないぞ』


扉を開けるとそこには寝間着姿でベッドに座る……、

寝間着というよりはただの薄い布だった。

お腹丸出しで胸と腰以外はほとんど露出している。

……よく見るとエリザって結構腹筋があるな。

まあ仮にも自称・元女戦士だし当たり前といえば当たり前か。


「……?私のお腹がどうかしたか?」

「な、なんでもない!」


危ない危ない、間一髪で視線がバレずに済んだ。

部屋の中に入り床に座る。

……健全な男子高校生には目に毒だな。


「明日の準備はもうした?」

「今さっきやった所だ」


とエリザが指をさすと鞄が床にあった。


「今日はこっちの世界に来て色々と大変だっただろ?」

「そんなことはないぞ、

     ユーシャが居たおかげで苦労せずに済んだからな」


そう言ってエリザはこちらに微笑みかける。

……結構恥ずかしいセリフだと思うのだが、

エリザは全然気にしてはいなかった。


「これは聞いて良いのか悪いのかわからないが……」

「なんだ?話してみてくれ」


あちら側の異世界の話を聞いてから、

多少だが疑問に思っていた。


「エリザはどうして女戦士を辞めたんだ?」

「いや、辞めてはいないぞ?学業に専念するために休業中だ。

     愛郷高校を出たらまた異世界で女戦士をするつもりでいる」


「不思議だな……休業してまで行きたかったのか?」

「ああ、学校についてはハナコ婆様がよく私に話してくれた。

  友と学び、競い、そして親睦を深めて青春を謳歌する場所だと」


少し大袈裟な気はするが、

エリザの顔を見るとそんな事は言えなかった。


「それからハナコ婆様に行ってみたいと言ったら、

        『いいんじゃない?』と言ってくれたのだ」


……軽すぎるだろ!!そんな簡単に違う世界に渡らせて大丈夫なのか?


「入学手続きもハナコ婆様が魔法でやってくれたのだ」


魔法……ついにこのワードが出てきたか。


「魔法ってのは、エリザは使えないのか?」

「…………私は戦士故に剣技しか使えない」


エリザが俯きシュンとする。


「お、落ち込むなよ?剣技が使えるのは

     此方側の世界じゃ多分だが物凄い事だと思うぞ」


「ほ、本当か!?」


物凄い勢いで四つん這いとなって近寄ってきた。

……まずい、胸がほぼ見えかけてる!!


「あ、ああ!だからもう少し離れてくれ!」

「!……すまない、つい興奮してしまった」


エリザがベッドに戻り、座り直す。


「話を戻すけど、魔法ってのはどういう原理なんだ?」


「私も話しか聞いたことがないのでよくわからないのだが、

    私の世界には"魔力の素"を放出する巨大な生物が存在するらしい」


「その大気中の"魔力の素"を変換させて扱うのが魔法らしいのだが……

         詳しくは私の世界の魔法使いに聞いた方がいいだろう」


「でもハナコ婆様はこっちの世界で魔法を使えたんだよな?」


「ああ……もしかしたら異次元の門から、

        "魔力の素"が漏れているのかもしれないな」


おいおい、それって大丈夫なのか?


「或いは……っと、そろそろ寝なくては」


時間は12時半を回ろうとしていた。


「悪いな、遅くまで話し込んじゃって」

「気にするな、私もユーシャと話せて楽しかったぞ」


床から立ち上がり、部屋のドアへと向かう。


「じゃーまた明日、あとエリザ…」

「ん?」

「そのだな……もうちょっと、隠したほうがいいと思うぞ」

「?……あッ!!」


エリザが今頃になって意識し出す。


「くっ…殺せ!」

「殺さないから」


俺は自分の部屋に戻り、眠りについたのだった。

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