伊能龍聖、転生準備
ゲームクリエイター伊能龍聖と言えば業界ではそこそこ名が売れていた。主にファンタジー系のゲームを制作していて、売れ行きも上々だった。しかし、あまりに働きすぎて過労で倒れ入院してしまい、同時に脳に腫瘍が発見され、あえなく俺は27歳で生涯の幕が閉じる。
腫瘍を取り除く手術をして、気がついたら真っ白な空間に俺は立っていた。
「俺は死んだのか…?」
死という実感が無く、いまいち悲しみに浸ることもなく、しかし段々後悔が込み上げてきた。
「俺はまだ、ファンタジーを極めてねーんだこんにゃろーーーーーーーーーーーーーーーー」
とりあえず怒鳴ってみた…、俺なりの状況整理だ。
「へぇ、ファンタジーを極めたいんだー。」
急に声が聞こえたと思ったら何とも言い難い人形?のようなものが前に立っている。
そもそも始めからそこにいたかのような変な存在感があった。
「だれだ?つーかここはどこだ?」
「僕はね、ん~とね、クリエイターだよ!君の職業と似たようなものさ!まぁ少々規模が違うけどね!」
「それと、ここは僕の世界。無の神殿さ。ここは、僕が選んだ人間が新たな世界に転生するための準備室みたいなものかな!」
クリエイター?神殿?転生?なにか、生前俺が制作していたゲーム等に出てくるものすごく聞き覚えのある単語が出てきたぞ…
「ちょ、ちょっと待ってくれ。ってことは俺は新たに生まれ変われるってことか?」
「そーゆー事!それと一応僕は神様だぞ!今どきの若いもんは礼儀がなってないな~」
首をかしげるような動作をしてため息をついていた、様に見えた…
「それで、君が転生するにあたっていくつか質問するよ」
クリエイターは指を三本立てた。
「質問は3つね!まず1つ目はどんな世界にいきたい?」
なに、世界が選べるのか!考えるまでもない
「ファンタジーの世界!!!」
少年の様に大きな声で答えた。
「想像通りの答えだね。じゃあ2つ目!ジョブはなにがいい?やっぱり勇者?」
俺は勇者も好きだがなんか面白くないしありきたりすぎてなんか乗り気じゃない。色々考えた末に俺は思いきって言ってみた。
「創造者ってなれんのか?」
クリエイターは驚いた、様に見えた…
「えーと、君の言う創造者ってのは無詠唱魔法の他に新たな魔法を創る創造魔法の使い手って事かな?」
おお、こいつは俺の考えが読めるのか!?
「まぁ、あるていどはね!」
うっ、読まれてしまった…
「じゃあ3つ目だよ!君の能力についてだね!君は天才型、努力型、平均型どれがいい?」
「天才型はまぁ文字通りものすごく伸びるし成長も早い。努力型は早くはないけど伸び高はもしかすると天才型を越すことも!平均型はまぁ平和に生きる分には支障のない感じだよ!」
俺は生前、天才ではないにしろ秀才と言われてきた。そこに才能が加われば自由に生きられるだろう!!
「天才型で!能力も限りなく自由な感じで!」
「強欲だな~。けど確かに創造魔法に天才型、かなり自由にいきられると思うよ!
けど、気をつけてね!天才型とはいえ、凄い魔法使いや魔物はいっぱいいるから調子に乗ってるとすぐ死んじゃうよ!」
若干すでに調子に乗っていた俺は気を引き締めた。
でも、生まれ変われる前の準備で天才型とかできるとかすでにチートじゃね…?
「君の創造魔法にはほとんど制限がないけど死者を甦らせる事は出来ないから気をつけてね
あと、君が生まれ変われる世界は僕以外の神の干渉もあるから頑張ってね!」
「じゃあそろそろ転生の儀式を始めよっか!」
そう言うと俺の足元に魔方陣の様なものが浮かび上がってきて、俺は吸い込まれるように意識を失った。
色々設定作りをしていきたいんでゆっくりになるかもしれませんが根気よくやっていくんでよろしくお願いします。