序章
いよいよ物語スタートです。駄文で申し訳ございません。
〈幽州・公孫賛居城〉
「フゥ・・これで最後か。」
筆を置いて俺は一度大きな伸びをした。
俺の机にはかなりの数の書簡が積まれていた。
「さてと、これを白蓮のところに持って行かないとな。」
そう言って俺は両脇に書簡を抱え白蓮の部屋へと向かった。
「もうこの世界に来て2年、白蓮に仕えて半年か・・・この世界にももう慣れたな・・まさか自分が戦場に立って人を殺めるなんて思いもしなかったな。」
いきなり訳の分からん世界に放り出され山中で倒れていたところを山寺の住職に助けられ、
読み書きや軍略を学び、
修行僧とともに修行をし半年前住職の薦めで公孫賛に仕官した。
仕官したと同時に賊討伐に連れ出されそこで初めて人を殺めた。最初は何度も気分が悪くなって戻していたが、もうさすがに慣れてしまった。
慣れたくは無かったが時代が時代だから仕方ない殺らないとこっちが殺られるからな。
そうやっていくつかの戦場の渡っていき気がつくと一軍の筆頭軍師に任命された。
最初は断ろうとしたが人手不足の為断ろうにも断れなかった。
「(・・でもそれだけ期待され信頼されているんだその期待に応えないとな。よし部屋に戻ったら軍略をもう一度一から学ぼう。)」
そんなことを考えているうちに目的地の前に到着した。
そして俺は扉の前に立ち軽くノックをする。
「白蓮。俺だ言われてた書簡提出しに来たぞ。」
「あぁ雄か、開いてるから入ってくれ。」
部屋に入るとそこには、書簡と格闘している薄紅色のポニーテールの女の子がいた。
そうこの人が俺の主であり、俺にとってこの世界で一番大切な人
公孫賛 字は拍珪 真名は白蓮だ。
どんな民にも優しく接するが五胡や賊達には「白馬将軍」と恐れられている文武を兼ね備えた将軍だ。
「しかし、この量の書簡を二人で片付けるのはけっこうキツくないか?やっぱり人手不足は否めないな。」
「あぁ私もそう思うなんかいい案ないか雄?」
「うーん・・・厳しいなぁ。俺達には名声ってのが無いからいい人材なんて来ないよ。しかも場所が場所だ後ろには野蛮な五胡がいるし最近少し賊の量が増えてるしなぁ」
「ハァ・・名声かぁ確かに無いよなぁ」
「まぁしばらくはこの状況で頑張るしかないな。」
「うぅ・・雄!!こうなったらお前だけが頼りだ頼むぞ!!」
「任せろ。期待に応えられるよう努力するよ。「失礼します」ん?どうした!?」
一人の兵士が部屋に入って来た。
「ハッ!趙雲と名乗る者が珀珪様に会いたいと申しておりますがいかが致しましょう?」
「(趙雲か・・・あの常山の登り龍が来たか仲間に出来れば戦力は大幅に上がるな。)」
「趙雲?聴いたことない名だなぁ・・・どうだろう雄?」
「いきなり通すのは危険だ俺が先に会ってくる。もし大丈夫だと俺が判断したら連れて来るから玉座の間で待っててくれ。」
「あぁ分かった。気をつけてな雄。」
「了解!誰かある!!「ハッ!!」俺の戟を持って来てくれ。」
「御意!!」
「お前は白蓮と一緒に玉座の間で待ってろ」
「ハッ!!」
そう言って伏犠は城門へと向かった。
〈城門前〉
伏犠が城門前に着くとそこには白い着物を着た女性がいた。
「お前達何騒いでいるんだ?」
「あっ、伏犠将軍!助けて下さいよ。この者が珀珪様に会いたいと言って聞かないんですよ!」
「分かったこの者は俺が何とかするからお前達は持ち場に戻れ」
「ホントですか!?じゃあお願いします!!」
そう言って数人の兵士達は走り去っていった。
そうして兵達が去って行くのを見届けて伏犠は白い着物を着た女性と向き合った。
「貴殿が趙雲殿だな。俺は伏犠字は拳士だ一応公孫賛軍筆頭軍師だ。」
「いかにも私が趙雲字は子龍ですが」
「単刀直入に聞こう我が主公孫賛珀珪になんの用だ?用件次第では貴殿を斬らせていただく」
「安心なされよ伏犠殿私はただ公孫賛殿に客将として雇ってもらいたいだけですよ。」
「仕官ではなく客将としてか?理由を聞かせて頂きたい。」
「私は自分が仕えるべき主をさがして各地を放浪しています今回此処へ来た理由は公孫賛殿が自分が仕えるべき主かどうか確かめに来たのですよ。」
「なるほど、それで客将として雇って欲しいんだな。理由は分かった。面会を許可しよう。雇うかどうかは主と相談させて貰う。では城へ案内しよう着いてきてくれ。」
「かたじけない。ところで伏犠殿貴方は何故公孫賛殿に仕えているのですか?」
「何故か・・・最初は恩師の薦めで仕官したのですが、いざ仕官してみて思ったんです。彼女は俺を必要としてくれているとね。生まれて初めて人に必要とされましたよ。その時誓ったんです。彼女は俺が命にかえても護るってね。」
「なるほど。伏犠殿が命にかえても護ろうとしている方とはどのような人か会うのが楽しみになってきましたぞ。」
「趙雲殿も忠誠を誓いたくなりますぞ。」
そんなことを話しながら二人は城へと向かった。
〈玉座の間〉
「伏拳士只今戻りました!!」
「おっ、雄!戻ったか!」
椅子に座っていた白蓮が心配そうな顔をしてこっち走って着た。
「大丈夫か?雄?どこも怪我してないか?」
と質問しながら俺の顔を覗き込んできた。うぅ恥ずかしい。
「大丈夫だよ白蓮。どこも怪我しちゃいないよ。まったく心配症だなぁ。」
「だってお前に何かあったら軍が回らないんだぞ。そりゃ心配するさ・・・でもよかった無事で。」
「白蓮・・・ありがとな。」
そう言って俺は白蓮の頭を軽く撫でた。
「コ・・・コラッ私は子供じゃないぞ。」
口では怒っているが嫌がっている様子はなかった。
「おやおや見せ付けてくれますなぁー伏犠殿。」
「なっ!?趙雲殿外で待っててくれと言ったではないですか!」
「いやあまりにも遅いので様子を見たら。どうやら私の存在を忘れておられるようでしたから。」
「ぐっ・・・も・・申し訳ない。」
「まっこちらもいいものを見れましたからいいでしょう。」
怪しい笑みを浮かべながら話す趙雲。
「ハァ・・まぁいい趙雲殿こちらが我が主の公孫賛様だ。白蓮こっちが噂の趙雲だ。」
「お前が趙雲か・・私は公孫賛字は拍珪だ。」
「あなたが公孫賛殿ですか、いかにも私が趙雲字は子龍です。」
「では趙雲さっそく質問させて貰う。私に会いに来た理由は何だ?」
「私を客将として雇って欲しいのです。」
「仕官ではなく客将としてか?何で客将としてなんだ?」
「先ほど伏犠殿にも話しましたが、私は仕えるべき主を探して各地を放浪しているのです。今回此処へ来た理由は公孫賛殿が自分が仕えるべき主かどうか確かめに来たのですよ。」
「それで客将として雇って欲しいわけか」
白蓮が少し怪訝そうな顔をしたのを伏犠は見逃さなかった。
「白蓮そんな顔するなよ。確かに気分がいいものじゃないけど。」
「うぅ・・・で、雄どうする?」
「俺は雇ってもいいと思うぞ。俺達が抱えている問題は人手不足だ。猫の手も借りたい状況だし筆頭軍師の立場から言うと雇って欲しいな。」
「うぅ・・・確かに人手は足りてないよな―・・・分かった。趙雲お前を客将として雇うよ。」
「ふむ・・・ではこの趙子龍の武今は珀珪殿の為に奮いましょう。」
こうして公孫賛軍に新たな仲間が加わった。
駄文ですが、応援よろしくお願いいたします。