開戦〈マーリン視点〉
私はマーリン、魔法の王、魔王と呼ばれている。なんで魔法の女王じゃないのよ!ってツッコミは置いといて…魔法の頂点ということには変わりない。そんな私は現在、目の前の剣神ルークと対峙していた。なんでも剣と魔法の優劣を決めるためらしい。個人的にはめーーーちゃどうでもいい!私は平和が好きだし戦闘は嫌い。でも戦わなくても、またこうなることは予想できるからきたんだけど…
「ここなら誰もおらん。我らがやり合っても大丈夫だろう。」
「そうか…それじゃあ決着をつけようか」
慣れない喋りで話していく。威厳を持たせるために他人の前ではこの喋り方をしてるけど、普通にキツい…でもこういう立場の人はある程度の威厳は必要だよね…
私が慣れない喋りであたふたしていたらいきなりルークさんが斬りかかってきた。私は咄嗟に防御魔法を展開する。剣は止まったものの少しずつ斬ってくる。
「ふむ…この程度は切り裂くか。ならばこうしようか」
流石に近距離だと不利なのと、あんまり男性は得意じゃないから離れさせるために、魔法をいくつも展開する。ルークさんが魔法を使うなんて話は聞いたことないけど、念の為、いろんな属性の魔法を展開する。火、水、風、土、雷の5属性と魅了、催眠、睡眠系のデバフ属性、闇と光、魔、聖の超属性、そして合成属性も含めて計17属性の魔法を放った。ルークさんは即座に後ろに下がる。瞬間移動でもしたのかと思うぐらいの速度だ。剣もいつのまにか鞘に納めている。私は剣術に関しては全然だからルークさんが何を考えているのかわからない。だから即座に次の魔法の用意もする。念の為に光魔法で光を屈折させ、透明に、風魔法で私の動きで生じる波をかき消し、氷と火の合成、熱魔法で空気の温度を常に周りと同じように変える。これにより、私の周囲の空気は常に他の空気と変わらない温度となる。ほぼ完璧な透明人間。でもいきなり消えたら絶対バレるから木魔法で人形を作る。透明な魔力の糸で人形を操る。さらに人形が斬られた時に発動するトラップも仕掛ける。これを一瞬で終わらせる。普通にキツいけど…これぐらいは必要だよね。
ルークさんは一瞬で全ての魔法を斬り伏せた。純粋に驚いた。こんなことができるとは思ってなかった。ルークさんは一瞬で距離を詰めてる。
あ、防御魔法仕込むの忘れてた…
私は急いで防御魔法を人形にかけようとしたが少し遅れて防御魔法は不完成の状態でルークさんに真っ二つにされた。そして見事に人形は貫かれた。その瞬間、仕掛けていた魔法が発動して人形は大木へと変化する。ルークさんの剣をがっしりと固定している。ルークさんは動揺している様子。これを見逃すほど私は優しくない。魔法を発動して決めにかかる。でも剣士としての勘だろうか?その魔法をギリギリで回避した。大木は壊れ、剣も抜けた。ルークさんはその剣を掴み私を睨む。
「どんなネタだ?」
「ふふ…お主が斬ったそれは最初から我ではない。我の魔法で作られた人形でしかない。だがそれだけでは貴様にバレるだろう。だから魔法で限界まで気配を消していたのだが…まさかバレるとはな」
「なるほど…」
ハッタリだ。多分バレてもいる。でもほんの少しでも誤認させる可能性があるならそうするべきだ。情報を与えず情報を得る。これが戦闘だと思う。それにこう言えば、いつからなのか、どこからなのか、そんなことを気にするだろう。そこにほんの少しでも考えが持っていかれればこっちが有利になる。本番はここからだ。




