隠した本音
今日も知らない誰かと挨拶を交わす。
ネタが尽きてきたな、と思いながら、コメントを入力しては、消す。
どうして、こんなにも疲れるんだろうか。
本当は分かってるけど、今日も目をそらす、その事実から。
誰にも言えない気持ちは、居場所がないまま、僕の心に溜まっていく。
ふと思う。この半年で何人の人が辞めただろうか。
これまで極力インターネットに触れてこなかった僕には、いかにくだらないか、そして、いかに恐ろしいかがよく分かる。
そんなことを考えているうちに、またひとつコメントがつく。
返信は...しなくてよさそう。
本当の気持ちをこの場所で言えば、きっと、この関係は変わってしまう。
くだらない、薄っぺらい関係だってことはわかっているけれど、だけど、失くしたくない、この関係。
人間は愚かだ、とつくづく思う。
嘘に嘘を重ねた、ネットの関係にいつまで執着するのか。
会ったこともない誰かと、好きとか嫌いとか言って。
共通の敵を作って、味方のコミュニティにチヤホヤされるのがそんなにも楽しいのか。
本当は、ガツンと言ってしまいたい。
タイムラインには、新しい投稿。
『ネットの大親友に裏切られた。私消えたほうがいいのかも。』
ああ、この人、ちょっと苦手なんだよな。
「消えたほうがいいのかも」と言えば、「ダメだよ!」と言ってくれるのを期待しているのだろうか。
逆に、ネットの関係で完全に悪口を言われない関係なんてあると思っているのか。
ないに決まってる。あってほしいのは、山々だけれども。
僕だって信じたい人はたくさんいる。
「ネットは偽りの世界だ」といつかあの子が言っていたっけ。
99%は信じているけど、常に1%疑うことを忘れない。
それより、ネガティブな投稿は見ているこちらも嫌になるから、やめてほしいものだ。
先程の投稿には、案の定「大丈夫?」なんてコメントがついている。
それが本心かどうかは知りもしないのに、「ありがとう。」なんて言って。
ああ、吐き気がする。本当に、くだらない。
最後まで読んでくださり、ありがとうございます。




