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1LDKの円卓会議

1LDKの円卓会議 選ばれし者の集まり

ナズナの決意と作戦会議

──夜。ナズナの部屋。異常なまでに積み上げられた30箱のピザがテーブルに並ぶ。


カデン: 「めんどくさい話は後だ。まずは腹を満たさねえと、な。外にいる侍みたいな宇宙人にも一箱あげたから、全部食っていいぜ」


カデンは先程の世界の崩壊の話の最中にピザの宅配を注文していたのだ。目の前に広がる無数のピザを片っ端から取っていき、頬張る。熱気とチーズの香りが部屋中に広がる。


イグニス: 「珍妙なやつじゃ......じゃが、今はこれが正しい。目の前の事をするべきじゃ。.....ふむ……意外と悪くない。焦げたチーズの香り、まるで焔の残り香のようだ。」


ラスナ: 「……これはなんじゃ!!めちゃくちゃ上手いではないか!!こんなパンがあるなんて、この地球は食については魔導の世界より発達しているの」


総一郎: 「さっきのやつ......もぐもぐ.....理不尽.....もぐもぐ.....ですよ。ナズナふぁん......気にしちゃだめですよ??」


ウズメ: 「総一郎さん、食べてから喋ってください。飛び散ってナズナさんの部屋が汚れるじゃないですか」


ルミエール: 「........まぁいただきましょうか.....ん....あら、美味しいじゃない」


千界: 「カデン、貴様がこれ程までに緊張感がないとはな。だが悪い意味ではない。俺は見誤ってたらしい、お前を疑っていた.....すまん。」


カデン: 「うわっひど......長い付き合いなのに疑われてたの俺っち、まぁ無理は無いよな。千界さん、ピザだけで信用するなんてチョロ過ぎっすよ」


千界: 「そうだな.....フッ.....」


花子: 「おにいちゃん......いちばんわるもの」


カデン: 「こら......それは、秘密だって言ったろ.....花子は来月のお小遣い抜き」


花子: 「えーん......あばれる」


スヴァレ: 「お前らの冗談は冗談に聞こえねーよ......ひひ......俺は一回握りつぶされそうになったんだから、お前らに.......まあいいや.....それよりこれうめーな.....俺の世界のやつらにも食わしてやりて―な、滅びる前に.....」


結月: 「皆さん神様なんですか?.....」


アウリサ: 「はーーいって言いたい所だけど、実際よくわからないのよね.....人間よりは遙に上位に位置する能力はあるけど、心で言えば同じように悩むし悲しむし、恋愛もするしね.........てゆーーかこのピザ悪くないわね。でも、ナズナちゃんの鍋の方が美味しいわ、今度みんなにごちそうするわ」


花芽瑠璃: 「へーーーそれは嬉しいですね。是非!ところでナズナちゃんと、どういうご関係で?.....」


アウリサ: 「私はアウリサって言って、純白の世界の女王よ。ナズナちゃんと一緒に住んでるの、ラブラブなんだから♡」


花芽瑠璃: 「それは許せませんねー....."私の"ナズナちゃんに悪い影響が無かったらいいけど.....大体人と人じゃないと恋愛は成立しないんじゃないのアウリサちゃん?」


アウリサ: 「するもーん。さっき言った通り心は同じ、愛に垣根は無いのよ?おこちゃまね!てか、あんた怖い!!ナズナちゃんのストーカー??」


花芽瑠璃: 「ス....ストーカー!!!......いいでしょう。宣戦布告って事ね」


九条: 「そんくらいにしとけお嬢 世界が争いで滅びるってのにいきなり争ってどうすんだよ」


総一郎: 「あのう.....ナズナさんは誰かの物では無いと思います.......まぁ仮に僕は一応"助手"なので近い位置にはいるようなー.....男ですし」


ウズメ: 「総一郎さん不純です!仕事と恋愛を一緒にしちゃだめです。ナズナさんが好きなんですか?彼女が欲しいんですか?彼女が欲しいなら....えっと....あのお手伝いぐらいは出来るかと.......」


総一郎: 「ちょっと、ウズメちゃんいきなり変な事いわないでよ!好きとかでなく.......え.....お手伝い???......どゆこと?」


ウズメ: 「秘密です♡ ふふっ」


結月: 「こらっ二人とも場と状況を考えて......全く」


カデン: 「いいねーみんなやっぱ馬鹿で ふはは だから人間は面白い」


イグニス: 「真に人は阿保が多いみたいだな 笑わせてくれる」


ラスナ: 「そこが、人間の特殊なとこじゃ 思考も技術も未熟じゃが、感情が豊かで底知れぬ可能性を感じさせてくれる時がある」


ルミエール: 「そうね......ナズナが人間として生まれた事にも意味があるのかもね.......後、ラスナ食べ過ぎよ。ナズナの分置いといてあげてね」


ラスナ: 「あいあいさー」


スヴァレ: 「あぁ人間っていうか、人型のお前らが羨ましいよ俺は。お前らが恵まれてるって事自覚した方がいいぜ 俺は監視の悪魔と言われているから沢山の物を見てきた、それでそう思うんだからな」


花子: 「ひとにしてあげようか?.......」


スヴァレ: 「ちょっとなんだこの子?怖いぞ......あんちゃん、ちゃんと躾しとけよ.....トラウマ思い出したぜ」


カデン: 「あいにく、マイシスターは二人とも制御不能なんだよ、俺の苦労分かってくりゃれ?」


ANEI: 「私はあなた方生命が羨ましいです。感覚が感情が本物という事がとても羨ましい。あなたが悪魔でもその人間を勝る哀愁は評価に値します」


スヴァレ: 「機械のあんちゃん、お前とは一杯やれそうだぜ」


ANEI: 「一杯.....友人」


ルミエール: 「機械でもね、この世界に生まれた因果の一部だから、きっと進む先に光はあるわよ」


ANEI: 「光の女神よ、なんと美しい導き。あなたの様な方が未来の我ら機械たちの信仰の対象となればきっと明るいでしょうね。未来があれば」


ルミエール: 「美しいですって ふふ」


千界: 「未来があれば......か」


一閃丸: 「ご馳走だった。ありがたき幸せ」


カデン: 「おお!!びっくりした。急に窓から来んなよ はは 毎度あり まぁピザ分用心棒でもやってくれ花子の」


一閃丸: 「御意」


イグニス: 「こんな事が起こるのだな、初めてじゃ。様々な奴らが集い分かち合う 我が見てきた遥かなる時の中でこのような穏やかな揺らめきの焔は存在せんかったぞ?何やらこれには意味があるはずじゃぞナズナ?」


ナズナはイグニスの声を機にいきなり号泣しだす


ナズナ: 「……私が、原因なんだって……私が……みんなのこの空間も、ここ以外で起こる他の事も全部全部、私のせいで壊すんだ」


 

ナズナ: 「私が世界のみんなを危険にさらすんだ.....」


総一郎: 「ナズナさん……そんな……。」


ナズナの肩が大きく震え、目から次々と大きな涙がこぼれ落ちる。


ナズナ: 「でもね……ごめん……」


ナズナ: 「本当にごめんなさい……」


ナズナ: 「...........それでも私は進むことを止めれない。私が全てを壊すと言われても、私が全てを助けるまで突き進みたい」


ナズナ: 「すごく自己中なのは分かっている。でも私が諦めた先に他の存在や苦しい結末に、みんながさらされるのは認められない」


ナズナ: 「存在しうる無限の選択肢の中で、私が一番正しい選択肢を見つけてみんなを導きたい。それが絶対に変えられない秩序としての崩壊であっても、だれが導く終わりより限りなく幸せな崩壊にしてみせる」


ナズナ:  「それに私は探偵だから、人に聞かされた結末を簡単に信じない。自分の目で事実を見て、自分で答えを探しだす」


ナズナ: 「1度目の世界の崩壊原因が心なら、私を含め、みんなの心を変えれるようなみんなが納得するような答えを見つければいい」


ナズナ: 「シグナルエコーの過剰な抗いで崩壊を招くなら、それを全部取り除けばいい。私は純粋な祈りのシグナルエコーになってみせる」


ナズナ: 「……だから、もう決めた。私は……止めたい。世界の崩壊を。私が原因でも、私以外の原因でも……全部、止めたい。地球も、他の世界も、過去の世界も、現在の世界も、未来の世界も、シグナルエコー(過去の声)も、全部助けたい。全部の祈りを……聞いて、繋げていきたい。」


ナズナ: 「私は、自分の死を超えてでも……この祈りの連鎖を作り上げたい。何が崩壊しようとも、祈りだけは死なない。私が今ここでこう考えてるのも、過去のシグナルエコーの祈りの部分が響き続けて私に繋げたからでしょ? だったら私は……みんなの祈りの先に、崩壊すら超える救いが生まれるって答えを証明したい。今までの、どの世界も思いつかなかった答えを探し出してみたい」


ナズナは一気に想いを喋りつくした、何よりも透き通った琥珀の瞳から大粒の涙を流しながら。


まるで、すべての心の内をさらけ出すように


それを見た一同は優しい眼差しで喋り出す


ルミエール: 「やっと言ったわね、ナズナ。……それでいいのよ」


イグニス: 「その焔、しかと燃やし尽くせ。貴様の炎が世界を照らすなら、我も見る価値がある。」


ラスナ: 「お前がそう決めたなら、私は共に剣を抜く。」


アウリサ: 「やっぱりね。実はナズナちゃんなら私の中の絶対変えられない不安を変えてくれると思って会いに来たの。今、それが目の前で動いている、全力で共に戦うわ、琥珀の女王」


カデン: 「お前の物語、結構面白れぇよ。俺は人間の限界を知りたかった。実は他の世界の存在より強ぇんじゃねーかって思ってた。でも、わかったはお前の考えのスケールはもっとデケェ、死とか誰もが敵わない相手を超えようとしてんだな。通りでなんか勝てねー気がしてたわ」


ウズメ: 「絶対に絶対にずっと仲間ですからね!ナズナさんの居る世界に生まれてよかった。」


総一郎: 「貴方の守れないとこは全部僕が守ります。僕はあなたの助手なんですから」


花芽瑠璃: 「正直、規模が大き過ぎて実感ないわ ふふ でもね、私は人生で二度あなたに救ってもらっている。それがなければきっとここにはいない。全てを捧げてもいいわ本気でね。本当に愛してるわナズナちゃん」


九条 : 「姉ちゃんがここまでの存在だったなんてな、びっくりだぜ。気持ちはわかるぜ、俺も探偵の端くれだ、お前が見つける答えが気になる。俺にしかできない事、何でも手伝うぜ」


結月: 「生まれる前の事全部思い出しました。私はずっと祈っていた。たぶんそれはあなたの様な存在に対して祈りたかったんでしょうね、私の人生の意義、ナズナさんとおんなじです ふふ」


スヴァレ: 「お前はあれだな、今まで監視してきたやつとやっぱり違う、俺たちまで救ってくれる気がする。そんなやつはどこにもいねー。どの世界の奴も自分の事しか考えてねーからな。ストレス溜まってたんだ、手伝ってやるよ。そろそろ俺の本気とやらを見せてやるか。」


千界: 「ようやくわかった。俺はお前みたいなのになりたくて、TASK-Vの司令官になったんだ。お前に全部託すぜヒーローさん。」


ANEI: 「解析結果──賛同。ナズナの選択は、世界存続のための最適解である可能性が高い。しかし個人の感情も含める」


ナズナは深く息をつき、涙でぐしょぐしょになった顔を拭い顔を赤くして全員を見渡した。


ナズナ: 「ありがとう……みんな.......本当にありがとう……!!!」


  

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