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リチャード


「――リリーナ嬢!」


 さてこれからどうしようかなーっと私が悩んでいると、葬儀会場から私を追いかけてくる人影が。


 ギュラフ公爵家の分家・カフラン伯爵家の当主リチャードさんだ。まだ25歳と若いけれど、分家の中では一番影響力が強く、(私と年が近いこともあって)なにかとやり取りをした仲だ。


 髪色こそ平凡な茶髪とはいえ、それを補って余りある美貌の持ち主。学生時代はたいそうモテていたそうだ。


 私は彼を兄のように慕っているし、リチャードさんも……妹のように思っていてくれるだろうか?


「リチャード様。葬儀はよろしいのですか?」


「あの雰囲気で故人を偲ぶも何もないでしょう。それに、ここでリリーナ嬢を見捨てては、墓場から蘇った叔父上に蹴り飛ばされてしまいます」


 ちょっとした冗談を決めてからリチャードさんが心配そうに眉をひそめる。


「リリーナ嬢。これからどうするのですか?」


「はい。お父様から陛下への手紙を預かっておりますので、とりあえず王都へと向かおうかと」


「……そのあとは、どうするのです? たしか実家の公爵家からは勘当されていましたよね?」


「あー……」


 四年前。婚約者であった(元)王太子から断罪された結果。私は実家であるリインレイト公爵家から勘当されてしまったのだ。


 まぁ、そのあと当主交代劇があって。義理の弟が当主になった結果その勘当は取り消しになったのだけど……。どうやらそこまでは話が伝わっていないみたい。まぁ私も言いふらしたりはしてないし、あれ以来一度も実家には帰ってないから知らなくて当然だけれどね。


 そういえば説明してなかったなーいざとなれば公爵家に戻ればいいんだよなーっと考えていると、それが『行き場がなくて困っている』ように見えたのか、リチャードさんが片膝をついて、私の手を取った。まるでこれからプロポーズをするかのような雰囲気だ。


「リリーナ嬢。もしも行き場がないのなら、――私と結婚してくださいませんか?」


「…………、……へい?」


 唐突すぎるプロポーズに、そんな間抜けな声を出してしまう私であった。




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