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正統王家の管財人 ~王家の財産、管理します~  作者: 九條葉月


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突撃×2



 なんだかあまりにも唐突な展開のせいで思考が一瞬止まったわね。


 え~っと、つまり獣人族の軍勢が王都に進軍中で、ここはその途中に位置していると?


「おう」


「そうなりますね」


「……ガースさんは何も知らないんですか?」


 もしも獣人族の軍勢が本当だったとして。族長であるガースさんが何も知らないというのは……。


 疑われている。

 と、理解していないのかガースさんが首をかしげる。


「俺もそんな命令は出していないはずなんだが……。よく分からんが、あいつらの『目』は明らかに正気を失っていたからな。このまま進んでは『敵』と見なされ攻撃を受けるかもしれん」


「ふーん」


 二人を疑うわけじゃないけれど、一応自分の目でも確認してみましょうか。

 馬車の外へ出て、軍勢が進軍してくるという方角を向く。……たしかに集団が移動するときのような砂埃が見える、ような?


 でも、アレが獣人の軍勢だと看破したミッツ様や、さらには正気を失っていると見抜いたガースさんは何なんだろう? スペック高すぎない?


 まぁいいや。巻き込まれるのも嫌なので馬車を移動させましょうか。――正直、あの程度の軍勢なら王都の防御結界すら破れないだろうし。


「いや、もう遅い。あちらにも見つかっている」


 とは、ガースさん。よく考えれば獣人族のガースさんが目視できたのだものね。同じ獣人族が相手なのだから見つかってしまっても不思議はないか。


 見つかってしまったのなら馬車を走らせても逃げ切れるという保証はない。獣人族は生身で馬車と並走できるそうだし。もっと早く走れる可能性もある。


 う~ん、馬車ごと転移魔法で逃げてしまうというのは? フレイルのサポートがあればできると思うのだけど……。


 と、フレイルに提案しようとしたところで。


「お前らぁ! 何のつもりだ!? 誰がこんな指示を出した!?」


 獣人族の軍勢に向けて突撃するガースさんだった。あぁ、うん。族長としては止めなきゃいけないだろうからその行動も理解はできる。


「バカな! 一人で突っ込むなど!? 失礼しますリリーナ嬢! ガースの助太刀に行かなければ!」


 こちらの返事も聞かないでガースさんの後を追うミッツ様。あー、うん。ミアの兄だものね。つまりはアイルセル公爵家の血。できたばかりの友を救うために軍勢の前に躍り出るなんて素敵だなー。


「棒読みですわ、お姉様……」


 友情に厚い兄(オブラートに包んだ表現)を目の当たりにして頭が痛いのか、額を抑えながらも律儀に突っ込んでくれるミアだった。




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