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正統王家の管財人 ~王家の財産、管理します~  作者: 九條葉月


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聖女?


「――リリーナ殿下! 先ほどは申し訳ございませんでした!」


 ドタドタドタッ! と駆け込んできたのはミアの兄・ミッツ様。どうやらミアからお説教されて自分がとんでもない発言をしていたことに気づいたらしい。


 いやそれはいいことだし、貴族なのに素直に謝れるところが好感度+20なんだけど……顔面、ボコボコじゃありません? 痛くないの? めっちゃ腫れてますけど?


「……ミア、いくら兄妹だからって……もうちょっと手加減をね……」


「手加減した結果ですわ。血縁ではない変質者であれば成敗しているところですもの」


 貴族的な『成敗』とはもちろん剣でスバーッ! である。貴族こわい。


 ミッツ様の顔面の惨劇はあまりにも見るに堪えなかったので回復魔法を掛けてあげる。おぉ、総魔力量が激増したおかげかみるみるうちに治っていくわね――うん?


 ボコボコにした顔面。

 それが治るのは当然として……。顎に残された刀傷まで治っちゃったわね? 回復魔法はできたばかりの傷は簡単に治せても、時間が経った古傷は治しにくいというか、治すのはほぼ不可能なはずなんだけど。


≪短期間に二回も魔力を限界ギリギリまで消費しましたからね≫


≪マスターの魔力総量は人外レベルにまで増加しています≫


 まるで他人事のような口調で解説するアズとフレイルだった。あなたたちが原因じゃないんかーい。


 コテコテのツッコミをしてから、空間収納(ストレージ)から手鏡を取り出して恐る恐るミッツ様に差し出す。いやほら、普通の人なら古傷を治して感謝されるでしょうけど、騎士とか武人って戦場での傷を誇りに思っていそうじゃない?


「……おぉ、なんという……」


 ふるふると震えるミッツ様。それは感動から来る震えなのか、あるいは怒りから来る震えなのか。元々無表情な彼の様子ではイマイチ察することはできなかった。


「――まさしく、聖女……」


 うん? なんかとんでもないことを口走りませんでしたミッツ様? 聖女? 私が? 清廉潔白で民を思い平気で自らを犠牲にする系の代名詞、聖女? はははっ、うける。


≪今までの行動も≫


≪割と聖女っぽいところがありませんでした?≫


 今までって。婚約破棄されてからは山賊に雷を落としたりゴーレムを切り刻んだりガースさんやミア・アズに雷を落としたくらいで……やだ私武闘派すぎない?


 あとは求婚も三回されているのか。ちょっと待ってお父様が亡くなってから波瀾万丈すぎない? 私はもうちょっと平穏に余生を過ごしたいんですけど? たすけてー、お父様ー。




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