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正統王家の管財人 ~王家の財産、管理します~  作者: 九條葉月


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聖剣


 創造主であるはずの山賊を亡き者にしたゴーレムは、次に私たちに狙いを定めたらしい。私の張った結界を容赦なく殴りつけてくる。


 術者が死んだはずなのに行動できるってことは、自立式か……。そもそも並みのゴーレムでは術者を害することはできないはずなんだけれどね。それだけ高度な術式が使われているってことなのでしょう。


 しかし、いくら高度とはいえしょせんはゴーレム。私の結界が壊される気配はないけれど……複数人を覆う規模の結界を維持し続けるのも大変だ。決定打がない以上、このままではじり貧になってしまう。


 せめて剣でもあれば……。


 剣を持ち、刀身に魔力を纏わせれば。それは即席の魔剣(魔力剣)となって大抵のものを両断できる切れ味を持たせることができる。そうすればあとはゴーレムの核を見つけるまでみじん切りにすればいいだけだ。


 剣ならミアが持っているけれど……なんというか、彼女の剣はとてもとてもお高そう。魔力を纏わせるとはいえ、あんな高級そうな剣を使って、岩でできたゴーレムを切り刻む勇気はない。万が一刃こぼれでもしようものなら弁償しなきゃだし……。


 ……そういえば、洞窟内の財宝の中に剣があった気が。それなら万が一壊しても『いや発見したときにはもう刃こぼれしていたんですよ! 悪い山賊たちですね!』と言い訳できるし。そっちを使っちゃいましょうか。


 ミアや騎士さんたちの剣を使うよりはマシだと考えた私は、結界を維持したまま宝剣のあった場所まで移動した。その間ゴーレムは結界を殴り続けるけれどとりあえず無視。


 宝剣を手にして、華美に装飾された鞘から刀身を引き抜く。


 ――目もくらむような眩い輝き。


 洞窟にはろくな光源もないはずなのに、まるで自ら光を放っているかのように輝いている。


 その美しさに思わず息を飲んでしまうけれど、感動するのは後回しだ。刀身に魔力を通し、即席の魔剣とする。


 すると――



≪――魔力の登録が完了しました。今より貴女様が聖剣アズベイン(・・・・・・・)のマスターとなります≫



 脳内に直接、そんな女性の声が響いてくる。


 ……聖剣、アズベイン?


 建国神話に登場する、魔王殺しの聖剣?

 王家の秘宝でありながら、400年ほど前、王国が南北に分かれたり統合したりした際のドタバタで行方不明になったという……?



≪敵の弱点の検索完了。完全破壊を実行します≫



「え? ちょっと、まって――」


 そのまま私は柄から手を離すことすらできず、剣を振るうというか剣に振るわれるままゴーレムに立ち向かい――、一撃。一刀でゴーレムの核を破壊したのだった。





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