表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
47/52

ひとつめの決断

ずっと考えてた


陛下とシスツィーアさんは両想いなのに、結婚してない理由


ルリさんたちが、シスツィーアさんを気に入らない理由




それが




『国王だから、国の利益を考えて結婚しなくてはいけない』




だから、反対されて結婚できなくて





『国王なのに、国益よりも私情を優先する』陛下への悪感情




それが、立場の弱いシスツィーアさんへの嫌悪感になった。




(だからルリさんたちは、わたしをシスツィーアさんと関わらせたくなかった。シスツィーアさんの影響を受けて、わたしがこの国に協力しないって言ったら困るから)




まわりの人たちだって、無理やりにでもお別れさせること、できたと思う




陛下もシスツィーアさんも、お別れすることを考えたことはあると思う。




だけど、陛下はシスツィーアさんのことが本当に大切で、お別れなんてできなかった。




(無理やりお別れさせるなんてことも、きっとできなかったんだよね)




シスツィーアさんが陛下の側にいる







ふたりの仲を裂くことはできなかった






それが答え






陛下が決めたことだから、誰も反対できなかった




だから、みんなの燻った思いはシスツィーアさんに向かってる





(陛下だって分かってるはず)





陛下は陛下のやり方で、シスツィーアさんを守ってるんだと思う





おなじ部屋で生活してるのが、その証拠






シスツィーアさんがあんまり出歩かないって言ってたのも、きっと関係してる






だけどそれは、上手くいってない






このままじゃ、陛下とシスツィーアさんは幸せになれない






だから、解決するために、レオンさんがひと肌脱ぐことになった





(だから、陛下じゃなくて、レオンさんがわたしと結婚って話になった。レオンさんも独身だったから)





リオンには婚約者がいるから、リオンでもダメだった。





それにレオンさんには『陛下とシスツィーアさんへ罪滅ぼし』したい想いがあって




ふたりが幸せになれるように、レオンさんが『召喚されてきた者(わたし)』との結婚を引き受けた





それなら、しっくりいった





納得できた





だけど





『『好きな人の代わり』にされる方だって苦痛だし』





「なんであんなこと、言っちゃったんだろ」




はぁ




ため息が零れる





あれじゃあ、わたしがレオンさんのこと





「好きみたいじゃない」





また、思わず口に出して、だけど顔が赤くなることもなくて、「はぁ」とため息しか出てこない





たしかに、レオンさんのことは「好き」




だけど恋愛的な「好き」とは、違う気がする





レオンさんは背も高くてイケメンだし、性格だって良い





少し低い穏やかな声も良いなって思うし、ときどき仔犬みたいなところも可愛いらしい





頼りになるし、さり気ない気遣いに、どきどきすることだってある。






好きになるには十分だ






だけど






「なんか、ダメなんだよね」







『好きになれない』わけじゃないと思うけど、恋愛的な意味で「好き」になれるかも分からない







『好きになったらいけない』気もする







(好きになったら、なし崩しに協力しないといけないからかな?)







ううん。それもあるけど








『・・・・・・・・・・俺の前から、去っていった・・・・・黙って・・・・・・・死ぬかもしれない。そんな、苦渋の決断をさせたんだ』








きっと『去っていった人』が、レオンさんの好きだった







ううん。きっといまも、好きな人







レオンさんの想いはその人にある






(忘れられない人・・・・・・・・きっと、忘れたくない人)








その人への想いはどうなるのだろう?






(レオンさんの性格上、きっとわたしと結婚するために、その人のこと忘れようと・・・・・・少なくとも、わたしが嫌な思いしないように、思いだすことすらしないように封じ込めたりするはず)







そんなこと、して欲しいなんて思わない

 






(自然に吹っ切れるならまだしも、無理やり絶ち切るのは、ダメ)









『陛下がシスツィーアさんと結婚できるように、レオンさんはわたしと結婚しようとしている・・・・・ちがう?』







陛下とシスツィーアさんには幸せになって欲しいと、わたしも思う










だけど、好きな人のこと無理やり絶ち切ったって、そんなレオンさんと結婚したって、わたしもレオンさんも幸せにはなれない










だから










「陛下に、会おう」









たぶん、すぐ会ってくれる










ひとつだけ、決めたこと











まずは話して











受け入れてもらってから

































『ごめんなさい』














最後までお読み下さり、ありがとうございます。

次話は12月14日または15日の予定です

お楽しみいただければ幸いです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ