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というわけで地球に転生しました、どうも魔王です。  作者: 海溝
プロローグ 魔王と魔法使いと幼馴染
2/8

魔王と魔法使いは再開する

2連続投稿!! 続きは明日です。

 7歳になりました。母親は去年ついに帰って来なくなり、私は母親の両親、すなわち祖父母に引き取られました。1週間も帰らないのは初めてだなぁとか思ってたら警察が突然入ってきた時には驚きましたね。私が生きていたことに驚いている様子でしたけど、これでも元魔王ですから。周辺の魔力を使って生命活動を維持する程度余裕ですよ。霞を食べて生きるってやつです! というかパソコンカタカタしてる途中にいきなり突入されたからびっくりしましたね、あの時は。キーボード構えてる状態でフリーズした6歳児はさぞ異様な光景だったと思います。


 母親は完全に私を放置してましたけど、祖父母は私に優しくしてくれました。久々に感じた愛情に少し目が潤みました。不覚です。


 とはいえ少し面倒というかなんというか、おじいちゃん達が悪いわけではないのですが家でひっそりと魔力を操作して宙に浮いたり、魔法を使ったりとして魔力を鍛えていたのですが、それがやりにくくなっちゃいました。ネットで調べた限り、この世界では魔物とか魔法とかは非現実的な物(フィクション)とされていて、存在しないようなんです。そんなバカな、この魔力濃度でそれはないだろうと思って調べてみると、妖怪、霊、絶滅した生き物や鬼などと呼ばれる生き物がそれに値するように思いました。どうやら撲滅しきったみたいですね、不要になった魔法が受け継がれていないのにも納得です。占いとか陰陽術とか怪しいですけど。


「恋莉、飯だぞ」

「はーい」


 と、パソコンを触りながら色々考えていたらおじいちゃんに呼ばれました。私は何日ご飯を食べなくても平気なんですが、私が母親のところにいた時に何も食べていなかった事を心配しているのかおばあちゃんはいつも食べきれない様な量を用意します。残った分はおじいちゃんの胃袋に消えるので無駄にはなりませんが、少し申し訳ないですね。


「恋ちゃんも明日から小学生ねぇ。あのバカ娘が死んで、しかも恋ちゃんが家で放置されてたなんて聞いた時には血の気が引く思いだったけど、生きてて本当によかったわぁ」


 そうそう、母親は帰らなくなって6日後ぐらいに、男に刺されて死んだらしいです。詳細は知りませんが、特に思うこともないですね。強いて言うならまたしょうもない男に引っかかったのか、ぐらいです。父親の事を反省していなかったようです。


「そうだな。そういえば恋莉、欲しいものは決まったか?」

「電子辞書が欲しいです!」


 色々調べていたのですが、何やら色々な辞書、辞典が入っている機械だと言うじゃないですか! しかも他言語も収録されいるとか! 外でいつもノートパソコンを使えるわけじゃありませんし、ネットに繋がないとブラウザは使えません。そこで電子辞書があれば、ふと調べたい事ができた時にすぐさま調べられると言うわけです!


「で、電子辞書か」

「今時の小学一年生の頼むものは分からないわけねぇ」

「そうだな……」


 少し呆れられたようですが無事許可を得られました。やったね!


 と言う事で私のおじいちゃんとおばあちゃんからの入学祝いは電子辞書になりました。



 入学式。まとめると入学おめでとう、皆さんの成長を願っていますと5分ほどかけて話された私達は、振り分けられたクラスへ。クラスメイトのみんなは緊張からか、親の近くで静かにしています。暇になったので電子辞書を開こうとしたら、おばあちゃんに咎められました。残念です。あ、でも没収はしないでください。


「みなさんご入学おめでとうございます。保護者のみなさんもおめでとうございます。このクラスの担任の、徳原楓です。これから一年よろしくお願いしますね。では早速ですが――」


 とりあえず持ち物の確認。忘れているものがないかチェックですね。私は入念に10回ほど確認したので漏れはないです。こう言う時に忘れるのは恥ずかしいですから。


 ですがどの家も何かしら忘れ物はしているようで、私みたいに忘れ物がない家は30人中5人ほどでした。


 チェックが終われば自己紹介だそうです。私は藍川恋莉なので出席番号1番ですね。トップバッターは気楽です。比較対象が存在しないので。


「初めまして、藍川恋莉です」


 こう言う時は好きなものや事を言うべきだとネットで見ました。


「気になる物についてネットで調べたりとか、ネットサーフィンが趣味です。最近電子辞書を買ってもらいました」


 後は家族について言っておくのも後々の話の種になるようです。


「母親は去年死にました。父親は私が産まれてすぐ蒸発したので、今はおじいちゃんとおばあちゃんの家で暮らしています」


 あれ? 親達からが何か同情の視線を感じますね……まあ良いです。続きです続き。交友関係について仄めかすのも良いらしいですね。


「そんな感じで保育園や幼稚園とかに行った事がないので、変な事を言ったりするかもしれませんが、仲良くしてくれると嬉しいです。よろしくお願いします」


 場の空気が凍るとはこう言う事を言いますよね。魔王時代にこう言う空気になった事があります。シーンというかカチンッと人の息遣いさえ聞こえなくなる空気です。何を失敗したんですかね?


「お父さんとお母さんいないのー?」


 後ろに座っていた子が質問してきます。母親がコラっと叱っていますが、好奇心旺盛な子供は止まりません。

 まあ私も別に気にする事だと思っていないので答えます。というか場の空気が凍った原因これですね、初っ端から親がいないとか爆弾発言すぎます。


「はい、いませんよ」

「おじいちゃんとおばあちゃんと暮らしてるんだよねー?」

「そうですよ」

「楽しいー?」

「ええ、とっても」

「なんで丁寧な言い方ー?」

「へんなのー」

「変ですかね?」


 みなさんのようにした方が良いのでしょうか? なんとなくこういうのがしっくりくるのですが。


「変じゃないと思うよ」

「そうですか?」

「うん、魔王らしいと思う」

「はい?」

「なんでもないよ」


 この子今魔王って言いました? 隣の席の子、もしかして知り合いですかね? 何はともあれ、自己紹介を聞きましょう


「蒼井優。よろしく」


 以上、とでも言うかのように座った。隣にいるお母さんが頭抱えてますよ。もうちょっと何か言ってあげても良いんじゃないですか?


「家族は?」

「母親だけ」

「好きな食べ物は?」

「特にこれと言って。魔王は?」

「私もですね。後名前で呼んでください」

「そう、なら私も優で。よろしく恋莉」

「よろしくお願いします。優ちゃん」


 と、見つめ合う形になったので少しだけ魔力と魂を見させてもらいますね。あ、勇者パーティーの魔法使いの子ですか? なるほど、敵対意思がないのも私に接触を図ったのも納得です。


「あのー、自己紹介続けてもいいかな?」

「はい、大丈夫です」

「ん」

「じゃあ次の人ー」


 ただ魔法使いの子(優ちゃん)ってあっちの人ですよね? なんで地球にいるんでしょうか。この子は魂に関連する魔法を使えなかったはずですが。いやでも親が確か……


 みなさんの自己紹介は、誕生日や好きな食べ物、好きな遊びなど自分の好きな事を語っていました。なるほど、そんな感じなんですね、ネットには間違った知識が埋もれていることは分かっていましたが、これはもう少し情報を精査する為のサンプルを増やすべきですね。


「自己紹介の練習しておけばよかったわねぇ」


 自己紹介が終わり、授業についてなど保護者向けの説明があった後、おばあちゃんがそう言って笑いました。大人びているのは悪い事じゃないと思うのですが、やはり浮いてしまいますかね?


「恋莉」

「優ちゃん。おばあちゃん、少し遊んできても良いですか?」

「良いわよぉ、あそこのベンチにいるわねー」

「分かりました」


 詳しい話を聞きましょう。仲良くしたいですしね。できれば勇者くんとも。…………いや別にいいですかね。



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