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というわけで地球に転生しました、どうも魔王です。  作者: 海溝
プロローグ 魔王と魔法使いと幼馴染
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どうも、魔王です

新作始めました。既存のものも書きますが、こっちもやっていきたいです。

 どうも、魔王です。勇者に滅ぼされそうになったので急いで魂だけ逃げ出しました。まあ魔族という種族を取りまとめてたから魔王って言われてただけで別に人間を滅ぼそうとしたりはしなかったんですが、勇者が召喚された事でどうやらこちらに人間を滅ぼそうとする意思があると勘違いされたみたいで、ならもういっかなぁーって勇者に単身挑んで負けてきました。


 ぶっちゃけ勇者くん弱かったです。自分軽い未来視できるんですが、正直この勇者に殺される未来は見えませんでした。成長後でもです。というか勇者が攻めてきたって事で魔族側が戦争を仕掛ける未来が見えたので、その意思をちょいとへし折ってから死んだわけです。


 そもそも何で負けに行ったかっていう話ですよね。勇者の方を殺せば良いという話なんですよ。でもそれはできなかったんですよね。勇者殺すと次の勇者が生まれるんですよ。しかも勇者の記憶を引き継いで。これだとどんどん勇者が強くなって私を倒すところまで行くんですよね。大体100代くらいかけて。しかも勇者って異世界から召喚されたんですよね。別世界の事情に巻き込まれた挙句魔王を殺さないと元の世界に戻れない。多分諦めても魔王を殺すことを強要されると思うんですよ。別種族とはいえ流石にそれは不憫だと感じたし、こっちの世界の都合に巻き込んだわけだからそういうのはは違うと思ったんですよね。


 とまあそんな心情で私の魂の一部を消滅させて神様の目を誤魔化して勇者を元の世界に返すため、私は負けに行ったわけですよ。


 そこで問題が発生したのです。



 転生する世界を間違えました。



 違うんです本来は魔王が死んだってことにしてこっそり転生してスローライフでも送ろうとしたんです。だから親しかった人にそういう事だから今度会うときは姿変わってますよー笑笑、みたいな感じで別れたんです。で、でですよ。転生したらなんか魔力密度が濃いなと思うわけです。そして言語が理解できない上に全く知らない設備がいっぱい置いてあるんですよ。時代でも間違えたかな? 不味いなぁとか思ってたら、世界が違うんですよびっくりしました。


 色々情報収集したりしようにも言語が分からない。なら言語は学べば良い、それから家族と上手く関係を築いて独り立ちしたあたりでまた死を偽装したらいいかなとか思ってたんですがね……



 まず問題が母親しかいないんですよ、私の家。両親は愛人関係であったらしく、私が生まれたのは事故との事。私が産まれるまでは責任を取るとか何とか言っていたらしい父親も産まれてからちょっとして夜逃げしたらしく、母親は母親で私の事を恨むようになりまして、まともな勉強をさせて貰えないんですよね。

 お金がないから家に本なんてものはないし、母親は家から出してくれない。ご飯をもらえるのは助かりますが親が帰ってくるのは夜遅く、たまに男連れなせいで部屋の端で母親と知らない男の行為を聞かされる日々。


 正直面倒なのでさっさと出たいんですけど体が小さすぎるんですよ。外に出たらこの魔力密度ですし普通に殺されそうなんですよね。


 ちなみに行為中に泣き声を上げたら男が帰った後で殴られます。普通に痛い。あと私まだ生まれて1年ですよ。やっと家の中を自由にはいはいできるようになっただけの子供ですよ。死んだらどうするんですか! まあ死にませんが。攻撃にこもった魔力が普通にダメージを通してくるんですよねぇ。私の魔力が低いのも問題ですが。勇者より3段階ぐらい弱いぐらいですかね? あっちの人間より普通に強いレベルですね。


 とはいえ日中は平和ですし、夜も大人しく寝ていれば何もありません。言語は聞き取れるようになりましたし、後は文字ですね。どうすれば良いでしょうか……。



 生まれて3年が経ちました。最近は母親が私を何やら気味の悪い物を見ているような目で見るようになり、家に誰かを連れ込むことがなくなりました。暴力もありません。とても平和です。そのかわり帰ってくるのが遅くなったり、帰ってこない日があったりと顔を合わせる機会がかなり減りました。最近家にある「のーとぱそこん」という機械を触っています。言語にはパターンが存在するので、実際の発音とパターンを比較しながらゆっくりと読み解いています。このパスワードという部分で今は引っかかっています。適当な文字列では画面にパスワードが異なると出るので、おそらく一定のパターンの文字列でしか開かないのでしょう。


 まあ心当たりはあるんですけど。ということで家の引き出しの中の紙切れに「password」と書かれ、その下に文字列が書いてある紙を取り出します。この上の文字を入力しても違ったので、下の方を入れましょうか。違ったら合わせましょう。


 開きましたね。この小さいネズミのような機械を使って適当なマークをポチッと、…………あれ? 四角く囲まれるだけですか? もう一度ポチッと…………文字が青に囲まれた? もう一回ポチッと…………戻りましたね。ポチッ、ポチッ、ポチッ、ポチポチッ。あ、開いた。2回押さないとダメなんですね。あとは…………




 そんな感じでノートパソコンに触れ、インターネットという環境を知ってからは早かったです。適当な文字列を打って検索、そこから色々なところに飛びつつ文字を理解し、知った文字からさらに別の文字を調べていく。そうやって徐々に言語を学び、5歳になった私は普通に喋ることさえできるようになりました。


「これでしぇかいをしらべられりゅ」


 私はネットでこの星の名前を知りました。




 という事で地球に転生しました。どうも魔王です。

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