魔物への対策
「魔王が元人間で、今は行方知れずねえ」
「驚かないんですか?」
「別にぃ。魔王が元人間ってのはよくあることだし、お前はなんでそれを知ってるんだ?」
「……召喚された時の、クラスメートだったからです。お願いです、勇者様。時風春喜を救ってください」
「あー」
映し出される白い柵。一部分が壊れている。
「みゃんみゃん」
サバが投稿主に擦り寄ってくる。
(魔物と遭遇した。サバと俺で追い払った)
(最近、魔物が強くなっている)
(壊れなかった柵が少し壊れた)
(修繕しよう)
早回しで埋められていく柵。サバが高さチェックをする。
(結界の強度を上げてみた)
(今日は完成まで進めないと)
早回しで埋められていく柵。だが、この前の動画と違って、太陽の影の位置はさほど変わらない。
(埋め終わった)
均等に並び、繋げられている柵。その向こうに、昼間でも暗い森が見える。
(これで、今日来た魔物なら簡単に追い払えるだろう)
「みぃ〜」
遠くでゆきの鳴く声。サバが振り返る。
(帰ろう)
(終わり)
「そりゃ、無理なんだよなあ。時風春喜は永遠に救われない。救われるとするなら」
「おーい勇者、猫動画見ようぜえ!」
「みようぜえ!」
「王様たちがフランクすぎるんだけど」
「なんか落ち込んでるからフランクにしてみたのじゃ。もちろん低評価は入れられないがな!」
「がな! ほれ、ぽちっとな」
「はぁー」
「ってなんじゃあこれ!? アオキめ、明らかに魔法を使っておるではないか!?」
「結界に、身体強化、はあ!?」
「え、気付いてなかったの王様たち。アイツ前から魔法使ってたけど。わからんように」
「なんじゃと!? じゃなくて、奴の魔法の才能はゼロじゃったはず! 加護など受けておらんかったはずじゃが!?」
「それが、あそこに行ってから、突然才能が花ひらいたということですか!?」
「さぁーて、なんでだろうねぇ。俺が思うに」
「「猫ちゃんのおかげだな!!」」
「……」




