3/11
サバとその娘
「おーさまー、世界を救う金が尽きたんでぇ、金くださ、何やってんの?」
「おお勇者よ、大義であったな。しばらくゆっくり休むと良い。じゃあの」
「えぇ……(宰相と一緒にどこに行くんだか。どれ、尾けてみるか)」
遠くに点が見える。カメラはズームせず、点の方が寄ってくる。
「みゃんみゃん」
軽やかな声。サバトラが走ってくる。こちらに近づくにつれて、ぴんとしっぽが立つ。
(見つかってしまった)
(こいつはサバ。どの猫よりも武闘派だ)
カメラに激突する縞々の頭。サバの顎を撫でる投稿主。移動の最中、地面に寝転び、転がるサバ。
キジシロ三匹がいた小屋とは別の小屋に入る投稿主。
じゃらじゃらじゃら、という音と共に、カリカリが餌皿に入れられる。よく食べるサバ。そこに現れるひとまわり小さなサバシロ。
(サバの娘)
サバが食べ終わった後に、カリカリを食べ始める。
「んみゃんみゃ」
(美味い、と言っている)
(このカリカリは、ふやかしてある)
唐突に、小屋の外に向けられるカメラ。牛柄の猫が、のっそりと横切っていく。
(もーが様子を見にきた)
(おわり)
「なんすかこの中身のない日記は。猫が様子見にきただけじゃん」
「もーは優しいなぁ。のう、宰相よ」
「しかしサバのギャップも捨てがたい。だが一番は、ああ、迷いますな」
「あの、俺の金……」




