表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/6

王子として

書類確認も早々に済ませて公務へを行う。


わざわざ騎士団長自ら部屋に迎えに来てくれて護衛をしながら騎士団の様子を案内してくれるようだ。


「よろしく」


俺は王子っぽく笑って返事をした。


「ん?今日の王子は少し大人しいですな!」


騎士団長がじっと力強い大きな瞳で見つめてきた。


この人に会うのは数回…まさかバレた…


俺は内心バクバクだったが平気な顔をしてみせる。


「そりゃあいつまでも子供のままではいられないからな!」


馬鹿王子っぽく言ってみるがどうだろう…


騎士団長はじーっと見た後にニカッと笑うとバンバンと凄い力で背中を叩いた!


「いや!よかったよかった!王子も成長してくれて!なぁニルギル!」


騎士団長がニルギルに笑いかけると苦笑いを返していた。


よかった…誤魔化せたようだ、でもこれからはもう少し馬鹿な振りをしないと不味いかもしれない。


新たな課題も出来て騎士団長に案内されるままついて行った。


あらかた見て回ると…


「どうですかな?うちの騎士達は?」


団長が自信ありげにこちらを見つめる。


「よく訓練されてますね、連携も取れてて陣営がしっかりしています。ですが少しスタミナ不足では?もう少し精のある物を食べた方が……」


しまった!


つい余計な事を…


見ると団長が驚いて口を開けたままこちらを見ていた。


「ま、まぁそんな事をニルギルが言ってたかなぁ~!」


盛大に大声で誤魔化してみる…ニルギルを見ると一瞬呆気に取られていたがすぐに覚醒して…フォローしてくれた。


「そうですね、王子よく私の言ったことを覚えてましたね。勉強の成果がでて嬉しいです…ではすみませんもう視察は大丈夫ですね!王子はお疲れの様なのでこれで…」


ニルギルはポカンとする団長をおいて俺を連れてそそくさと部屋へと向かった。


「すみません…」


帰りの廊下に誰もいないのを確認すると俺は謝罪した。


「いえ…王子としては最高の答えでした。ただグレイ様があれを言えるかどうか…」


ニルギル様はどうしたものかと悩んでいるようだった。


そのまま会話も無く部屋に来ると部屋の前に数人の人がいた…


「あれは…」


ニルギルが眉間に皺を寄せた…


「あっ!」


部屋の前にいたのは可愛らしい女の子とその付き添いと見られるメイド達だった。


「ルフナ様…」


ニルギルがつぶやく…


あれが王子の婚約者のルフナ様か…確かに可愛い顔をしている…綺麗な薄いピンクの髪が顔を動かす度にフワッと揺れている。

そして王子が言ったように幼く感じた…主に胸が…


「王子様!」


そんなルフナ様は花の咲くような笑顔で髪と同じ色の大きな瞳で見つめながら俺に近づいてきた。


「こんにちは、ルフナ嬢今日はなんのようかな?」


初めて会う婚約者にさも会ってたことのある様な笑顔を向ける…


これで大丈夫だろうか…自分の対応に不安になる。


これまで女性の相手はした事がなかった…その役目は王子本人の役目だったからだ。


ルフナ様はじっと俺の顔を数秒見つめると…


「ふふ…」


可笑しそうに微笑んだ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ