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あの夏あの島で  作者: KATARA
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こんなに何度も偶然が重なるのは意味があるんじゃ? と美歩は家にいても大学にいても彼のことを思い出した。いい人なのを何度も見るだけじゃなくレモンの件で話すことができて、それはもっともっと知り合えってことじゃ? この出会いを大切にってことじゃ?


   ***


美歩がひとりで江の島を訪れたのは友人4人と来てから1週間後の金曜日。


梅雨入り直後で片瀬海岸から見た江の島は雨で霞み、仲見世通りに来ると観光客は少なく閑散としていた。美歩は坂を登りつつ土産物屋や飲食店の店先にある求人の貼紙を見た。それからしおさいの前まで来ると深呼吸し、傘をたたんで軒下に入る。傘の水をよく切って戸をあけた。


「いらっしゃいませ」と声をかけたのはあの彼でテーブルの1つを拭いていた。客は1人もいない。


美歩は会釈して戸を閉め、


「おひとりですか」と聞かれて、


「はい」とうなずき、


「どうぞ、お好きな席どこでも」と彼は微笑して奥に行く。


美歩は奥を向いて座れる席につき、テーブルに立てられたメニューを見た。しっかり目が合ったのに、と思う。彼は全然気づかない。まぁたくさんのお客が毎日来るだろうから憶えてなくて当然ね。そう思って来たのになんのリアクションもないと少しがっかりする。

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