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あの夏あの島で  作者: KATARA
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金曜日の朝9時にJR藤沢駅の改札前で待ち合わせ、5人は江ノ電に乗った。片瀬海岸に着いたのは10時。6月に入ったもののまだ梅雨入り前の爽やかな晴天で砂浜には日焼け目的の人が大勢いた。弁天橋を渡り江の島に着いたのは10時半だったがすでに観光客でにぎわい、青銅の鳥居をくぐって仲見世通りを登ると飲食店のいくつかはあいている。


「食べるとこもうあいてんだね」「早い方がいいのかな」「混みそうだよねお昼になっと」「どっかオススメある美歩」


聞かれて美歩は「あ」と立ち止まった。あの彼が先日曲がった角にちょうどさしかかり、奥を見ると「しおさい」という看板とのれんがある。


「生シラス丼なら、あそことかあるかも」と美歩は指さした。名物のシラスを食べたいと話していたところで、


「いいじゃんいいじゃん」と1人が言ったが「えー、もっとおしゃれなとこがいいよ」と別の1人が言い「島のむこうにイタリアンとかなかったっけ」「あ、あったかも」「イタリアンいい。そこにしよ」「シラスのピザとかあるよね」とみんなは歩きだした。


結局ランチは亀ヶ岡広場にあるイタリアンで、食後に美歩は結衣とまわった観光スポットを同じように案内し、仲見世通りを下りたのは2時すぎ。続けて新江ノ島水族館に行く予定だった。


美歩は「しおさい」の看板とのれんが見える角を最後尾で通過し、今日は会えなかったな、とため息をついたが途端に坂の下から来る彼に気づいた。彼は両手に買い物袋を持って急ぎ、美歩のすぐ横を通過する。美歩が振り向くと彼の持つ買い物袋からレモンが1つ飛び出した。坂道を転がり「あ」と美歩は拾って友人たちを見たが4人は気づかず下りていく。また彼を見上げると彼も気づかず角を曲がる。美歩は走って彼を追いかけた。

11月9日に電子書籍を発売しました。こちら[ https://novelsofkatara.web.fc2.com/amazon/enoshima.html ]から購入サイトにお進みいただけます。

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