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思い出の泉


     * * *


 キョウはまた環境維持ロボになっていた。


 今回は家の近くにいた。


 環境維持ロボはルウの地に外に出ると止まってしまう。それは知っていたが、キョウはルウの地の外の方へ進んでみた。

 人間の目の時は見えなかったが、何もない空間のはずなのにそこにぽつんと入り口らしき穴があった。

 北の外れの井戸のそばにある入り口の穴にも似ていた。


 その穴を通り抜けると、オアシスがあった。


 泉があった。

 泉には星や月が反射していた。

 空には、やはり星や月が出ている。


 キョウはその様がきれいだな、と泉と空を見比べていた。



 ふと、キョウはその泉の中に入る。

 ここは子どもの頃の自分が水脈を開いた泉……ような気もするが? 子どもの頃の記憶はあやふやだ。



 泉の底を進んで行くと、水が湧き出してる場所に出くわした。

 たぶん泉の真ん中ぐらいの位置だろうか。水の流れが違っていた。

 土の中からゆっくり静かに水が湧き出している。

 その水が溜まって泉になっているのだ。

 

 キョウはしばらく水が湧き出す様子を感じていた。

 見えるわけではなかったが、その場にいれば水の流れを感じることができた。


 ふと、水が湧き出すのはどういう感触なのか気になった。


 アームを伸ばし、湧き出す地面を触ってみた。

 水が湧き出ている場所にアームを差し込む。土の中で開いたり握ったりしてみる。

 水の中の土の感触が面白かった。

 いわゆる泥んこ遊びに夢中になる子どものようだった。


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