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 むかしむかし、ある村に、三人のおばあさんがいました。


 ある夏の日、おばあさんたちは、山を越えた先、海の村の、夏祭りに行こうと思いました。


 山の途中、谷川には橋があります。おばあさんたちは、そこを渡らなければなりません。


 しかし、橋の下には、大きな岩のような、恐ろしい人食い鬼が住んでいました。


 真っ赤な燃えるような色の肌、ギラギラと光る気味の悪い目、頭には大きなツノがありました。




 はじめに、一番小さい、おばあさんが橋を渡ろうとしました。


 かたん、ことん、かたん、ことん、と橋が鳴りました。


「だれだ、おれの橋を、かたんことん、とさせるのは」と人食い鬼がどなりました。


「はい、あたしです。となり村から来ました。これから夏祭りに行く所です」と、そのおばあさんは、とても小さな声で言いました。


「ようし、きさまを食ってやろう」と人食い鬼が言いました。


「ああ、どうか、食べないでください。あたしは、こんなに骨と皮だけですもの」と、おばあさんは言いました。


「少し待てば、もうひとり、やって来ます。あたしより、ずっと大きいですよ」


「そんなら、とっとと行ってしまえ!」と人食い鬼は言いました。




 次に、二番目のおばあさんが橋を渡ろうとしました。


 がたん、ごとん、がたん、ごとん、と橋が鳴りました。


「だれだ、おれの橋を、がたんごとん、とさせるのは」と人食い鬼がどなりました。


「あたしは、となり村に住んどるもんじゃ。これから夏祭りに行く所じゃ」と、そのおばあさんは言いました。前のおばあさんほど、小さい声ではありません。


「ようし、きさまを食ってやるぞ」と人食い鬼が言いました。


「食べるんじゃないよ。あたしは、老いさき短いばばあじゃ。少し待てば、もっと大きいもんがやって来る。あたしより、ずっと大きいよ」


「そんなら、とっとと行ってしまえ!」と人食い鬼は言いました。




 最後にやって来たのは、大きいおばあさん。


 がたぁん、ごとぉん、がたぁん、ごとぉん、がたぁん、ごとぉん、がたぁん、ごとぉん、と橋が鳴りました。


 あまりにも、おばあさんが重たいので、橋は、雷のような音をたてました。


「いったいぜんたい何者だ。おれの橋を、がたぁんごとぉん、とさせる奴は」と、人食い鬼がどなりました。


「あたしだよ! 大きいばばあだよ!」


 と、おばあさんは言いました。それはそれは、大きな声でした。


「ようし、それでは、きさまを、食ってくれるぞ!」


 人食い鬼はどなって、おばあさんに襲いかかりました。




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