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Murder World VI.Generation  作者: 萌えがみ☆
第1章【動き出す運命】
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【特殊任務発令その2】

あれから4時間後、時間は既に18時を過ぎていた。


情報の収穫はというと、結構集まった。 どうやら最近殺人事件を起こしている連中が2人確認されたようだ。


1人は白い洋式風の服を着た女性。 もう1人は、図体がでかい体格が特徴の奴ららしい。


2人のXウェポンの種類は、どちらも不明。 何故かというと、奴らと遭遇した者は確実に殺されているからだ。


死体を目撃した人はいるらしいのだが、殺人者(マダラー)に“殺された”という以外の情報が一切無い。


能力も不明である。


居場所はというと、噂によれば旧デパート内で姿をみたという情報を入手した。


何故デパートをを住処(すみか)にしているのだろうと俺は少し疑問に思った。 拠点となる場所が他人に察知されれば袋の鼠となり、いつ誰に襲われるか分からない。……そんな恐怖に追いやられるはずだが……。


何か秘策があるというのだろうか? 俺の予想では、これまでの一連の事件は恐らく2人が手を組んで行ったことだと予測できる。


もし、この説が仮に正しいこととしよう。 そうなれば、殺す相手が通った時、1人は拠点の外で監視、もう1人は拠点内部に身を潜め、相手を待ち伏せる事が可能。


仮に、そこを通り過ぎたとしても、後を追い、二手に分かれ最終的に挟み撃ちにすれば、確実に殺すことができる。


だが警戒するべきものは2人の、Xウェポンと能力だ。 何を持っているか分からない。下手をすればこちらの命だって簡単に奪われてしまうだろう。


「ここか……()()()()は」


情報のあった場所へと古びた道路を辿って行った。 すると、巨大なデパートが姿を現す。窓ガラスは、所々割れており、見た感じでは電気は通って無いように見える。


「えらく荒れ果てた場所だな……それは愚か物静かさを感じるが………… とにかく進むしか無い」


恐る恐る中へと入る。徐々に視界の光が消え、辺りが暗くなって行く。


暗いので俺は鞄からライトを取り出してつけた。


あちらこちらと俺はライトの照明を当てる。するとあたりは散乱していた。


食べ物や家具、色々とある。


見た感じ恐らく電気は普及されてはいないだろう。何故なら天井を見渡すと、回線がどれも切断されているのだ。かといってブレーカーも見当たらない。


広々とした暗黒空間。それは今でも俺を闇の世界へ引きずり込ませるような暗さである。


暫く奥へと歩くと、エスカレーターが出てきた。俺はそのまま2Fへとエスカレーターで上へと上がった。


当然電気が通っていないので、エスカレーターは単に階段と同じ扱いだ。なので自力で自分の足を使い、1段ずつ上るしかない。


「にしても長いな……エスカレーターって電気通ってないとこんなにも上るのがめんどくさいだなんて……思いもしなかったぜ」


非常に長い……いやむしろ“長く上っているように感じる”

と言った方がいいだろう。


「ふぅ……やっと着いた」


ようやく2Fへと着く。その先へと進むと2つの道を見つける。


どちらの道も一方通行となっている。


道の手前に案内図の看板があったので、それに俺は目をやる。


【←正社員会議室等 電化製品売り場→】とある。


俺は、左の方へと進んだ。そしてその先から音を立てるのをなるべく控えるよう歩くことにした。


何者かがいる可能性がある……と俺は悟ったからである。


マダラースコープをかけて、俺はマダラースコープのある機能を起動させる。


「サーモグラフィーモードオン……っと」


マダラースコープに搭載されている機能“サーモグラフィーモード”を起動させる。文字通りスコープのグラスにサーモグラフィーを表示させることができる機能だ。


これで生態反応を確認できる。


…………遠くで高い温度を表示させてるものが見える。正体はこれか?


2つの生体反応。同時を俺のXエナジーが強い共鳴の鼓動を鳴らしている。


殺人者(マダラー)殺人者(マダラー)同士が接触しそうになると、Xエナジーが反応する。


簡単に言えば、Xエナジーが 殺人者(マダラー)を感知するレーダーのようなもの。従って恐らくこの先に誰かがいるだろう。


人数は2人か――――。


物静かな一方通行を歩く。辺りには散乱しているものや、壁と天井には、大きな亀裂がある。今でも崩れそうな状態に見える。


扉が見えてきた。使い古された、古い木の扉。傷跡が所々(ところどころ)ある。


ガチャ…………。扉を開ける。その先には――――――。


「…………ッ!?」


眩しい光が俺を襲う。瞬時に俺は目を閉じる。


なぜだ? ここには電気は通ってないはず……。 なのにどうして…………。


ゆっくりと目を開く。そこで俺が目にしたのは――――――。


前には巨大なスポットライトが3台ある。その大きさはバンボディのトラックが2つ積めるぐらいの大きさだ。


さっきの光の正体は恐らくこれだろう。


上を見渡すと、1周回れるキャットウォークがあった。周りにそこへ上るための階段はどこか?ともう一度周りを見渡す。


しかし階段はなかった。


恐らくこの俺の視界からは見えないが、正面にキャットウォークへと上る階段がある。仮にそこへ上るのであれば強行突破で前へと突っ走って上るしか方法はない……俺はそう思えた。


だが、迂闊に突っ走れば、敵の餌食になりかねない。相手が狙撃のXウェポン及び遠距離戦を得意とする殺人者(マダラー)なら突っ走る方法は非常に危険だ。


するとマダラースコープの音が鳴り、画面上に【Murderer perception!】と表示される。


つまり、マダラースコープが殺人者(マダラー)を感知したのだ。向こうから僅かだが、サーモグラフィーにも異変が…………。赤い色の生命体らしき者の体温をサーモグラフィーは表示していた。


そして、足跡が聞こえ、2つの影が姿を現した。


「お出迎えとは派手な演出じゃねえか……」


「そう?……我乍(われなが)ら上出来だと思うんだけど?」


「待て、シルファ……お客さん少し驚いてるんじゃないのか?」


「ガイナ……少しは殺すヤツを楽しませようと思って、わざわざスポットライトを用意したんだけど?」


1人は洋風の白い服を着た、薄い金髪をしたショートヘアをした中年くらいの女性、もう1人は、図体がでかい黒いジャンパーを着たワイルドな髪型をしたイカつい中年男性だ。


貰った情報とだいたい一致している。ということは、こいつらが今回のターゲットか…………?


「1ついいか? お前らが最近騒ぎを起こしている殺人者(マダラー)か」


「フッ…………」


イカつい男はニヤっと笑った。そして目を大きく見開きをし――――――。


「いかにも! 俺達2人が騒ぎを起こしている殺人者(マダラー)だ!」


「おっと自己紹介がまだだったな俺の名はガイナ……ガイナ・ジャックだ」


「Xウェポンは力の服従者、力の欲望者(オルサディア)の使い手だ!」


「私の名はシルファ・アンジェシア……Xウェポンは全てのものを思うがまま操る伝染悪魔(ブレイン・スケイプ)を使うわ……」


「“思うがまま操る”だと…………? ひょっとしてそのスポットライトは」


ふと気付く、そしてシルファの説明で察した。 こいつがこのスポットライトを動かしている。 だが電気なしにどうやって…………。


「そうよ、これは私のXウェポンによるもの……。 あらゆるものを操る能力によるものよ」


「じゃあなぜだ? なぜそのスポットライトは光っている!?」


「“光っている”貴方はまだ気付いていない…………」


「それは単なる()じゃない……」


「どういうことだ?」


「時期に気付くぞ坊主…… その光の効果がなぁ!」


「御託はもういい…… なぜお前達はここにいる?」


俺は2人に単刀直入に問う。男がそれに答えた。


「何って占拠だよ占拠…… ここは俺達の隠れ家なんだよ」


「まぁでもただ住むだけじゃつまらなかったものでな……ちといいこと思いついたんだよ……」


ガイナは指を鳴らした。


「グガアアアアアアァァッ!!」


大勢の人が暗い穴の中から出てきた。 がしかし俺はそいつらが正気の人間には見えなかった。


なんというか誰かに操られてるようだった。


「こ、これは……」


「部下が欲しくてな……俺はこの力を使った」


ガイナの手のひらから1つのものが現出する。それは、禍々しい黒い雲のような形をしたXウェポンだった。


「町の人間を殺したのは俺だ…… そしてこの我がXウェポン力の欲望者(オルサディア)は殺した人間を我が(しもべ)として従わせることができる!」


「よってここにいる全ての人間は“死体”であり“家族”だ」


狂っている。 いかにも殺し屋が言うような言葉だ。心の底から“殺意の心”が芽生える。


「貴様達のようなヤツを放っては置けない……そして切り裂いてやる! お前達の体と心そのものを!」


「こい……スタード」


俺の心の中に眠っていたものが現出した。長期使わず、殺すのを躊躇い使うことのなかった……俺のXウェポン。黒と赤色の大きな大剣。


コイツは……コイツらをみると無性に俺の封印した怒りを引き出してくる。


「……うっ」


一瞬視界が赤く染るビジョンが見えた。


そうかスタードお前もか……いやむしろお前は俺の昔のできごとを今の俺に見せているんだな……。


あぁ……。わかったよ。やっと……。俺は最近嫌な夢を見るのは……きっとそれは俺のXウェポン、スタードが見せている夢なんだな。


なら戦おう……。 スタード……。 そして目の前の敵を跡形も無く切り裂いてやる。


たとえ敵の体の中にある臓器が残ったとしても俺は、それを血の汁のように無残な形にする。それでいいんだな?


覚悟は決まった。後はあの2人を切る……それだけだ。 たとえそれが相手の策略の内だとしても、かまうものか……。


……。


……。


……。


大きく深呼吸をした――――――。そして俺はスタードを身構え――――――。


「でやあああああ!」


俺はスタードを力強く右手で握り、歪んだ2人の敵へと勢いよく斬りかかった……足で助走をつけながら…………。 しかし――――――。

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