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Murder World VI.Generation  作者: 萌えがみ☆
第3章【戦火に舞う薔薇】
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【基地に潜む機械竜その1】

 それは50mを超えるであろう大きさのマダロイドだった。


「なんて大きさ……ッ!?」


 私の方に後ろに付いている尻尾を思いっきりなぎ払って攻撃してきた。


 まともに食らってしまい、壁の方へと吹っ飛ばされた。


「蒼衣!」


「美咲さん、1つ聞きます……、あのマダロイド自体が制御装置なんですか?」


「そうみたいよ」


「少々手間を取らせますね」


「うぅ……」


 激しい痛みが走る。


 そうしてると美咲が私の方に駆け寄って能力を使って治癒する。


「ありがとう」


「あなたに死なれちゃ困るわ」


 痛みが引いていく。


「でもとんでもない大きさです。何処か弱点は」


「さっきまでの戦法でもいいけど多少リスクが伴うわね」


「そうですね、ここは3人で一緒に戦いましょう」


 すると綾さんはスコープで何やらやり始めた。


「私弱点を探します、こういう分野は得意ですから」


「頼みましたよ綾さん」


 流石の礼名でも行動、攻撃の荒い相手では処理が追いつかないだろう。


 彼女がどれくらいの腕の持ち主なのかは知らないが、果たしてこれは大丈夫なのだろうか。


 すると私の肩に美咲が手の平を乗せる、不安を解くような優しく癒されるような力だった。


「大丈夫、彼女を信じて」


 その言葉に対して頷き返す。


 美咲と綾さんは出会ってどれくらいなのかは知らないけど、美咲がそういうなら私は信じてみよう。


 まあ以前の私なら考えにも至らなかった行動だが。


 これも政希さん(かれ)のせいでもあるけど。


 グオオオオオオッ!!


 断末魔の叫び声を上げながらこちらの方へ助走をつけて突進してくる。


「来ます!!」


 ドンッ!


 勢いよく突進してきた巨体を持つマダロイドは私達が避けたと同時に壁にすっぽりとめり込んだ。


 グガアアアアッ!! ドン! ドン!


 しかしめり込んだ体を馬鹿力で猛暴れする勢いで、周囲の壁を破壊しながら体を抜いた。…………相手は無傷だ。


「あんな壁を無理やり破壊しながら抜くなんて」


「しかも無傷ね」


「…………ッ」


 礼名が隙をついて相手の後頭部目掛けて狙撃する。


「何?」


 しかしびくともせず、動きを止めなかった。


「相当硬いみたいね」


 すると相手は口を開き、次の攻撃態勢に入った。


「大きい攻撃来ます、避けてください!」


 反発する対応ですぐさまそこを避ける。


 口から巨大な怪光線が放たれ、渦巻く傷跡を壁に残す。


 食らったらひとたまりもないだろう。


 だが現状今相手の弱点らしい箇所は見当たらない。


「ほんと、とんでもない化け物ね」


「美咲なんとかならないの?」


「今ここで使えば敵にこちらの動きを知らせるようなものよ。だからやらない方がいいわ」


 後ろを見ると熱心に敵の弱点を探ろうとしている綾さんのたくましい姿があった。


 苦戦を強いられているその表情を露わにしながら、必死でキーを高速で入力している。


 どうやらもう暫くかかりそうだ。


「美咲さん、蒼衣さん合体攻撃を試みましょう。」


 急な唐突すぎる判断であるが、そこは礼名の言葉を信じて私達は「うん」と頷いた。


 礼名が一点集中で弾を3発撃つ。


「美咲いくよ」


「いつでも大丈夫」


 お互い意気投合し、左右に分かれ弾を追いかけるように敵マダロイドに攻撃を仕掛ける。


 助走をつけ、武器を突き立てながら一閃突きを試みて、敵めがけ勢いよく飛びかかる。


 それは丁度いいタイミングだった。弾も同時に直撃したのだ。


 3人の合わせた一点の攻撃が敵マダロイドにぶつかり合い、光の波動を巻き起こした。


 爆風が起こり、私達は後ろの方へと飛ばされてしまう。


 ……破壊には至らなかったが、大きな打撃にはなったはずだ。攻撃している間に手応えのある感触があったからだ。


 金属が軋みながら火花を散らす感触。あれは間違いなく攻撃したその感覚だ。


「やったの?」


「そう簡単にこちらの都合よく倒れてくれる相手ではないと思うけど。」


「まあそうか」と苦笑し、前を向いた。


 黒煙が舞い上がりながら、前へと歩いてくる。


「あまりダメージないように見えるんだけど」


 さっきと変わらず動きを止めず今度は体についている巨大な尻尾で勢いよく周りをなぎ払った。


 咄嗟に回避、同時に尻尾目掛けて攻撃するが、力及ばず弾かれる。


「チッ……!」


 惜しみ残る一撃となった。


「全く隙のない怪物ね」


「ほんとよ、どれだけ不死身なのよって話ね」


「すみません、一撃で仕留められそうな気はしたんですが。」


 攻撃によって出来上がった人が数人入れそうな大きな瓦礫の下に籠もって一時休戦、作戦を立て直す。


 綾さんは射程外だっためなんともない。


 さてどうしたものか


 お互いに話を出し合いながら作戦を考案する。だがどれも名案と呼べそうなものは出てこない。


 時間は経つだけ、考えに考えるがお互いに話がまとまらない状況でいた。


 どれもいいところまではいくのだが欠陥だらけ。


 それは愚か弱点のわからない相手をどうやって倒すか、悩みどころである。


「そういえばあの巨大レーザーどう対抗しましょうか」


「やられる前に叩くとか?」


 すると迷走していた気持ちが一気に確信に変わるセリフを礼名が言い出した。


 そうか、その手があった……、よくよく考えれば。


 私は弱点を知ったかもしれない、そう唯一の最大の弱点だ。


「2人共ちょっと耳かして、弱点分かったかも知れないから」


 2人は私の言葉に耳を傾けた。


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