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Murder World VI.Generation  作者: 萌えがみ☆
第3章【戦火に舞う薔薇】
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【敵の制御を叩け】

 薄暗い天井裏の通路へ上がり匍匐前進しながら前へ進む。


 途中道が2つ分かれた箇所もあったが、礼名に誘導のもと後に続き進む。


 周囲からは、機械らしき何かが動いているような物音が向こうから聞こえてくる。装置はいくつもあるのだろうか。あのセンサーを制御する装置もあれば、機械整備用の装置、武器などを製造する為に使用する機械など色々とありそうだ。


 生憎私にはこういうのは管轄外だ、何にせよ見分けが付かなく1つ1つの部屋片っ端から破壊しながら探し当てるだろう。さてどれがその制御室なのか。


 礼名の情報によればそれが数か所あるみたいだけど。


「それで最初どこ行けばいいの?」


「今見えてる先の壁……ありますよね、そこの右端の隅にある突き当たりの壁……そこを破壊すれば1つ目の制御室部屋に入れます」


 先には通路の壁、左端には先へ続く道が、それとは真逆の道、違和感の感じられない何も変哲もない壁に一つ目の制御室があるという。


 とりあえず言われるがまま近くまで進んだ。


「ここどうすればいいの?」


「蒼衣さんのストライクでは、斬れが悪いでしょう壁も非常に固そうですし」


「じゃあ誰がここを破壊すればいいの?」


「私がやります、だいたいこのエリアの壁や床で使われている物はほとんど、爆発性のものには弱いと判断できました」


「それだと結局礼名に頼んでしまうわけか」


「まあそうですね剣系のXウェポンだとタチが悪いです」


 ふと思ったものを口に出した。…………綾さんのことだ。


「すみません綾さん、綾さんってどんな武器使われるんですか?」


「…………」


 綾さんは沈黙し言い出せない感じでいた。そうなんか、顔にモヤでもかかっているように思える。……もしかしてだけど。


 すると美咲が言い出せない綾さんの代わりに答えた。


「綾ちゃんは武器使えないのよ」


「えっそんな……」


「昔から出すのが難しいって言っててね、未だに出せないんだって。そのせいで軍の中では戦力にならない“役立たず”とか言われていたのよ」


 なんとも悲しい話。私は今綾さんに聞いてはいけないことを聞いてしまったかも知れない、一言謝ろう。


「すみません、綾さん……悪いこと聞いてしまって」


 だが綾さんは首を横に振った。


「とんでもないです、私昔からダメで。『この戦力外!』とかよく言われましたし。…………隠していたわけではないんですよ…………その……なかなか言い出せなくて」


 少し俯いた表情をしていた。まるでこの世に全て見捨てられたかのようなそんな不安な顔をしていた。


「でも…………そんなあなたを隣の人は必要としてくれた……そうなのではないんですか?」


「礼名さん……」


 酷く落胆しそうになっていた綾さんを礼名がそっと励ます言葉をいう。


「うん、綾ちゃんは私にとってなくてはならない存在よ」


 美咲は、肩に手をのせる。それは『1人じゃないから』と言うように私には感じ取ることができた。


「美咲さん……。私」


「泣かないの、それに少なくともここにいるみんなはあなたの味方だと思うわ」


 誰かが挫けそうになったらそっと誰かが背中を押す、これこそ政希さんが心の底で大切にしていること“人を大切にする心”なのだろう。


 それはきっと人と人を紡ぐ架け橋でもある。……今ならわかる、この世に必要とされない人間なんていないと。自分を認めてくれる人は沢山いると言うことを。


 綾さんはまさに今その場所に立っているんだ、今日この一瞬の一時を。


「私も綾さん……あなたを仲間だと信じてますよ、例え武器が使えなくても私にとって綾さんは心の励みなんです」


「ありがとうございます、皆さん……それではいきましょうか」


 礼名はシュナイダーを出し、部屋があると思われる壁に銃口を当てがる。


「大丈夫? 礼名そんな至近距離じゃあ私達にも被害及ぶんじゃ……」


「心配要りませんよ、私の武器威力も調整できるので」


 するとシュナイダーの何かのつけねを指で掴んで回す。あれで威力を調整できるとでも言うのだろうか。


「…………ッ!」


 パンっ。


 そのまま射撃して穴を開けた、が目立った音は立たず普通に蓋でも開けるくらいの音しかしなかった。


 どうやらあれで威力を調整できるのは、本当のことらしい。正直私にもそのような武器が欲しいのだが。


 開いた場所から僅かな光が差し込む。近くに言ってそこを覗き込むと見知らぬ部屋が広がっていた。


「本当に引き当てるなんて凄いよ」


「引き当ててるわけじゃありませんよ、ちゃんとマダラースコープで確認していますからね」


 やはり正確性は100%だ、礼名は。凄いや。


「さて乗り込みますよ……後に続いてください」


 私達は後に続くように、その光が差し込む1つ目の制御室へと侵入していった。

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