【薔薇は一枚も落ちることもなく】
茂上を追い詰めた美咲、Xウェポンである、グレイスローズの刃を突きつけていた。
そしてついに鬱陶しい根源であった機械を能力で破壊した。
「何をする」
「目障りな物を破壊しただけよ……。これであなたを守る者はいなくなったわ、案の定無防備状態ね」
「舐めるなよ、こっちだってまだ秘策が」
怯えながら茂上はXウェポンを出した。小型のナイフをした黒金の武器だった。しかし力の差的に相手にはならないだろう。
腰を抜かした茂上に対して美咲は、笑みを浮かべながら怯える彼の顔を覗き込んだ。
「そんな弱そうな武器で何ができるの? 大した能力っも持ってないくせに」
怯えツタの手の彼は、手が異常に震えさせている。これが追い詰められると言うことなのだろうか。
「くっ」
一振りで攻撃するが、その攻撃を手で受け止めて見せる。
「何やっても無駄よ、救いの手がないあなたには勝利はない」
勝利は目に見えていた、すると美咲は力強くそのまま押し出す。すると彼の体は枯れ崩れていく。
美咲は朽る力を送って体を脆くしたんだろう。
「あなたにとって相応しい死を送ったわ。……哀れに死になさい」
「グアああああッ‼︎ おのれ華崎美咲ぃぃぃぃぃぃぃ」
茂上はそのまま絶叫を上げながらそのまま朽ち果てて死亡した。跡形もなくなって。
なんとも言えない哀れな末路だった。
私たちは美咲の元へ駆け寄る。
「大丈夫?」
「怪我ありませんか?」
「心臓止まるかと思いました……ふう」
ふと思ったが、次に進めるような穴が1つも見当たらない、一体どこに次の階層に繋がる通路が。
目立つ模様が1つもないのが気になるところ。
「……次どう行きましょうか?」
「通路見当たらないね」
周りを見渡し隈なく怪しいところがないか探す、それでも見つからなかった。
「…………」
礼名は険しい顔をしながら、床に目を射る。どうやら何かに気づいたらしい。
「あの箇所なんか気になります。試しに撃ってみます」
「ちょっと礼名⁉︎」
礼名は躊躇いもなくその箇所を撃った、シュナイダーの狙撃により大きな爆音と共に黒煙が上がる。
急だった為、多少咳き込みをした。
「急に撃つのはいいけど……いきなりは」
「すみません、けれども私の勘……外れてはなかったようですよ」
「ほらそこ……」
礼名が首で場所を指す、そう煙が上がっていた場所だ。徐々に視野が開てくる。
「本当、蒼衣の後輩は優秀ね」
姿をあらわしたのは大きな下の階層に続く通路だった。
……やはり礼名は凄いな、微妙なところも決して見逃さない、そこは本当に感心する。
「皆さんそれでは行きましょう、この先厳しい戦いになりそうな予感します……飽くまでも予感ですがね。ですがそれだけ頭に入れて置いてください」
一同頷くと下の階層へと足を運ぶのであった。